ガーデンセラピー 151

『我に返る』

ついつい何でもやり過ぎてしまう熱中症。



頭を冷やすには、庭の夜風が最適です。

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干し椎茸を見つめつつ。

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日に当てると栄養価が十倍になるそうな。

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我を忘れたカナリアは後ろの山に捨てましょか。



こちらはノアたちのサツマイモチップス。

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スライスして、焼いて、パリパリになるまで干す。

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尻尾が高速回転する大好物。


いえいえそれはなりませぬ。帰る古巣を無くさぬために、そこが安らぎの寝ぐらであるために、庭でのクールダウンを習慣にいたしましょう。つのる思いと過剰なエネルギーを効率よく成果につなげるには、自分に立ち返る庭時間が必要です。





今日は金沢文庫店にいます。


 

家族の庭のつくり方 30

隠れ場所を設ける

われわれ猿族は太古の昔から森の住人なので、習性として物陰を好みます。



石井邸

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藤木邸

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小湊邸

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安心感は、身を隠しつつ外界を察知できることで得られる。



赤沢邸

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飯高邸

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栗原邸

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パーゴラ、トレリス、塀、パラソル、樹木などで隠れ家を構成してください。
開放感は身を潜めている安心感によって得られます。



用心深く森に身を潜めているこの鳥、
じつは野鳥ではなく特定外来種のガビチョウ。

ガビチョウ(特定外来生物)

日限山公園で時々遭遇します。

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他の野鳥の鳴き真似が得意な鳥類界のコロッケで、
ペットとして中国から輸入され、それが野に放たれて
日本各地に生息しているんだそうな。

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同じく野に放たれた(田舎の森から都会の空へ)特定外来種仲間のぼくとしては、
自由の身となり自力で糧を得ている彼らの鳴き声に
心からエールを送りたくなります。


 


 



今日から4日間、追加公演的に金沢文庫店で相談会を開催します。
造園学的、植物学的、空間学的、文化人類史学的、哲学的、文学的に特定外来種が庭にまつわる問題を解決いたします。
というわけで、今日は金沢文庫店にいます。





 

庭のことだま

眩しさと湿り気と心強さと。

濃密に水気を含んだ空気に朝日が差し込む森でエナジーチャージ。まだ誰もいない。リスが枝を渡ると盛大に水滴が降ってくる。贅沢なシャワーだ。
人間の水分量は新生児で75%、成人で60%、老人になると50%だそうです。還暦間近(マジか!)の身としては55%くらいでしょうか。
干からび始めるお年頃の皆様、あの手この手で心身共に潤いのある暮らしを送りましょう。



Moisture

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今日は港南台店にいます。
 




 

庭のことだま

似て非なる。

こぶ取り爺さん、小太り爺さん。
あくまでも、悪魔でも。
闘争か、逃走か。
照明を当てて証明する。
奇怪な機械を操る機会。
盛夏の生家で生花を活ける。
終生習性修正できず。
私事を指示する師事を支持する。
寄港し紀行を寄稿する奇行。
志向を試行する思考。
家庭の過程を仮定した庭づくり。



ビヨウヤナギとキンシバイ。

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どちらもオトギリソウ科で、
同じ時期に同じ地域で同じように咲く。

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似て非なるには来し方に、
闘争と逃走を繰り返した歴史があり、
似る理由と非なる理由が生じたのであろう。

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幾多の苦難を乗り越え懸命に、一心に咲くうちに、
自ずと個性が際立つのだ。

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似た者同士それぞれに、凛々しくたたずみ梅雨を待つ。






今日は金沢文庫店にいます。




 

Input

前夜の庭で本や音楽から取り込んだ情報によって、今日の質感が変化する。村上春樹を読んだ翌日は言葉がシニカルになるし、ロバート・B・パーカーなら自覚の半分ほどがヒーロー然とした中年探偵に変身している。スティーブン・R・コヴィーを読もうものなら、隙間のない正論で羽交い締めにされ金縛りにあう始末。高田渡を聴けば山頭火的放浪に憧れ、拓郎なら女房との出会いの日にワープする。
漫然と時を送っていると穏やかに沈殿しがしちな、ホンワカ弱々の自分の肩をつかんで揺さぶるにはとても有効なのだが、その合間に庭の情報を取り込み本来の位置に引き返す必要がある。そうでないとうっかり、それらの世界に行ったきりになってしまう。いくら取りあえず楽しいからといって、その、庭でのルーティンを挟まずに本を読むとロクでもないことになるし、音楽も往々にして現実逃避の片道切符、黄泉の国へのチューチュートレインなのだ。



