魚沼の節分

 最近、関西から恵方巻というものが入ってきて、スーパーのレジ脇に節分の豆と一緒に太巻きが売っています。姫路出身の妻に聞くと、昔からあったそうで、ひとり一本の太巻きを無言で食べていたそうです。私はというと、出身地はかつてはコシヒカリ、今や地震と豪雪で有名な新潟の北魚沼郡小出町(魚沼市)。恵方巻を食べる習慣はありませんでした、が、魚沼特有の節分でした。
 それはどういうものかといいますと、豆といっしょに大量のお菓子をまくのです。子どもたちが十数人で『主婦の店』の袋(紙袋でした)を持って近所の家をまわり、各家はその到着を待って豆まき(お菓子まき)を始める。ハロウィンの『イタズラかオゴリか』と同じです。シンシンと降る雪の夜に、家長の張り上げる「フクワ-ウチ! オニワ-ソト!」と子どもたちの大歓声がひびき渡る、そんな豆まきです。
 2月のはじめは最も積雪が多い時期です。今年ほどではないにしろ、毎年町は雪に閉じ込められた状態なります。流雪溝(除雪した雪を流す水路)がない地域では、最初は屋根からおろしていた雪が屋根より高くなって、穴を掘るように雪を跳ね上げるようになるのがこのころです。ちなみに、現地では屋根の除雪を「雪下ろし」ではなく「雪掘り」と言います。私が子どもの頃はまだ消雪パイプ(道路のセンターラインから噴水みたいに水が出て雪を溶かす設備です)もなく、すべてが雪の下、スキーを履いて通学している同級生もいました。
 そんな閉じ込められた状態で冬の数カ月を過ごす子どもたちへの、大人からのプレゼントとして、あのような魚沼流の豆まきが行われるようになったのでしょう。今思うと、けっこうそういう行事がありました。『サイノカミ』『カマクラ』『トリオイ』・・・、雪国育ちの、あったかい、ありがたい思い出です。
 そんなわけで、わが家の節分は『魚沼流』、お菓子を大量にまきます。それを拾うのは娘の同級生たちで、毎年楽しみにしてくれています。田舎での参加者は小学校低学年までだったのですが、わが家のは回を重ねるうちにメンバーは6年生になってしまいました。例年どおり、本日2月3日開催したのですが、無邪気な子どもの行事という趣きはすっかりなくなり、「ワーワー! キャーキャー!」の大騒ぎです。妻いわく、「まるでギャバクラ状態ね」。おじさんとしてはさみしいような、うれしいような、変な感じです。娘に来年はさすがにやらないよねと聞くと、「絶対やる!」とのこと。今まではウケネライに、お菓子にまぜてニンニクやオクラやナメコパックをまいて、笑いをとっていたのですが、来年、中学生の女子軍団に何をまこうかと、おじさんは早くも思案しているのです。

〈 今年は写真が撮れなかったので昨年のものです 〉

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にっこり ネタの宝庫です!

