熟年やじろべえ

雨降りと晴天、ブレーキとアクセル、アナログとデジタル、自由と束縛、化粧と素顔、悲観と楽観、依存と自立、静寂と喧騒、表と裏、過去と未来、直感と思考、緊張と弛緩、北風と太陽、勤勉さといい加減さ、山下達郎と友部正人、リチャード・バックと坂口安吾、男と女、A型とB型、異なる対極によってやじろべえは安定します(安定性は支点とその左右にある負荷の距離が遠いほど増す)。
だからですね、違いを責めたり嘆いたり、相手に寄って行ったりせずに、支点(センター・双方の合意点)を意識しながら自分の位置を微調整すればいいのです。

もうひとつ大事なことは、お互いが支点よりも低い位置にあること(やじろべえ全体の重心が支点より下にあるほど安定する)。つまり自分が深まっていること、同時に相手への気持ちが深まっていること。浅い者同士だと揺れ続け、関係が深まってゆけば少々の風になど微動だにしない。
いつもとても残念に思うのは「夫婦仲が不安定だと理想の庭が実現しない」ということ。安定のために喧嘩をする夫婦はぜんぜん大丈夫で、しっかりといい庭を手に入れ、その庭がきっかけとなってよりいい夫婦に成長してゆきます。まあ人様のことをとやかく言ってもせんないことなので、わが夫婦が形骸化してしまわないよう心がけて、大いに喧嘩をしなければ。
とは言うものの、さすがに熟年やじろべえの揺れは徐々に少なくなってきたような。若い頃は浅い関係で揺れを楽しんだものですが、「もう若くないさ」ときみに言い訳しながら、二人だけのメモリーどこかでもう一度。



光と影のハーモニー

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常緑樹と落葉樹、多年草と一年草、陽だまりと日陰、見晴らしと目隠し、狭い庭は居心地をよくして広さを感じられるように、広い庭は隠れ場所をつくり落ち着いて過ごせるように。
陰陽まざり合うニュアンスの世界を。



時々あえて友部正人に首まで浸かる。
それはゴッホや、宮沢賢治や、ジャズでいうならチェト・ベーカーと同質の、
とても純度の高い、いけないお薬のような世界だ(やったことがないので想像だが)。
しばしトリップする。
すると遠くの、江ノ島方向の山影から澄み切った光が射してくる。
十秒に一度打つ鼓動のようなその光は、日中の設計で興奮した血流を鎮めてくれる。
でも友部の世界は庭の朝日にはそぐわないので、今夜のお楽しみということで。



このお楽しみにはおまけ付き。
新たな庭暮らしを求めて横浜から大磯に移住を果たした、
とびきり素敵なご夫婦から頂戴した上等な焼酎を、あえて梅割りで。
酔いと覚醒のハーモニーを楽しむために、
田舎っぽい赤くてすっぱい梅をかき混ぜて。
これまで出会った、たくさんの
素敵なご夫婦を思い出しながら。





今日は港南台店にいます。


 

 

家族の庭のつくり方 37

落葉樹を植える

柑橘類やオリーブやキンモクセイなど、いつも葉が繁っているのが常緑樹で、サクラ、イチョウ、ハナミズキなどの秋に葉を落とすものが落葉樹です。



ウメ

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モモ

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サクラ

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落葉樹は季節を告げてくれる。



カキ

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ハナミズキ

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モミジ

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春は芽吹いて花が咲き、夏は木漏れ日と木陰をつくり、秋は紅葉し、冬は葉が落ちて陽だまりに。四季折々に語りかけてくる、親友のような存在になります。



梅雨明けで光も一変したように感じます。
キラキラするフレッシュなイチョウの葉を撮ろうと見上げたら、
驚くなかれ、すでに秋の準備が始まっていました。

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ライムのような色合いが黄色く熟して、
散歩道が芳しきイチョウの香りに包まれるまで
元気に夏を突っ走りましょう。
イチョウの香りといえば、
伊調馨さん、どうしているのでしょう。
もうゴタゴタなんぞは振り切って、
闘魂むき出しのあの顔で駆け抜けて欲しいなあ。 





今日は金沢文庫店にいます。 
 




 

庭のつれづれ

あなたは拡大派?循環派?