アジサイを見つめていたら、はっと我に返ったのです。
我を忘れがちな性格なので、
花による覚醒をありがたく感じます。

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横浜六角橋商店街から放浪の旅に出て、未だ人生の楽園を求めて旅し続けているロバート・ハリスをここ数日読みふけった。心地いい、たまらなく心地いいのだ。行間に流れる退廃と破滅の甘く危険なロマンティシズムが、かつて、まだ少年だったぼくの目に途方もなくカッコよく映った、ピーター・フォンダが演じたイージー・ライダー のワイアット(キャプテン・アメリカ)のようで。





い、い、いかん、次の設計に意識を向けなければ。いち日いち日着実に目の前の仮想庭に集中しなければ。今はイージーにライドしている場合ではないのだ。楽しみにしてくれている素敵な人たちの顔が浮かび、脳内で、真っ直ぐに地平へと伸びる道を横浜に向かってハーレーを駆る。普段不足気味なワイルドさを加味して、柄にもなくチョッパータイプで。



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行ったきりなら幸せになるがいい、戻る気になりゃいつでもおいでよ、と庭は本来的居場所を指し示してくれる。
あなたの居場所はどこでしょう。あなたがあなたでいられるその場所に、丹念に手入れされた居心地のいい庭があったらいいですね。我に返れるその帰る場所を、大切に、大切に。





今日は港南台店にいます。




 

家族の庭のつくり方 29

シエスタベンチを設置する

昼寝は最高のリラクゼーション。



石井邸

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畑邸

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荒武邸

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庭で寝転べば気分は縄文人。あるいは幸せな現代人。



曽我邸

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川村邸

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高野邸

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シエスタベンチが好評で、十数年設計に入れ続けています。
ストレッチや腹筋腕立てもできるし、クッションを持って出れば至福の読書タイムを楽しめますよ。



バラがくすみ始め、
ジューンベリーが色を増し。
わが家の庭は選手交代。


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今日は金沢文庫店にいます。
 




庭のことだま

庭で脱力。

会社でぼーっとしていたら仕事が進みませんが、庭でぼーっとしておくと仕事の効率が上がります。



和む、休む、遊ぶ、眠る、好きなことに興じる、
ゼンマイを巻く時間。

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リラックス、リラックス。



 

家族の庭のつくり方 28

上を向かせる

人を見上げさせることは、庭の魅力を高める演出のひとつです。



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上を向くと背筋が伸び、胸が開いて新鮮な空気が取り込まれ、まぶたが上がって光を感じ、心に希望が満ちてゆく。



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サクラなどの花木、アーチに絡むバラ、色よく実った果実、風にそよぐ枝葉など、視線を上へと誘導する仕掛けが施された庭は 、気持ちをポジティブに調整してくれます。



見上げれば初夏にして梅雨近し、散歩道。

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シジュウカラ。
春先に比べると動きが活発で、
よく見かけるのになかなか撮らせてもらえない。
子育て真っ最中の時期なのだ。




 

Healing




 

あのお、そこにある求人のを見て来たんですけど。

二十代後半だろうか、あるいは十代かもしれない、年齢だけでなく全体的にいろんな印象が判然としない女性が、おずおずといった感じで入って来た。ぼくはその様子から、もしかして、おやおやまたか、と思いながら腰掛けるよう促した。

履歴書はお持ちですか。

あっ、いえ、ついさっき張り紙を見て「これだ!」って思って。だから用意していません。ご、ごめんなさい、あの、出直して来ます。

まあまあいですよ。で、うちで働きたいということですね。

はい。わたし、お花を植えるお仕事とか、植物と関わることをやりたいなあって。

うん、つまり、癒されたいと。

はい、癒されたいし、癒したいし、そういうお仕事ができたらって。先生、あ、ごめんなさい間違えてしまいました。
あのお、店長さん、で、いいですか。


ええ、なんでもいいですよ、店長でも先生でもおっさんでもね。若い女性におっさんと呼ばれること、結構好きですから。

彼女はようやく、少し笑ってくれた。
その表情を合図として、ぼくは決められたセリフを言うように、こういう場面での何度目かの話を始めることにした。

あなたが花を植えることを仕事にしたとします。ポット苗をひとつ、丁寧に植え込むことであなたが得られる報酬はどのくらいでしょう。例えば10円だとするとですね、園芸農家でバイトをしたら多分それくらいだと思うから、時給1000円なら1時間に100鉢植えることになります。運搬して、土を整えて、植えて、水をやって片付けて。まあ、できない数じゃないですよね。春のいい日和だったら癒されるかもしれません。でも仕事として成立するにはそれを8時間、800鉢植えることになります。しかも来る日も来る日もね。果たしてそれで、あなやは癒されますかねえ。

