松井画伯の庭

 松井画伯、たしか70歳だと思います。少年のように好奇心いっぱいの目をした、岡本太郎を少しだけ柔らかくしたような感じのお客さまです。かわいらしい奥様といつも一緒で、その年齢からは考えられないほどエネルギッシュな創造生活を送られています。
 この方、60歳まではサラリーマン生活だったそうで、もともとは傾斜地の雑木林だった庭を、会社で嫌なことがあるたびに、「こんちくしょう! 課長のクソッタレー!」と言いながらツルハシを振り下ろしているうちに、勤続40年、いつの間にか平らなさら地になったのだそうで、そこをガーデンパーティーができる庭にというご要望で相談に来られました。
 打合せにうかがってビックリ。ほとんど手作りで建てたという別棟のアトリエ、すばらしい何百枚もの作品と油絵の具の香り、創作エネルギーの竜巻きに巻き込まれたような衝撃を受け、軽くめまいを覚えながらいろいろとお話をうかがって、さらにビックリ。何とこの方、定年退職してから単身フランスに渡って、そこで数年間絵を習い、それから画家生活がスタートしたのだそうです。伊能忠敬が歩きはじめたのが50歳ですから、それを大きくしのぐ偉業です。さらに驚きだったのは、かわいらしい奥様とは再婚したての新婚ホヤホヤ。定年後を好きな趣味をしながら・・・などというのはなく、もっとアグレッシブに、「ずっと我慢していたけど、ほんとはこういう生き方がしたかったんだ~!」、そんな感じです。実にすばらしい。井上陽水の古い歌に『人生が2度あれば』というのがありましたが、松井画伯は人生を2度経験していらっしゃいます。見事です。私も、「人生の後半戦を画伯のようにエネルギッシュに、創造的に組み立ててみたい」そんな思いが心に刻み込まれた、ありがたい出会いでした。
 後日、ご夫妻の結婚記念日のガーデンパーティーに呼んでいただき、妻と娘ともども、楽しいひとときを過ごさせていただきました。ちなみに庭は、デザイン通りに出来上がり、喜んでいただいたのですが、その後、画伯の創造パワーでどんどん作り替えられ、今では全く違う感じの『松井画伯の庭』になっています。これがまたすばらしいのです。脱帽!

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電球 ゆかいに暮らすためのヒントが満載ですよ~!

レノン降臨

 連日連夜、鬼のように庭の設計をしています。スイスイ描けることもあるし、一日をただただうなることに費やしてしまう日もあります。設計デザインはイマジネーションを形にする作業なのですが、もう少し現実的に言うと、『与えられた条件と問題点をクリアーしつつ』ということが付け加えられます。コンセプト、お客さまの要望、立地、土質、日照、既存樹木や隣家の配置、予算・・・。こういった、不規則に散らばった点のような要素を線で結び、空間として成立させる作業なのです。現在のようにCADがない頃は、描いては消し描いては消し、図面も手も汚れまくりながら執念で製図台に向かっていたものです。
 この仕事を始めた15年前、どうしても納得いく設計ができずに数日間苦しんだことがありました。ある夜、夢にジョン・レノンが出てきてヒントをくれ、夢の中で設計が完成したことがあったのです。今までどうにもつながらなかった点と点が、みるみる線で結ばれ、夢の中でドキドキしたことを覚えています。目が覚めてもドキドキが続いていて、すぐに製図台に向かって興奮しながら設計を仕上げた、そんな経験です。

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 その後、夢ではなく、設計中に、急に複数の問題が一気に解決し、おまけに、考えてもみなかったアイデア、プラスαが加わるという経験をするようになりました。最初は年に数回だったのですが、最近はその頻度が2、3日に1回、それが必要な状況では、ちゃんとそうできるようになりました。この現象を『レノンが降りてくる』と呼んでいます。おかげで、設計に対して粘れます。あきらめずに、妥協せずに粘っていれば必ずレノンが降りてきてくれる、そういう自信がついたのです。それと、それ以上に、レノン降臨の瞬間の感激が癖になってしまって、うまくまとまったと思える設計でも、あえてチャラにしてレノンを待つ、そんなこともあります。私は表現が仕事なので、レノン降臨が普通のこと、日常になっているのですが、おそらく絵画や陶芸や写真などのクリエイティブな趣味をお持ちの方なら経験したことのある瞬間なのではないかと思います。創造すること、表現することってエキサイティングですよね。
 「世の中には表現欲のある人とない人の2種類がいる」そうですが、私のように、表現以外の仕事は考えられないという表現欲過多の人はぜひ我が社で働いて下さい。おのが欲求を満たしながらお客さまに喜んでいただける方法を指導します。それほど欲求が強くない方、あるいは表現欲など意識したことがないという方、一度、積極的に自分の表現欲を意識して、刺激してみてください。方法は千差万別、あなたの中に眠っている表現欲・クリエイティビティーが目覚めたら、きっと世界が変わります。思いもしなかった感動に出会えると思います。レノンは私だけのものではありません。何てったって『イマジン』のジョン・レノン、『ラブ&ピース』のジョン・レノンですから、世界中の人に降りてきてくれるはずです。