もう平成も終わろうとしているのに、いまだに昭和時代的に「成長拡大戦略」とか言っている経営者や政治家を見ると、ああ、この人は庭になんか何の興味もないんだろうなあと思うのです。しかし世の中すべからく、そして夫婦もバランスを取るようにできているので、案外、家に帰れば丹精された花咲く庭があるのかもしれないなあとも。
殿方のお仕事上の戦略はともかくとして、家族を支える働き手が転けてしまわないためにも、奥様方、家庭はロハス( Lifestyles of Health and Sustainability /健康的で持続可能性がある暮らし方)でまいりましょう。



散歩道に一輪だけコスモスが。
レンズを向けたら先取りされてなるものかと、
すかさず飛び込んできた割り込み客。
狂い咲きも込みのたおやかなる循環。

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W杯に便乗したにわかサッカーファンながら、いやあ面白いですねえ。
あれは循環のゲーム。もしも制約制限なかりせばですよ、フィールドを広げるとか、ゴールを拡大するとか、ボールを増やすとか、人数制限なくするとか、ハンドオッケーでタックルもありとかしちゃったら、あの感動は生まれないのであります。
西野ジャパンに大拍手。素晴らしいゲームでしたね。





今日は港南台店にいます。




極上なる混沌

あてもなく歩けば月がついてくる
種田山頭火

あくまでも、悪魔でも、飽くなき闘いどこまでも、線路は続くよどこまでも。
事業に失敗した山頭火は金を失い、信用を失い、友を失い、希望を失い、意欲も失い、飲んで飲んで飲まれて飲んでのお決まりコースで酒に溺れ、自堕落の沼に深く深く沈んでゆくこととなりにけり。されど根がまじめといいますか、きっと誰かしらの大きな愛情を受けて育まれたのであろう太い性根によって、その局面を打開すべく禅寺に入り修行を始めたのであります。しかしああ悲しきかな、貧すれば鈍するとはこのことか、中年アル中男の緩解などはマボロシ〜!なのでありましょうか、決意の修行も長くは続かず、追われるように、ダメな自分を追い立てるように、自分探しの放浪へと旅立ちの歌。さあ今、銀河の向こうまで飛んで行くんだという思いとは裏腹に、それは苦しい苦しい乞食同然の彷徨だったのです。苦し紛れに旅の空へとツイートする言葉を帳面に書き記しつつ、行けども行けども極楽見えず、行けば行くほど運命にあざ笑われるありさまなり。それでも歩いて歩いて、書いて書いて、悩んで悩んで、悔いたり詫びたり泣いたり叫んだりしながらの元祖ヒッピー詩人。本人はご存知ないという点がとっても残念ではありますが、後年自由句の先覚者と称され多くの人を感動させたのでありました、とさ。めでたしめでたし。



早起、仰いで雲を観、俯して草を観る。
種田山頭火

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分け入っても分け入っても青い山なれど、人間到る所青山ありとも申しますゆえどうぞこのまま、どうぞこのまま、ただひたむきに。
あてもなく歩けば月がついてくる。月もまた、お天道様と同じなり。ぼくの前に道はない、ぼくの後ろに道はできるの例えに倣い、この道をゆけばどうなるものか、行けばわかるさ危ぶむなかれ。



悩み多き者よ、時代は変わってゆく。
まわるまわるよ時代はまわる、
喜び悲しみ繰り返しながら。
どう変わろうと尽きることなき悩みなら、
この際その混沌をかき混ぜてみるのも一興かと。
なにせわれらは考える葦なわけですから、
頭でっかちな猿なんでありますから、
この無駄に発達した脳の余剰をフル活用して、
でっきるっかな でっきるっかな はてさてむふー
でっきるっかな でっきるっかな  はてさてほほー
女房ご自慢の Vitamix 使ってギュイーン!
まあぜて まあぜて まぜまぜミックス
意外ネ、 意外ネ、素材が新鮮であれば何を入れても
極上スムージーの出来上がり。
というわけで、本日の出囃子は
ヴァルダン・オヴセピアンの極上なる混沌を。