後藤さんちのマーマレード

 突然ですが、男性にとって魅力的な女性とは・・・、どう思いますか。かつて(1981年)のBRUTUS『ブルータスのいい女論』で、『踊り子で人妻で女中』こそがいい女であるというのがあって妙に納得したことがありましたが、今そんなことを言ったら非難轟々、わが家にも波風が立ちますのでこれはなかったことにして。
 現在私が第一にあげたいことは『エネルギー値が高いこと』です。エネルギー値が高い女性は魅力的です。容姿や性格や教養とは全く別に、というかその前に、とにかくエネルギー値の高い女性に惹かれるのです。わが妻がまさにそれで、それゆえに公私にわたって彼女が巻き起こす事件、アクシデントも多いのですが・・・。異性の魅力的な家族がいることをとても幸せに思っています。
 なんでこんな話を始めたかといいますと、昨日おじゃました後藤さんちの奥様がうちの妻以上の『エネルギー値の高い女性』なのです。年齢は(?)ですが、元パイロットのご主人が定年されているので・・・。3年前にうちで庭のリフォームをやらせていただき、それ以来のおつきあいです。バラを絡めるアーチが欲しいということで、カタログを持って妻と二人でおじゃましたのですが、全くその話はせずに、紅茶と奥様の手作りマーマレードでの茶話会となりまして、ご主人も加わって、各々の出身地のことや若かった頃の話など、実に5時間半も長居をしてしまいました。いやあ、楽しい時間でした。
 昨日はあいにくの雨だったので庭には出なかったのですが、今までいつうかがっても、庭の、いい感じに年季が入ったチークファニチャーで、奥様お手製のマーマレードと紅茶でティータイムというのが後藤さん流です。とてもエレガントな時間で、まるでヨーロッパにいるようなのです。そしてこの奥様のエネルギー値の高さたるや、そんじょそこらの人にはないものです。生活全般にわたってエネルギッシュなのですが、特に庭、広い庭にいつもすばらしく花を咲かせていて、ご近所でも大評判、一年中通る人の目を楽しませています。花の手入れは実はとても体力や根気が必要で、集中力や尽きることのない情熱がないとなかなか見事には咲いてくれないものです。後藤さんちの庭を拝見するたび、並大抵ではないエネルギーとタフさを感じます。
 また、クリスマスシーズンには、室内も庭も盛大にデコレーションがされます。うかがうとひとりで1か月ぐらいかけて試行錯誤しながら飾り付けるそうです。一度飾っては、また位置を変えたり買い足したり、その結果として、クリスマスパーティーにはすばらしい飾り付けが完成しています。そうした力が内から次々と湧いてくる方なのです。これがエネルギー値の高さ、何歳になっても好奇心と創造力に溢れている女性、私はたまらない魅力を感じるのです。
 この奥様のエネルギーが影響しているのか、後藤さんちの夏みかんは毎年盛大に実がつきます。200個以上収穫するそうです。その実で作ったマーマレードの味は、奥様同様パワフルでエネルギッシュ、疲れがふっ飛ぶ味です。昨日も一瓶いただいてきたので、妻と一緒にしばらく楽しませていただきます。
 ところで後藤さん、バラのアーチはどうしましょうか。まあ春はまだ先、あわてることないですね。マーマレードの瓶が空になったらまたうかがいます。

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ロケット エネルギー値が高い方々の世界です。

雑草取りからの解放

 『雑草取りからの解放』は、庭を楽しんでいるすべての人の共通課題でしょう。お店で最も多く受ける相談がこれです。ケースバイケースで対応していますが、問題解決の基本方針といいますか、設計上のひとつのパターンがありますので、ご紹介します。
 雑草取りに音を上げている場合、たいがいは構成上庭が雑然としています。まずはゾーニング(区分け)。導線計画、人が歩いたり過ごしたりする場所をはっきりさせて、レンガやまくら木などの固いものでその場所を先に確保します。残ったエリアが植栽スペースです。細かくはいろいろありますが、今回のテーマではシンプルに、植える場所を明確にするということが大切です。テラスや通路をつくれば雑草取りが必要なくなるし、植える場所をはっきりさせて、手入れが必要な場所を絞り込むことだけで、イメージ的にも物理的にも雑草取りが楽になるのです。
 次にそのはっきりさせた植栽スペースの土が見えなくなるまで、好きな草花で植えつぶす。土が見えているかぎり雑草取りはつきまといます。雑草ではない、自分が植えた草花でいっぱいになれば、雑草が生える余地がありません。植栽スペースにまんべんなく植物が育つと、庭の維持がおどろくほど楽に、楽しくなるのです。
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 そうはいってもそんなに一度には植えられないし、大きく育つまでに時間がかかる。そんなときに便利なのがウッドチップです。なま木を砕いたものです。インテリアバークでもいいのですが、コストがかかりますので、ウッドチップをおすすめします。植栽スペースを何でも植えられるように土壌改良し、その上にフカフカするくらい(3cm以上)チップを敷き詰めれば、ほとんどの雑草は生えてきません。それを燃えるゴミで出しながら(けっこう油が強くて腐食しないので、堆肥にはなりづらいようです)、徐々に草花を植えたり育てていけばいいのです。
 仕事で庭の手入れをしていても、実は雑草取りが一番きつい作業なのです。腰は痛いし、手間はかかるし、丹念にやるときれいにはなりますが、剪定や植え込み作業のときのような感激が薄い。それと「すぐにまた生えてくる」という気持ちがつまらなさを誘うのです。この作業を延々と、日常的にやっていたら、当然庭がストレスの場所になってしまいます。ゾーニングで植える場所をはっきりさせること、土が見えない状態にすること、この2点を実践して雑草取りから解放されましょう。
 ちなみにウッドチップ、どこでも売っているわけではないようですので、購入希望の方は下記に連絡してみて下さい。たぶん全国どこでも配達OKだと思います。

ビッグサム港南台店 TEL 045-833-5156


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大波泳ぐ大波明日も元気に泳ぎきりましょう!