あ、あ、いえ、そういうことじゃなくてわたし、庭の設計とかやってみたくて。

そうですか、庭の設計、ですね。造作もないことです。

ええっ、でもお、難しいんじゃないですか。

いやいや設計は難しくないですよ、考えるべきことを考え、セオリーに従って線を描いていけばいい。もちろん経験は重要なことだけど、それは時間が解決してくれることなので考える必要はないし、ぼくができるくらいだから誰にだってできます。設計は簡単なんだけど、お客様によろこんでもらうことが難しいんです。

それってわたしにできるでしょうか。

ぼくは「無理です」と言いそうになったのを飲み込んで、話題を変えることにした。そして出会い頭から気になっていたことを、わりとストレートに切り出した。何度かの前例における成功と失敗から、その切り出し方がベストなのだと知っていたので。

さっき、先生って、・・・通院されているんですか。

はい。だけど先生はもう大丈夫だからって。お薬は続けたほうがいいけど、それよりもモラトリアムを脱しなさいって言われて。あ、つまり働きなさいって。

そうですかあ。

さあて、と思ったが、堂々巡りとか、あまり話が混迷しないように次のセリフを続けることにした。

癒されたいって言ってたでしょ、さっき。この仕事ってね、っていうか仕事ってね、お客様を癒すものなんですよ。そのためにこちらはストレスまみれになることだってある、火だるまみたいに。そうやって出来上がった庭に癒されたお客様から「ありがとう」って言われた時にね、ようやくぼくらは少し癒される。最初から自分が癒されたくて仕事してたら、なかなかうまくいかないと思うんですけど、どう思われますか。

彼女の表情が危惧していたほどには崩れなかったので、台本のセリフを進めた。今度はもっと柔らかなトーンで、冬の朝にできた水たまりの氷を割らないように歩くみたいに。

もう一度、どんな仕事が可能なのか、先生によく相談したほうがいいかもしれません。もしもうまくいかないと辛くなるのはぼくではなく、他の誰でもなくて、あなただから。

先生、じゃなくておっさん、あ、ごめんなさい、おっさんさん、あらやだわたし、何を言っているのかしら。

構いませんよおっさんで、続けて。

わたし、本当は嘘を言っていました。先生はまだダメだって、無理だって。でもね・・・

やれやれ、泣き出してしまった。しかしその涙は何らか彼女の必要に応じて流れているのだと見て取れたので、そうだ、もっと泣け、もっと泣け、と思いながら続きを待った。

わたしね、親は不仲だったし。・・・お母さんはお酒がやめられなくて、お父さんはいつも怒ってばかりいたから、ずっと。それにいじめられっ子だったしね。でもおばあちゃんだけはやさしくて、いつもお花がいっぱい咲いてる縁側でね、お菓子とか、お話とか、とっても楽しかったの。でもね、おばあちゃん死んじゃった。そしたらね、わたし、わたし、そしたらいつもぼーっとしちゃって、頭が痛くなってね、こめかみが割れるくらい痛くて目を開けていられなくなってね、何回も通院したんだけど、お薬たくさん飲んで、飲みすぎて、本当に本当にどうしようもなく辛くて。

そうかあ、おばあちゃんだけがやさしかったんだ。

うん、はい、そうなんです。だからわたし、なんとかしなきゃって、だから・・・

だから?