この譜面を弾くことはできても、
歌うことができる人はそうそういませんよね。
試しにハミングで音を追ってみてください。
戯れであってもやってるうちに余剰の脳細胞が活性化して、
鋭くなった感覚の切っ先にて
愚者愚者に絡んだ糸を快刀乱麻、
バサッと断ち切れるやもしれませんので。





今日は金沢文庫店にいます。
 


 

長〜い夏の始まり始まり〜

一昨日の予感が的中し、な、な、なんと梅雨明け宣言To You となりました。例年より3週間も早いそうです。
困りましたなあ、なんだか意中の人にいきなりコクられたみたいでまだ気持ちの準備ができていなくて。あと半月ほどはしっとりと、うじうじと、じくじくと、湿気を楽しんでいるつもりだったのに。などとぶつくさ言いつつ文庫店近くの遊歩道を歩いていたら、ハスの花第一号が。帰宅しアルバムを確認してみたところ、これもまた昨年よりも2週間早い開花でありました。植物はどんな仕組みで情報をキャッチして季節と足並みを揃えているのか、不思議というか、神秘的なものですね。
その天与のセンサー機能はきっとぼくらにも備わっているはずなので、行っちまった梅雨を惜しんでいないで、今日からスカッとさわやかな夏仕様にしようと、先ほど上等な首タオルを購入いたしました。
汗を拭き拭き長〜い夏の始まり始まり〜。



梅雨明けの日に花開くとは気が利いている。

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やっぱり魅了されるなあ。

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何でしょうね、手を合わせたくなるこの感じ。

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これから3ヶ月、
存分に楽しませていただきます。

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今日は港南台店にいます。





家族の庭のつくり方 36

果樹を植える

庭の果樹は、家族に実り多き日々とたくさんの思い出をもたらします。



キンカン

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ウメ

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ライム

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ジューンベリー

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実のなる木は福を呼ぶ。



カキ

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アンズ

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梅、杏、柿、サクランボ、柑橘類、ジューンベリーやフェイジョアなどを植えて、収穫を楽しんで、至福の時を味わってください。
これから流行りそうなのはオリーブ。自家製オリーブオイルにチャレンジするお客様がちらほらと。



今年も散歩道のスモモが熟して甘い香りを放っていました。


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すかさずひとつ失敬してかぶりつけば、ああ夏の味。


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そういえば昨年は、「すもももももももものうち」から興に乗り、

うらにわにはにわにわにわにわにわとりがいる、

はははははははのははははははとわらう、

こつそしょうしょうそしょうしょうそ、

しんしんしゃんそんかしゅそうしゅつえんしんしゅんしゃんそんしょー、

とうきょうとっきょきょかきょくちょうきゅうきょきゅうかきょかきょひ、

と並べて遊びました。


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おっ、今年も目つきのキツい見張り番が。


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やあ久しぶり、と声をかけたらそっぽを向いて知らん顔。


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これが昨年の彼。

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たった一年で、少年は青年になりました。




 

庭のつれづれ

冷や汗が出るほどの的中率!
予感という不思議な前ぶれ。

朝日の庭に出て「不吉な予感がする」なんてことはまずないですよね。水やりを終えた芝生と花を眺めながら「今日もいいことが起こるに違いない」としか思えないものです。
夜は夜で、星を見上げ全身で風を感じながら「明日があるさ明日がある」と胸に希望が満ちてゆくばかり。
庭での予感はいつも的中します。 



いい梅雨だなあという感慨もつかの間の夢のように過ぎ、
西から夏の波が押し寄せて来ました。

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今年の夏はいつもの夏より、長くなりそうなそんな予感。





今日は港南台店にいます。



 