庭にストレスを感じたら

 せっかくの庭スペースが、生活上のストレスになっているケースによく遭遇します。それも、何年にもわたって「庭を何とかしなければ」と思い悩み、ついには庭を見ることが嫌で、カーテンを開けなくなってしまったという奥様も、過去大勢いらっしゃいました。そこまで深刻じゃなくても、ガーデンリフォームの相談に来られる方のほぼ半数は、今よりさらに庭を楽しみたいというよりは、手に負えなくなった庭をどうしたらいいかというような、庭にストレスを感じているケースでした。
 私なりに庭をストレスと感じる要因を整理してみると、以下の6項目です。

1、 雑草取りが大変。
2、 いらなくなった植木鉢や雑然と生い茂った草花の収拾がつかず、乱雑になっている。
3、 庭に出ても、表通りやお隣りから丸見えで、くつろげない。
4、 樹木がのび放題で、庭が薄暗くなっている。
5、 リビングからの段差が大きくて庭に出づらい。
6、 庭に出る理由(楽しみ)がない。

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 現在の庭にストレスを感じている方は、まずストレッサーを排除すること、以上の6点の改善からはじめてみて下さい。順を追ってご説明します。

1、 雑草取りの苦労から解放されたいというのは、皆様共通のことです。設計するときにいつも考える要素でもあります。ポイントを一言でいうと『ゾーニングと植えつぶし』なのですが、解説が長くなるので、明日にまわさせてもらいます。乞うご期待。

2、 乱雑になってしまった庭の整理、これはいらないものを『捨てる』ことに尽きます。それができれば苦労しないと言われそうですが、でもこればかりは・・・。がんばって捨ててみて下さい。具体的な方法として、移動可能な鉢や小物、掘り取ることができる草花を、一度すべて庭から出してみる。それを戻しながら、いらないものを処分してみて下さい。大事なのは必ず庭の外まで持ち出すことです。庭の中で移動を繰り返していても、なかなかうまくいかないものです。いったん庭をガランとさせると、戻すときに自然とレイアウトを考えるし、必要、不必要の判断もつきやすくなります。

3、 ウッドデッキやテラスがあっても、周りの視線が気になっては楽しめません。必要な所に適切な目隠しを設置することで、庭は何倍も楽しい場所になります。目隠しの素材としては、生け垣や常緑樹、ラティスパネル、木工フェンスなど、さまざまあります。あまり閉鎖的になってもいけませんし、風通しがいいことも庭には大切な要素なので、必要以上の遮へいは避けたいところですが、庭を屋根のない部屋ととらえて、立体的な構成をイメージしてみて下さい。

4、 いつの間にか木々が育って、庭が薄暗くなっているケースがあります。陽も風も入らない庭では、何をするにしても気がめいってしまいます。一度植木屋さんに大刈り込みをしてもらうか、思いきって、何本か木を抜いてしまったらどうでしょうか。そうすることで庭が明るくなり、スペースもできるので、家庭菜園やバーベキューを楽しめる庭に進化するかもしれません。ちなみに、年に2回植木屋さんに入ってもらうと、消毒や施肥をし、樹型を保ちつつ、いい感じの庭を維持できます。

5、 庭に出づらいと、どうしても庭が生活空間外の位置づけになってしまうものです。ソファーを移動しないとリビングから庭に出られなかったり、ヨッコラショと言うほど段差が大きかったりではいけません。庭にすんなりと出られることが庭を生活空間にする第一歩、まさに第一歩目が重要なのです。庭への階段を作る場合、一歩目を広くすることをお勧めします。足元を気にせずに、自分が屋根のない所に行ける、これがいいんです。そして、階段1段の高さは20cm以内、15cm~18cmが理想です。こういう階段があれば、庭はグンと近くなります。また、庭に出やすいという意味ではウッドデッキは最高です。リビングが屋外へ広がった感じで、3でふれた目隠しも一緒に考えあわせて仕立てれば、魅力的なひと部屋ができあがります。