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走る あなたのレノンは“にほんブログ村”にいるかもしれません。

お庭の2007年問題

 ご主人の定年退職を期に庭をリフォームする方が急増しています。和風の眺める庭から、家族で食事やバーベキューをしたり、家庭菜園が楽しめたり、『庭で過ごす』ことをテーマにしたいというご要望が多いのですが、中には少し離れている所に住んでいるお孫さんが遊びに来たがるように、水遊びの場所や砂場、ブランコなどを配した、おじいちゃんの戦略的(?)な庭もつくりました。
 定年後の新たな生活の、重要なステージとして庭をイメージする、すばらしいことです。こういうケースのお客さまはスッゴクいい感じの方ばかり、「こんなふうに年をとりたいなあ」というご夫婦ばかりです。若いころの苦労話や、夫婦に歴史あり的なお話をうかがいながらの庭の打合せにも熱が入り、新生活のテーマやイマジネーションがいっぱい詰まった、けっこう濃い庭が出来上がります。
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 退職直後のご主人方の共通点としては、長年会社でバリバリ働いてきた、そのままの勢いで庭に向かっていきます。バラならバラのスペシャリストをめざし、菜園となると、もちろん有機無農薬栽培で、まず土づくりから徹底的にこだわる。ご主人にとっては普通のことで、それどころか家族への愛情表現だったりするわけです。でも、このスタートダッシュが奥様にはきついことがあるようです。何十年か続いてきた静かな日常に、突如発生した過剰なパワー。ご主人の気持はわかっていても、どうにも扱いかねてしまうのです。定年退職後に奥様が体調を崩したり、何となくご主人とギクシャクしてしまうこともよくあるようです。中には体重が10キロ減ってしまったという奥様もいらっしゃいました。でも皆様、基本的に強くて賢い方々なので、時間とともにちゃんとリカバリーして、夫婦仲良く庭のある生活を満喫しているようなので安心していますが、いよいよ始まる2007年問題、特にご主人方、大切な奥様が『亭主在宅ストレス症候群』に陥らないよう、くれぐれもロケットスタートはお控え下さい。いちばんの理解者である奥様と一緒に、ゆっくりと、じっくりと。先はまだまだ長いのですから。

 ~君の好きなスピードで、僕のテンポで~(吉田拓郎/君のスピードで)



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グラス まずは奥様とワインで乾杯!ブログをチクチクしながらごいっしょに・・・。

中さん現る!

<報告:かおり>
 ひでちゃんが新潟から出てくるきっかけになった人(中さん)が昨夜、5年ぶりぐらいに会いに来られました。ひでちゃんとの出会いは、かの新潟3区に田中角栄とタイマンをはって立候補した野坂昭如さんの選挙。野坂さんとラグビー仲間である中さんは当時野坂さんの秘書をしており、六日町に住み込みで選挙運動をしていました。中さんは東大法学部卒で、しかも麻布にある中高一貫校を出ている正真正銘のお坊ちゃまでありながら、何とも自由な暮らしぶりで、ホームレス然とした格好でドヤ街暮らしをしていたかと思うと、都市計画プロジェクトに参加していたり、友人の会社の立ち上げを手伝ったりと、神出鬼没のフリーターです。
 ちなみに、中さんは「チュウ」と読みます。このビカビカの学歴をもった自由人(本人いわく極楽とんぼだそうですが)は現在61歳。将来の夢は温泉場のボイラーマンになって、わけありの温泉客や芸者さんたちとの人情話で日々を送りたいとのこと。正真正銘の極楽とんぼです。

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 久しぶりに昔話に花が咲きました。その中でおもしろかったことを書いてみます。
 高度経済成長の以前の日本を微妙に知っている中さんが、その前後で最もちがってきたと思うことは、家に訪問してくる人がいなくなったということだそうです。以前は、お正月といえば連日お年始にいろいろな人が来るし、日常的にも近所の人が、正面玄関ではなく庭から訪れることがふつうのことだったそうです。それはいわゆる山の手か下町かに関係なく存在した風景だったようです。それがその後、どんどん少なくなり、今では他家を訪れるのはとてもおおごとでかしこまったことになってしまっています。つまりそれぞれの家族が孤立化してしまっているということなんだそうです。なるほどなというかんじです。
 お正月に久しぶりに、豪雪が心配されているひでちゃんの故郷=新潟に行ってきました。商店をしているひでちゃんの実家には、1日中いろいろな方が訪れます。近所の若いお嫁さんが家族のグチをこぼしに来ます。近在の親戚のおじさんが雪路をバスにゆられて遊びに来ます。お客さんがそのまま上がりこんで話していきます。そのたびにお茶と野沢菜とお菓子でおしゃべりしたり、お酒やおせち料理を出したりと、ひっきりなしでした。それが高度経済成長の前の日本にはふつうにあった景色なのかもしれません。
 今の時代を謳歌しつつも、そんな古典芸術的な人間関係を構築していくために必要なのは、いったい何なのでしょう? ね。少なくともそれがあれば、心が痛くなるような事件が少なくなるのではないかと牧歌的に思ってしまいます。