老化→蝋化→廊下

身体から発する光で周囲を照らす人を、きっとあなたも目撃したことがあると思います。庭の仕事をしていると、そういう強烈なワット数を有する特殊な蛍みたいな発光人と出会う機会が多く、ぼくはいつもその恩恵にあずかって、あやかって、光合成をしながら暮らしています。



逆境を照らすように、
逆光を集めて輝くタチアオイ。

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ではぼくの輝きはいかほどかと自問をすれば、ああいけませんいけません。少しの寝不足や、気分転換をしくじったり、運動を怠ったりするとてきめんに、梅雨空みたいな顔になっている。鏡よ鏡よ鏡さん、その仏頂面はどうしたことか。老化?表情筋が蝋化しちまってまっせと語りかけることもしばしばなり。すかさず丹念に百面相の顔面ストレッチ。今日こそはずううっと笑っていようと101回目の決心をしてニコちゃんマークではなまるマーケット。



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同世代の皆さん、特に男性諸氏、意識が顔まで届きづらくなるこの難局を突破しましょう。うまいこと突破できれば意識せずとも笑っている、何があっても笑ている、何もなくても笑っているおじいさんになれるというアメリカインディアンの教えがあるとかないとか。



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花言葉は「大望」「野心」「豊かな実り」。



何れにしてもマダムタッソーに発注するなら笑顔のまんまでお願いしたい。一体何が気に入らねえのかと思わせる不機嫌顔が常態化してしまった老化オヤジは廊下に立ってなさい!とレッドカードを出されてしまいます。まだ後半戦の中盤なので、見事に逃げ切るにしろ、逆転を狙うにしろ、ホイッスルまで全力でピッチを駆けていたいじゃないですか。アディショナルタイムを使い切る、最後の最後まで。

本日23時、フジテレビ。




今日は港南台店にいます。



 

家族の庭のつくり方 35

木に役割を持たせる

庭木にはそれぞれに役割を与えて植えてください。



ホウノキ

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フラミンゴカエデ

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ドラセナ

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ミモザ

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存在理由が、木を家族にする。



オリーブ

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モミジ

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シマトネリコ

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ジューンベリー

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空間構成、日陰をつくる、目隠し、香りを放つ、果実、アクセント、花、葉のきらめき、季節感、思い出、リゾート感、話し相手、願いを込めて、庭木が果たせる役割は多様です。



サッカー観戦による寝不足の眠気覚ましに、
日限山公園から続く里山を奥へ奥へと進んだら、
ネムノキが目が醒めるほど盛大に咲いていました。

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夏近し。

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我、設計の山と格闘中なり。

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毎年のことながら、
この時期は寝ぼけている場合ではないのです。

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今日もしっかり覚醒して、
張り切って取り組みます。

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いやあそれにしても、なんともやさしい花ですね。
そして神秘的な。

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ビールとポテチとカメラを持って、
行ってみたいなよその国、じゃなくて近所の森へとひとりハイキング。
ああ、晴れた日のネムノキの下でうつらうつらと昼寝がしたい、
という黄泉の国より泉のごとく湧き上がる衝動を右から左へ受け流し、
庭のアイデア源泉掛け流し、
うつつの国にて、夢の設計に熱中症。
早朝の志を得る初夏の風、今日も夏日になるそうな。





今日は金沢文庫店にいます。
 

 
 

ドローでメローな朝のこと

ジリジリするセネガル戦が終わり、試合結果と同じく興奮と疲労がドローのドローンとした頭で考えた。ビールとカップラーメンを胃に流し込んで無理やり寝るか、あるいは庭に出て朝を待つか。読みかけの本はずらっと並んでいるし、今から飲んだら朝がだるくなるのは明らかなので後者を選択した。



ノリウツギの朝げ

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深夜と早朝の狭間は静寂の闇。スタンドのウイッチを入れ、まだ必要ないのだが戯れに蚊取り線香に着火して、冷蔵庫にあったカラダカルピスを飲みながらスペシャルな時を過ごす(ページはさほど進まずほとんどうたた寝だったが、それがたまらなく心地よし)。やがて白黒の景色に色が入り始めた東雲時に「そうだ、公園へ行こう」と思い立った。軽く汗をかくくらい歩かないと仕事に集中できない気がしたからだ。
思い立ったが吉日なり、善行にためらいは不要なり、過ちては改むるにはばかることなかれとばかりに、素早く身支度を整え日限山公園へと向かった。