6、 庭に出る理由(楽しみ)がない。これは庭づくりの根本的な問題で、コンセプトメイク(概念の構築)から始めることをお勧めします。というと、何か難しそうに感じるかもしれませんが、例えば『シーンから入る』、これはけっこううまくいきます。この庭を舞台に、これから先、家族のどんなシーンが展開したら楽しいだろうということをイメージするのです。花やハーブを育てる、一日の締めくくりにキャンドルライトでワインを楽しむ、友人を招いてガーデンパーティー、休日は農作業に汗を流す、木漏れ日で昼寝をする・・・。イメージできたら、それは実現したも同然です。あとはそのシーンに必要な条件をそろえていけばいいだけです。例えば庭に露天風呂があったら最高だろうなとイメージできれば、それに必要な条件、給湯・給排水、目隠し、風呂桶(もちろん、石組みで滝からお湯が流れ落ちる本格的な露天風呂だって作れます)これらをそろえればOKなのです。勝負はイマジネーションです。せっかくの庭スペースをみんなで思いっきり楽しめる場所としてイメージできるかどうか、一度じっくり、ご家族でガーデンマインドゲームにチャレンジしてみて下さい。

 庭での楽しみ方、庭とのつきあい方、庭との戦い方、これは学校では教えてくれません。それは幸せな家庭の築き方に似ているのです。ただ漫然と過ごしていたら、なかなかうまくいきません。気がつかないうちに深刻な状況に陥ることもあります。
 庭から感じるストレスから解放されるためには、少々きついかもしれませんが、まずは積極的に庭と向き合うことです。最初は挑戦的に、次に夢と期待を込めて、『ドリームズ・カム・トゥルー』『イメージできれば出来たも同然』。めざすは『悦楽の庭暮し』です。体調を整えて、気力をみなぎらせて、天気のいい日を見はからって、いざ出陣!


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力こぶ スピリチュアル・マッスル、精神の筋力アップにぜひどうぞ。

軽井沢の駐車場

 7年前の初秋、軽井沢で数日を過ごしました。あこがれの万平ホテルで(宿泊はできなかったのですが)ジョンとヨーコに思いを馳せ、赤城牛の焼き肉を堪能し、My Son 優一朗とニジマス釣りをしたり、鬼押出し、浅間山荘、白糸の滝と、愛車のポンコツハイラックスサーフであっちへ行ったりこっちへ行ったり、下界より一足早い紅葉の高原リゾートを満喫しました。
 地元のジャムを探して、土産物屋の駐車場に車を入れました。駐車場というより雑木林を整備して砂利を敷いただけの場所で、軽井沢らしくクヌギやコナラが点在するところに、木を避けて車を停める、そんな感じです。車を降りるなり、大量のドングリが散らばっているのを発見して大興奮している優一朗を見ながら、ハッと思ったのです、「駐車場は砂利でいいんだ」。その頃、千葉の分譲地の共通外構をプランしていて、駐車場の仕立てをどうするか、ディベロッパーと検討中だったのです。コスト的には土間コンクリートだが、景観的に何とも味気ない、インターロッキングは後々劣化したときの感じがいただけない、レンガは施工に繊細さが必要、天然石は予算オーバー・・・。そんなときだったので、「砂利の駐車場」と思ったわけです。路盤材(クラッシャーランと言って、石を砕いたダストが混ざった砂利で、層としての支持力を持ちます)の上に化粧砂利を敷けば、コストは土間コンクリートの半分ほどだし、建物の色ともコーディネートできる。何よりつるはしで路盤を掘り起こせば木を植えられる。そこに住む家族にいいことがあるたびに木を植えてもらい、やがて大きく育ち、雑木林に車を停める感じになれば、春は新緑、夏は木陰、秋は紅葉、冬は日だまり、車に花びらが積もったり、ドングリが散らばっていたり。なかなかいい感じだと思ったのですが、そのときは却下、実現しませんでした。
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 現在はお客さまと直接検討しながらプランをしていますので、こういうイメージの砂利の駐車場や、さらに進化して、普段はフロントガーデン、来客時は駐車場というスタイルも多く施工しています。駐車場を機能的に車を停めるスペースととらえるか、家族の生活シーンが展開するステージととらえるか、それによって、仕立ては大きく変わってくるのです。あの日の優一朗のはしゃいだ様子(本人は全く覚えていないと思いますが)は私には一生の宝です。駐車場も、イメージひとつで生活空間になるんだということのヒントを与えてくれた優一朗に、いつか、十年後かな、一杯やりながらお礼を言おうと思っています。
 そう言えば『駐車場』を歌った(めずらしい)名曲を思い出しました。小椋佳の『野ざらしの駐車場』です。古いですねえ、30年くらい前の曲です。