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笑顔怒り悲しいウインク 喜怒哀楽、“にほんブログ村”はとても牧歌的なのです。

庭で本を読みたかった

 最初のご相談は、月に1回ぐらい帰ってくる息子さんの駐車スペースを確保するために、庭をつぶしてコンクリートの駐車場にしたいというものでした。それではあまりに味気ないので、普段は花壇と芝生を楽しみながら、来客時には駐車できるようにしたらどうかとご提案しました。その後、奥様といろいろ打合せをするうちに、今の庭は住宅メーカーに紹介された植木屋さんまかせで作ってしまったので、どうも楽しいと思えず、芝生の世話にストレスすら感じていることと、家を建てる前は、庭で本を読みたいと思っていたことを思い出したとのことでした。自然光での読書は目が疲れないのだそうです。この時点では、庭全体が芝生で、庭の端に背景としていろいろな樹木が植わっているという、いたってシンプルな庭だったのですが、庭で過ごすということからすると落ちつかない構成になっていましたし、何より庭に出る楽しみが用意されていない庭だったのです。
 それならばということで、すでに植えてあった樹木の配置を変えたりしつつ(具体的には庭の背景として植えてあったシャラノキをリビング近くに移植して、庭に奥行きと厚みを持たせました)、コーナーパーゴラと大理石平板で庭に読書スペースをつくりました。北鎌倉というロケーションもあって、実に気持ちのよい場所が出来上がりました。リスが遊びにきたり、ウグイスやヒグラシの声が最高のBGMです。自然豊かな場所なので、モグラの被害もありましたが、それもまた楽しいエピソード。ご夫妻には庭の仕立て方次第で生活が大きく変わることを実感していただけたようで、とても喜んでもらえた仕事でした。
 後日、庭での食事にご招待いただき、奥様の見事な手料理を堪能しながら、ゆったりと、北鎌倉の庭を満喫しました。

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いちご 健康家族のマルチビタミンです。

駐車場にヤシの木を描く

 現在砂利の駐車場に、インターロッキング等で小島とヤシの木を描いて、船に見立てた花壇と、カナリーヤシとフェニックスを植栽したいというご要望。
 この斬新なイマジネーションをお持ちのお客さまは、様々な事業を経営する会社の社長さんで、お会いしたら、実に興味深い方でした。紳士的で発想豊か、生活全般、何事にも興味津々でエネルギッシュで。設計の打合せもそこそこに、中田横浜市長の話や40年前の港南台の風景など、出していただいたチョコレートをかじりながら楽しい時間を過ごさせていただきました。設計的には、お客さまがお持ちのイマジネーションをどういう形にするか、耐久性をどう確保するかが課題なんですが、それはさておき、社長のお話で興味深かった2点をご紹介します。
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 まずは、数字にこだわっているということ。これが昔からの何かしらのいわれだけではなさそうで、長い事業家経験で身に付いたことのようです。
  『良い数字/1、3、5、6、7、8、11、13』
  『悪い数字/2、4、9、10、12、14』
 こういうことを気にするタイプと、まったく気にしないタイプに別れると思いますが、私はめちゃくちゃ気になるタイプなので書き留めてきました。例えば植栽の本数などをこの数字に従って設計しようと思っています。
 もう一点は社長の出身地である富山の人たちの家の建て方。積雪地であることと、加賀百万石の伝統から、頑丈でゴージャスな家を建てるのですが、なぜか欄間を入れずに未完成のまま住むのだそうです。「まだ欄間が入っていないからもっと働かなくては」という意識を持つために、わざとそうするとのこと。実に商人らしい発想です。願望を全て実現したら後は落ちるだけ、一生上昇努力することを旨とする富山商人の生活信条がうかがえる話でした。

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拍手 ランキング上位のブログは名作、力作ぞろいです。がんばれ~!

ブログはじめました

横浜つり情報局の相談役に手ほどきを受けて、何とかブログを立ち上げることができました。
ひとりごとが中心になると思いますが、どうぞ庭づくりのこぼれ話にお付き合いください。

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