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まだ誰も歩いていない道を30分ほど進むと、頭上の地味目な白いふさ花に虫が集っているのを発見。ゲンキングなムシキングたちの朝食バイキングは早い。まあ一応撮っとくか、と、ぼくも地味目な気持ちで
ピントを合わせていたら、背後に人の気配が。

何撮ってんの?

はは、虫ですよ。

その人の出で立ちからベテランバードウォッチャーであることが見て取れたので、虫けらを狙っている者になど興味を持たずに立ち去るであろうと思い、そんなニュアンスで返事をした。

この木、知ってる?

いえ、この木は何の木でしょうね、気になる木ですね。

あははは、これはノリウツギだよ。なかなかこんなに大きく成長しないんだよね。皮から採れる粘液が和紙の糊に使われていたんだって。つまり、ここいらあたりが昔、里山だったってことの生き証人ってわけ。

ほほお、なあるほど。そういえばクヌギも多いし、確かに。

ぼくより十歳以上は年上のバードウォッチャーの、ネイチャーな知識に関心顔となったぼくに、さらに解説は続いた。

今咲いている小さいのが本当の花で、このあと紫陽花と同じ偽花が開き出す。それが枯れてもずうっと残ったままになることから、娘を嫁がせるときに「ノリウツギの花が消えるまで帰ってくるんじゃないよ」と送り出したんだってさ。

あああ、なかなかいい話ですね。そうか、枯れても消えない花なんだ。

うちの娘は嫁いでもいないのに枯れ始めてるよ、ははは。けっこういい女だと思うんだけどなあ、・・・世の中うまくいかないね。
あんた、独身?

ええ、まあ。

何となく、ノリでそう答えていた。

何だ、もしかして訳ありかい。訳ありだよね、みんな。そうかああ独身かあ。俺もカカアが出ってっちまったから独身だ。

おやまあ、それは訳ありですね。

まあいんだ、次のカカアは目星がついてるし。ってか、それで出てっちゃったんだけどね、はは。

早朝の公園にはとても似つかわしくない話題だったが、バードウォッチャーの顔に刻まれた笑い皺がメローさを醸し出していて、品があるというか、ナベサダや三宅一生や高橋一生と同じ種類の笑顔だったの、気分は落ちない。

おやおやそれはまた。命短し恋せよ男、ですね。

しょゆこと。じゃ、お先。

立ち去ってゆく背中はやや丸く、少し寂しそうであり、少し何かに怒っているようでもあったが足取りは少年のように軽やかで、望遠レンズを装着した三脚付きのカメラを担ぐ姿は、おもちゃの剣付き鉄砲を手に、自治会主催の戦争ごっこに赴く老兵役みたいだった。



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多くの人がまだ布団の中にいる時間の公園を歩いている人は、多分だが、みんな訳ありだ。
ここが里山で、小さな田んぼを耕し、野菜を育て、山菜を採り、和紙を漉き、炭を焼いて暮らしていた人たちも、みんな訳ありだったに違いなく、のこ大木となったノリウツギはその物語をじっと見つめてきたんだなあと、少々センチメンタルに、今は消えてしまった人たちの心情を想像しながらまた何枚か撮ってから、老兵とは反対方向に歩き出した。んっ!と背筋を伸ばして、軽やかに。



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もうすっかり寝不足の失点は挽回できた。ただし、まだドローだが。長いいち日の始まり始まりだ。
かつて「絶対に負けられない戦いがそこにある」って、テレ朝だったかな、よく言ってたけど、「そんなこと言ったって負けることもあるでしょ」って突っ込んでいたけど、ぼくのこの試合は絶対に負けられないのだ。