野ざらしの駐車場
           作詞 小椋 佳  作曲 星 勝  唄 小椋 佳

腰をおろした切り株 小首かしげた野うさぎ
久しぶりです あぁ ふるさと
砂ぼこり 砂ぼこり 野ざらしの駐車場
これも仕方のないことでしょうか

花ぐしさした少女を 追いかけていたあの日よ
久しぶりです あぁ ふるさと
砂ぼこり 砂ぼこり 野ざらしの駐車場
これが利口というものでしょうか


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ダンスダンスダンス 毎日を楽しみまくっている人たちの世界です。

越後男と播州女

今日は対談形式で

< ヒ デ >港南台生活も5年が経ったけど、どう、何か思うところありますか。

<カオリ>よくがんばったなあ、というか、よく無事でやって来れたなあという感じ。思い出すと、最初の2年くらいはあたしたち疲れまくっていたもんね。初めての地でのゼロからのスタートだったし、いきなりお客さまに行列していただいたものだから、毎日必死で、あなたはいつもヘロヘロ状態、わたしも這いつくばりながら前進していた感じ。

< ヒ デ >ほんとにそうだったね。ふたりとも気が張っていたから大病もしなかったけど、時々「もう限界、半日でいいから休ませて」とか言って倒れてたもんね。

<カオリ>でもつくずく思うのは、お互い商人の生まれで、親が仕事するのを見ながら育ったせいか、お客さま第一ということは共通しているし、パワーの源もお客さまだよね。

< ヒ デ >そうそう。かなり疲れていても設計依頼があるとパワー全開、設計デザインがすきだってこともあるんだけど、それよりも、どういう提案をしたらお客さまがビックリするかとか、デザインしながらお客さまが喜んで下さる様子が目に浮かんで、ひとりニンマリしていたり。誰かに喜んでもらえることで自分の生活が成り立っているという感じは、ウチらの共通認識だね。

<カオリ>ところで、ずいぶんたくさんのご夫婦と話したよね。たいがいというか、全てというか、私たちより優れた人たちで、こういう人たちが庭を楽しんで、さらに幸せになっていくんだなあって、よく思った。

< ヒ デ >それは今でも、毎日思うことだね。ほんとにうちのお客さまって優れた人たちのオンパレード。家庭も仕事も賢く前向きにこなしていて、若いご夫婦はエネルギッシュに、ご年配の方はゆったりと。

<カオリ>何回かあなたとケンカ状態でお客さまのところにうかがったことがあったけど、帰り道には必ず「こんなことでケンカしてる場合じゃない、ふたりでもっとがんばらなゃ」そんな気持ちになりました。

< ヒ デ >いやほんとに。幸せ達人というか、いい感じの人たちとかかわれることが、この仕事の大きな魅力だね。そういえば、最近あんまりケンカすることもなくなったなあ。私が辛抱強くなったからというのもあるけど、お互い少しは賢くなったのかもね。

<カオリ>辛抱強くなったのは私です。

< ヒ デ >夫婦像っていろいろだけど、いい感じのご夫婦の共通点ってあるよね。

<カオリ>あるある、奥様が明るいってことでしょ。

< ヒ デ >そうなんだよね。これは絶対にそうだと思う。奥様が明るいと家族に何がおこっても大丈夫、必ず乗りこえて、さらに大きな幸せをつかめる。そういう例を山ほど見聞きしたもんね。更年期とたたかったり、ご主人がリストラに合ったり、お子さんに障害があったり・・・。きっと誰にでも均等にアクシデントや困難が襲ってくる、そんな気がするけど、奥様が明るければ何とかなる。今ある家族の幸せ、その最大の功労者は『明るい奥様』そんなご家族に何度も遭遇したもんね。実感だよね。

<カオリ>明るさって強さなんだと思うよ。気持ちが健康でタフなんだよ。で、ご主人はどうよ。

< ヒ デ >奥様が明るくてご主人がマニアック、この組み合わせ多いよね。昔なら『東男に京女』、男らしいキップのいい男性と、はんなりとやさしい女性という組み合わせが良しとされていたけど、今は『明るい奥様と凝り性のご主人』だと思う。