・・・・

ぼくは一か八かと思いながら、医師ではないぼくが言える範囲で、しゃくり上げ続けている彼女に最良であろうとことを話した。

いいですか、少しむずかしい話をしますから、落ち着いて、聞いて。家に帰ったら思い出して考えてみてください。
ぼくらは本当のところ全員モラトリアムなんです、地球のね。自然と言ってもいいんだけど、そういう大きな流れの中でね、神様から大目にみられながら生息していて、そしてそれぞれに、その人に適した、その人にしかできない役割を与えられている。
あなたの役割って何でしょう。ぼくは、それはきっと、あなたが考えている「仕事」とは少し違う気がするのですが、何だと思いますか。


わたしの役割・・・・

あなたは広大な草原に、アフリカのサバンナとかね、そういうところにひとりきりで生息しているわけじゃない。両親や友人や病院の人たちや、大勢の中にいるでしょ。ぼくは思うんだけど、あなたはおばあちゃんの役を継げばいいんじゃないかな。あなたが楽しかったと記憶しているのと同じ楽しさをあなた以外の人たちに、遠くの人や大勢の人じゃないよ、その時目の前ににいる人に感じてもらえるようにね。花いっぱいの縁側で、どんな状況にある人にもやさしく楽しく接する、それがあなたの役割だと思うんだけど。そうそう、鏡の中の人にもね。

先生、あ、おっさんさん。あれ?

いいんですよ、先生で。

今泣いた烏が、もう笑っていた。

ありがとうございます。先生、わたし勇気を出してきてみて良かったです。本当はすごく怖くて、足が震えちゃってたし、でもよかった。なんと言ったらいいか・・・縁側にいるみたいな気持ちです。

入ってきたときに、いろんなことが判然としなかった彼女は別人に変身していた。とても美人だ。
「目の前にいる人、ですね」と言い、晴れやかに伸びた背中で帰って行った。

うちは特に人手不足じゃなくてもいつも求人の張り紙を出している。十数年来の慣わしとして。理由は「出会い」が楽しみだからで、実際それによって集った人たちによって会社は成り立っている。年に何度か労働志願者ではなく「癒されたい人」もやって来る。ウェルカム。ぼくも癒されたいから。癒しは癒すことで得られるのだから。

意識を高く持って、勇気を出して来てくれた彼女が、彼女を羽交い締めしにている過去から脱し、ぼくらのいる安楽なモラトリアムの世界に至るために、他の何よりも草花が有効であることを、ほくらがこの意識低い系世界の今日から脱して、明日にはもう少しだけでも真っ当な生きる喜びに浸れるために、他の何よりも庭が有効であることを、SNSや雑誌やテレビや、場合によっては家族や友人や、そういった人による外部刺激よりも、あなたが、ぼくが、本当の意味の癒しを得るために自然が有効であることをぼくは知っているし、信じているし、伝えたいし、だから本当の意味で庭を意識してほしいのです。そしてその庭を、あなたの手によって癒してください。あなたのために、本当の意味であなたの人生が、自然の流れの良き一部であるために。ぼくの話に折れなかった芯がしなやかな彼女の今後が、そのしなやかさを失うことなくぼくらと同等か、それ以上に崇高な、本当の意味で幸福な展開ができうる社会であるためにも。



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彼女との再会は突然やってきた。あの日から三年が経過していた。

こんにちは。おぼえていますか?

ぼくはうまく思い出せず、でもとても明るく好意的なその人の雰囲気から、ずっと前に庭をやらせていただいた方で、その庭にとても満足して楽しく暮らしていることを伝えに来てくださったんだと解釈し、「ああ、ええ、こんにちは」と不自然に笑った表情のまま、脳内では猛烈な速度で過去に設計した庭の住人たちの中から、その人を検索していた。

ふふ、あれからいわふちさんのブログ、毎日見ているんですよ。

あれから?

ええ、あれから。

検索範囲を顧客リストから来店者リストへ広げてすぐに、三年間がタイムスリップして、ぼくの顔は不自然から解放された。

いやあ、いやあ、いやあ久しぶり!えっ、その赤ちゃんは・・・

結婚をしてこの子を授かりました。

店の外ににこにこしながらこちらをうかがっている青年が立っていた。ぼくが軽く会釈をすると、彼はきちっとお辞儀をした。とてもいい印象だ。招き入れようかと思ったが、彼は彼女とぼくの再会を彼女の時間なのだと定義していて、それを少し離れたところから見守るというスタンスを選択しているのだと思えたのでやめた。

よかった、本当によかったですね。

はい、先生。

いやいや、先生はよしてよ。

ぼくが笑い、彼女も大笑いをした。ぼくは笑うと角膜に体液がにじみ出るという困った癖がある。どうやら彼女も同じ癖を持っているようだ。
今はまだ庭のない家に暮らしているが、いつか縁側のある庭を手に入れることが二人の目標になっていることを報告に来てくれたのだという。