い〜のちい〜みじいかし〜恋せよお〜おのこ〜
熱き血潮の冷えぬ間に
明日の月日はないものを

いのち短し恋せよ男
心の炎消えぬ間に
今日は再び来ぬものを





今日は港南台店にいます。




 

ふざけろ・ふざけんな問題

関東人にして健闘人のぼくは、酔っ払った女房のわけのわからない口撃にアッタマ来たときに「ふざけんな」と言います。関西人にして勘冴え人の女房は、ぼくのシラフなのにもかかわらず酔っ払ったような言動に怒ると「ふざけろ」と言います。



通勤途中、漂う濃厚な香りに気づいて探したら、
十数メートル先にクチナシが咲いていました。
湿気と混ざり合うイランイランにも似た濃厚なる芳香は、
清楚や純情とは真逆の、播州女のかおりです。

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夜の庭でふと思ったんですけど「ふざけんな」と「ふざけろ」って真逆なんですよね。あっ、こんな下品な喧嘩は過去数回しかないんですよ。通常はですね、冷静に笑みをたたえながら「きみきみ、そういう言い方はないんじゃないかな」と諭し、「あら、あなたこそそういう考え方はいけなと思いわすわ。そのような単純思考は決して人類の幸福に寄与しませんことよ」という穏やかにして上品なものです(本当です、絶対に)。で、その真逆な言い方何ですけどね、否定と肯定、これは文化人類学的にとても興味深いことなわけです。



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関東人と関西人の違いはまさにここ。ぼくら関東人は(越後は東北ではなく関東圏)受け入れ難い事柄を排除しようとします。対して関西人は、ここぞとばかりに面白がると言いますか、しゃあないやんか、アホはアホなりに生きて行かなあかんのやしと排除することなく反省を促すような、それで反省しなくても、まあええわいな、人が死ぬわけやなし、そんは人がおってもおもろいやん、という具合なんですよね。



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どっちが正しいかは別として、関西人の方が濃いめのコミュニケーション術を有しています。反面、理屈に合わないといいますか、ときに論理的に破綻してるといいますか、そもそも論理思考をもっていないんじゃないかと、東男にはそんなイラっとする感情が積み重なってゆくのです。まあでも結果的にはその関西風雑草魂が、これまで幾多の難局を切り開いて来たわけでして、アクシデントには「負けへんで」と、理不尽な出来事には「そうか、そう来たか。ほなこうしたる」と、粘り強く獲得目標にフォーカスし続けるど根性を感じています。



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探偵!ナイトスクープってあるでしょ(横浜ではTVKでやってるので、録画して欠かさず観ています)。あれって、ぼくからしたら衝撃に次ぐ衝撃の内容なんですよね。関東人にとっては愚にもつかない些細な事柄が、オムライスがうまく包めない、みたいなことが、じんわりと泣けるいい話に展開したり、「こりゃあさすがにダメでしょ」という、放送上はタブーであると思われるレベルの精神的混沌に陥っている人取り上げてたものに、これまたティッシュの箱が手放せない泣き笑いの感動を得たりして、いやはや関東と関西の違いは洋の東西以上だと実感しているのであります。



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常日頃、この違いを庭木の捉え方にも感じています。剪定の仕方、仕立てのスケール感についてです。
関東の庭師はチョキチョキチョッキン、小ざっぱりと小粋に切り詰めてることを良しとしていて、庭木は盆栽のテクニックにて仕立てられている。ところが関西ではまったく違って、できるだけ自然樹形を保ちつつ、木と木がせめぎあいながらも融合する雑木林のような風情を好みます。



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たくさんのお客様から「あなたたちは理想の夫婦ね」という過分な賞賛を頂戴しているので、こんなことを言うのはいけないんですけど、何かにつけて関東と関西の違いは凄まじく、そのギャップからの小競り合いが繰り返される日々というのが実態。でもまあ、独身時代の早い時期からフランス人と結婚したいと妄想していたので、それに比べたら、かろうじて日本語が通じるのだからマシか、と思っている次第です。
ふざけろっ!と言われそうですが。





今日は金沢文庫店にいます。


 
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