<カオリ>私たちはどうよ。越後男と播州女だけど。

< ヒ デ >私は典型的な越後人。辛抱強くて働き者で、極めて寡黙(雪国なので、口を開けると寒いため、できるだけ会話をしないようになったと言われています)。それに対してあなたはこれまた典型的な播州女。社交的で馬力があり、とにかくよくしゃべる。越後人から見ると、まるで外国人。朝から晩まで、あんまりひっきりなしにしゃべっているから、時々あなたのしゃべっている声が夜中のテレビの砂嵐みたいに、「ザ~・・・」と聞こえていることがあるんです。

<カオリ>それで時々変なタイミングで相づちを打つわけね。まったく。

< ヒ デ >ま、それはそれとして、あなたはめちゃくちゃ明るいので感謝してます。で、私は凝り性・・・。ということはバッチリじゃないですか。これからもよろしく。うちら幸せになれますよ。

<カオリ>確かにいい組み合わせかもね。でも凝り性はいいんだけど、最近仕事以外のこと(昆虫フィギア収集)に凝り過ぎです。もっとしっかり稼がないと私を幸せにできませんよ。

< ヒ デ >大丈夫、心配しなくても次の5年間は君を幸せにするために生きるよ。

<カオリ>越後男なのにいい加減なこと言い過ぎです!

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乾杯 男は妥協、女はIQ・・・。

松井画伯の庭

 松井画伯、たしか70歳だと思います。少年のように好奇心いっぱいの目をした、岡本太郎を少しだけ柔らかくしたような感じのお客さまです。かわいらしい奥様といつも一緒で、その年齢からは考えられないほどエネルギッシュな創造生活を送られています。
 この方、60歳まではサラリーマン生活だったそうで、もともとは傾斜地の雑木林だった庭を、会社で嫌なことがあるたびに、「こんちくしょう! 課長のクソッタレー!」と言いながらツルハシを振り下ろしているうちに、勤続40年、いつの間にか平らなさら地になったのだそうで、そこをガーデンパーティーができる庭にというご要望で相談に来られました。
 打合せにうかがってビックリ。ほとんど手作りで建てたという別棟のアトリエ、すばらしい何百枚もの作品と油絵の具の香り、創作エネルギーの竜巻きに巻き込まれたような衝撃を受け、軽くめまいを覚えながらいろいろとお話をうかがって、さらにビックリ。何とこの方、定年退職してから単身フランスに渡って、そこで数年間絵を習い、それから画家生活がスタートしたのだそうです。伊能忠敬が歩きはじめたのが50歳ですから、それを大きくしのぐ偉業です。さらに驚きだったのは、かわいらしい奥様とは再婚したての新婚ホヤホヤ。定年後を好きな趣味をしながら・・・などというのはなく、もっとアグレッシブに、「ずっと我慢していたけど、ほんとはこういう生き方がしたかったんだ~!」、そんな感じです。実にすばらしい。井上陽水の古い歌に『人生が2度あれば』というのがありましたが、松井画伯は人生を2度経験していらっしゃいます。見事です。私も、「人生の後半戦を画伯のようにエネルギッシュに、創造的に組み立ててみたい」そんな思いが心に刻み込まれた、ありがたい出会いでした。
 後日、ご夫妻の結婚記念日のガーデンパーティーに呼んでいただき、妻と娘ともども、楽しいひとときを過ごさせていただきました。ちなみに庭は、デザイン通りに出来上がり、喜んでいただいたのですが、その後、画伯の創造パワーでどんどん作り替えられ、今では全く違う感じの『松井画伯の庭』になっています。これがまたすばらしいのです。脱帽!

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電球 ゆかいに暮らすためのヒントが満載ですよ~!

レノン降臨

 連日連夜、鬼のように庭の設計をしています。スイスイ描けることもあるし、一日をただただうなることに費やしてしまう日もあります。設計デザインはイマジネーションを形にする作業なのですが、もう少し現実的に言うと、『与えられた条件と問題点をクリアーしつつ』ということが付け加えられます。コンセプト、お客さまの要望、立地、土質、日照、既存樹木や隣家の配置、予算・・・。こういった、不規則に散らばった点のような要素を線で結び、空間として成立させる作業なのです。現在のようにCADがない頃は、描いては消し描いては消し、図面も手も汚れまくりながら執念で製図台に向かっていたものです。
 この仕事を始めた15年前、どうしても納得いく設計ができずに数日間苦しんだことがありました。ある夜、夢にジョン・レノンが出てきてヒントをくれ、夢の中で設計が完成したことがあったのです。今までどうにもつながらなかった点と点が、みるみる線で結ばれ、夢の中でドキドキしたことを覚えています。目が覚めてもドキドキが続いていて、すぐに製図台に向かって興奮しながら設計を仕上げた、そんな経験です。