お客様、その時にはぼくに設計させてくださいね。

もちろんです、絶対に。

目の端を指先でぬぐいながら、また二人で笑った。
その様子にやさしい視線を向けている青年へと目配せをして、テレパシーで「ありがとう。頑張れよ」と送ると、再び礼儀正しいお辞儀を返して来た。彼女の胸で眠っていた赤ちゃんがいつの間にか目覚めていて、不思議そうにぼくを見つめてから、歯のはない口で笑った。その顔が孫の美空とダブり、ぼくはまた目の端を指で拭った。

造園業、園芸店、お花屋さんには心に傷を負った人が集まってくる。このことは業界では常識として、同時に困ったこととして認識されている。心の傷はしばしば人間関係をややこしくするからだ。だがぼくの常識はまったく逆なのである。
傷ついた心が花を欲し、庭を欲し、自然を欲するのは当然のこと。ぼくらが目にしている花のほとんどが、傷負い人に癒しの効果を提供することで生存しているのだから。蜜の提供で受粉を成すのと同じように。そしてその効果がどれほど大きいかを、ぼくは日常的に目撃している。だから自信を持って言える。花、庭、自然の癒しはやがて希望の光の存在を知らしめる。その気づきによって元気と勇気が湧き上がってくる。すると人はもう、少々のことでは傷つかない強靭な心を手に入れ、それぞれの持ち場で他の人を癒す光の存在になるのだ。
ぼろぼろだった彼女は三年がかりでそういう人、癒す人になっていた。蝶の蛹が羽化するように、凍てつく霜柱が朝陽を受けて、輝きながら固体から気体に変化するように。壊れかけのRadioはジャストなチューニングを得て、ふるさとを流れる魚野川の支流、佐梨川の上流にある、岩魚が泳ぐ秘密の場所のせせらぎのごとき美しさで、バッハのアリアを奏でていた。

そうだ、ぼくは彼女の名前を知らない。まあいっか、とりあえずニックネームで。おっさんのぼくをおっさんさんと呼んだから、おっさんさんさんだ。
おっさんさんさん、またのご来店を。その日を心待ちにしています。






庭のことだま

庭は夫婦の賜物。

たくさんの仲良しご夫婦とお会いできることがこの仕事の大きなよろこびです。晴れの日雨の日曇りの日、皆さんそれぞれに課題を抱えつつも、二人で話し合い、分かち合い、わかり合い、励まし合いながら笑顔キープで進む姿に心打たれ、何度も励まされてきました。
さて、わが夫婦は、まあそれなりにといったところでしょうか。
美しい夫婦の庭はより美しく、そうでない夫婦の庭はそれなりに。 



初夏の花、キンシバイ。

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雨にもヘタレることなし。 

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バラに主役を取られて他の花はしばし意気消沈だったが、
ここからまた目まぐるしく場面が変わり、
次々と名優が登場する。
カメラの電池を切らさないようにしなければ。





 

家族の庭のつくり方 27

立ち止まらせる

歩きづらさも演出です。



小湊邸

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天野邸

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まっすぐ歩くと通路だが、曲がって歩くと庭になる。
すんなり歩けば便利だが、立ち止まらせれば庭を感じる。




高橋邸 Before

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After

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曽田邸

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曽我邸

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例えば飛び石を、右、左、右、左、右、右と打っておけば、つまずきそうになって一瞬立ち止まりますよね。そこで顔を上げたところを庭の見せ場にしておくという、日本庭園の技法があります。
わざと足元を見ないと危険な場所をつくっておいて、その視線の先に珍しい植物や小動物の小物(ゴム蛇とか。最近は絶滅危惧種ですが、江ノ島の参道にある土産物屋さんに行くと今でも普通に売ってます。小型の珍種はズーラシアの売店で生息を確認しました)を配しておくとか、ケンケンパ、一本橋、遠回りや行き止まりもあり。



アジサイの季節到来。
昨日打ち合わせで港北区を歩いていたら、
突然目の前に見事なカシワバが出現し
足が止まりました。

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他のスタンダードなアジサイに先駆けて咲き、
一番遅く初秋まで、色を変えながら咲き続ける優れもの。





今日は金沢文庫店にいます。

 



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