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 その後、夢ではなく、設計中に、急に複数の問題が一気に解決し、おまけに、考えてもみなかったアイデア、プラスαが加わるという経験をするようになりました。最初は年に数回だったのですが、最近はその頻度が2、3日に1回、それが必要な状況では、ちゃんとそうできるようになりました。この現象を『レノンが降りてくる』と呼んでいます。おかげで、設計に対して粘れます。あきらめずに、妥協せずに粘っていれば必ずレノンが降りてきてくれる、そういう自信がついたのです。それと、それ以上に、レノン降臨の瞬間の感激が癖になってしまって、うまくまとまったと思える設計でも、あえてチャラにしてレノンを待つ、そんなこともあります。私は表現が仕事なので、レノン降臨が普通のこと、日常になっているのですが、おそらく絵画や陶芸や写真などのクリエイティブな趣味をお持ちの方なら経験したことのある瞬間なのではないかと思います。創造すること、表現することってエキサイティングですよね。
 「世の中には表現欲のある人とない人の2種類がいる」そうですが、私のように、表現以外の仕事は考えられないという表現欲過多の人はぜひ我が社で働いて下さい。おのが欲求を満たしながらお客さまに喜んでいただける方法を指導します。それほど欲求が強くない方、あるいは表現欲など意識したことがないという方、一度、積極的に自分の表現欲を意識して、刺激してみてください。方法は千差万別、あなたの中に眠っている表現欲・クリエイティビティーが目覚めたら、きっと世界が変わります。思いもしなかった感動に出会えると思います。レノンは私だけのものではありません。何てったって『イマジン』のジョン・レノン、『ラブ&ピース』のジョン・レノンですから、世界中の人に降りてきてくれるはずです。



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走る あなたのレノンは“にほんブログ村”にいるかもしれません。

お庭の2007年問題

 ご主人の定年退職を期に庭をリフォームする方が急増しています。和風の眺める庭から、家族で食事やバーベキューをしたり、家庭菜園が楽しめたり、『庭で過ごす』ことをテーマにしたいというご要望が多いのですが、中には少し離れている所に住んでいるお孫さんが遊びに来たがるように、水遊びの場所や砂場、ブランコなどを配した、おじいちゃんの戦略的(?)な庭もつくりました。
 定年後の新たな生活の、重要なステージとして庭をイメージする、すばらしいことです。こういうケースのお客さまはスッゴクいい感じの方ばかり、「こんなふうに年をとりたいなあ」というご夫婦ばかりです。若いころの苦労話や、夫婦に歴史あり的なお話をうかがいながらの庭の打合せにも熱が入り、新生活のテーマやイマジネーションがいっぱい詰まった、けっこう濃い庭が出来上がります。
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 退職直後のご主人方の共通点としては、長年会社でバリバリ働いてきた、そのままの勢いで庭に向かっていきます。バラならバラのスペシャリストをめざし、菜園となると、もちろん有機無農薬栽培で、まず土づくりから徹底的にこだわる。ご主人にとっては普通のことで、それどころか家族への愛情表現だったりするわけです。でも、このスタートダッシュが奥様にはきついことがあるようです。何十年か続いてきた静かな日常に、突如発生した過剰なパワー。ご主人の気持はわかっていても、どうにも扱いかねてしまうのです。定年退職後に奥様が体調を崩したり、何となくご主人とギクシャクしてしまうこともよくあるようです。中には体重が10キロ減ってしまったという奥様もいらっしゃいました。でも皆様、基本的に強くて賢い方々なので、時間とともにちゃんとリカバリーして、夫婦仲良く庭のある生活を満喫しているようなので安心していますが、いよいよ始まる2007年問題、特にご主人方、大切な奥様が『亭主在宅ストレス症候群』に陥らないよう、くれぐれもロケットスタートはお控え下さい。いちばんの理解者である奥様と一緒に、ゆっくりと、じっくりと。先はまだまだ長いのですから。

 ~君の好きなスピードで、僕のテンポで~(吉田拓郎/君のスピードで)



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グラス まずは奥様とワインで乾杯!ブログをチクチクしながらごいっしょに・・・。

中さん現る!

<報告:かおり>
 ひでちゃんが新潟から出てくるきっかけになった人(中さん)が昨夜、5年ぶりぐらいに会いに来られました。ひでちゃんとの出会いは、かの新潟3区に田中角栄とタイマンをはって立候補した野坂昭如さんの選挙。野坂さんとラグビー仲間である中さんは当時野坂さんの秘書をしており、六日町に住み込みで選挙運動をしていました。中さんは東大法学部卒で、しかも麻布にある中高一貫校を出ている正真正銘のお坊ちゃまでありながら、何とも自由な暮らしぶりで、ホームレス然とした格好でドヤ街暮らしをしていたかと思うと、都市計画プロジェクトに参加していたり、友人の会社の立ち上げを手伝ったりと、神出鬼没のフリーターです。
 ちなみに、中さんは「チュウ」と読みます。このビカビカの学歴をもった自由人(本人いわく極楽とんぼだそうですが)は現在61歳。将来の夢は温泉場のボイラーマンになって、わけありの温泉客や芸者さんたちとの人情話で日々を送りたいとのこと。正真正銘の極楽とんぼです。

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 久しぶりに昔話に花が咲きました。その中でおもしろかったことを書いてみます。
 高度経済成長の以前の日本を微妙に知っている中さんが、その前後で最もちがってきたと思うことは、家に訪問してくる人がいなくなったということだそうです。以前は、お正月といえば連日お年始にいろいろな人が来るし、日常的にも近所の人が、正面玄関ではなく庭から訪れることがふつうのことだったそうです。それはいわゆる山の手か下町かに関係なく存在した風景だったようです。それがその後、どんどん少なくなり、今では他家を訪れるのはとてもおおごとでかしこまったことになってしまっています。つまりそれぞれの家族が孤立化してしまっているということなんだそうです。なるほどなというかんじです。
 お正月に久しぶりに、豪雪が心配されているひでちゃんの故郷=新潟に行ってきました。商店をしているひでちゃんの実家には、1日中いろいろな方が訪れます。近所の若いお嫁さんが家族のグチをこぼしに来ます。近在の親戚のおじさんが雪路をバスにゆられて遊びに来ます。お客さんがそのまま上がりこんで話していきます。そのたびにお茶と野沢菜とお菓子でおしゃべりしたり、お酒やおせち料理を出したりと、ひっきりなしでした。それが高度経済成長の前の日本にはふつうにあった景色なのかもしれません。
 今の時代を謳歌しつつも、そんな古典芸術的な人間関係を構築していくために必要なのは、いったい何なのでしょう? ね。少なくともそれがあれば、心が痛くなるような事件が少なくなるのではないかと牧歌的に思ってしまいます。


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笑顔怒り悲しいウインク 喜怒哀楽、“にほんブログ村”はとても牧歌的なのです。

庭で本を読みたかった

 最初のご相談は、月に1回ぐらい帰ってくる息子さんの駐車スペースを確保するために、庭をつぶしてコンクリートの駐車場にしたいというものでした。それではあまりに味気ないので、普段は花壇と芝生を楽しみながら、来客時には駐車できるようにしたらどうかとご提案しました。その後、奥様といろいろ打合せをするうちに、今の庭は住宅メーカーに紹介された植木屋さんまかせで作ってしまったので、どうも楽しいと思えず、芝生の世話にストレスすら感じていることと、家を建てる前は、庭で本を読みたいと思っていたことを思い出したとのことでした。自然光での読書は目が疲れないのだそうです。この時点では、庭全体が芝生で、庭の端に背景としていろいろな樹木が植わっているという、いたってシンプルな庭だったのですが、庭で過ごすということからすると落ちつかない構成になっていましたし、何より庭に出る楽しみが用意されていない庭だったのです。
 それならばということで、すでに植えてあった樹木の配置を変えたりしつつ(具体的には庭の背景として植えてあったシャラノキをリビング近くに移植して、庭に奥行きと厚みを持たせました)、コーナーパーゴラと大理石平板で庭に読書スペースをつくりました。北鎌倉というロケーションもあって、実に気持ちのよい場所が出来上がりました。リスが遊びにきたり、ウグイスやヒグラシの声が最高のBGMです。自然豊かな場所なので、モグラの被害もありましたが、それもまた楽しいエピソード。ご夫妻には庭の仕立て方次第で生活が大きく変わることを実感していただけたようで、とても喜んでもらえた仕事でした。
 後日、庭での食事にご招待いただき、奥様の見事な手料理を堪能しながら、ゆったりと、北鎌倉の庭を満喫しました。

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