2012年07月

回想、門馬邸/運命の波に乗る魔法の習慣

2009年11月にご紹介した門馬さんちに行ってきました。
「スモールガーデン」というテーマでの、庭雑誌の取材です。
リビングの外の狭めな場所をウッドデッキと植栽で仕立てた庭なんですが、3年が経過して、庭とリビングのいい感じが倍増していて、すごくうれしかったです。

庭に、経過した時間が折り重なっていきます。
時間が経つほど輝きや味わいを増していく庭は、幸せな暮らしの証です。


何年かぶりで訪れた庭からそれを感じた時、ぼく自身がとても幸せになります。庭との再会、ひと目見て、庭が両手を広げて迎え入れてくれる感覚。ぼくは庭にハグされながら軽く感動に浸っちゃうんですよねえ。

取材中、奥様から、ぼくのそのうれしさを倍増させる言葉が飛び出しました。

この庭ができてから、いいことばっかり起こったんですよ。
いわふちさんの庭は運気が上昇します。これ、間違いないです。


うれしくてうれしくて、
もうねえ、涙モンですよ。

もちろんそういうことを目指してすべての庭に向かっているわけですが、「運気が上昇する」とか「暮らしが幸せ方向へと広がってゆく」とか。だけどそれをぼくが口にしたら、ちょっと怪しいですからね。
ほとんどの人は庭をそんなふうに捉えていないわけですから。「こういう庭にしたら、あなたの人生はいいことだらけに展開します」なんて、ね、霊感商法みたいになってしまいます。だから、極力そういうことは言わないわけです。

でもほんとは、それこそがぼくが考えている庭の価値であり庭が持つ威力。
庭は幸せのために役立つ場所であってほしいし、そういう庭を設計し続けることがぼくの仕事だという思いを持って、毎日新たな庭をイメージし続けています。
いやほんと、うれしかったなあ、奥様のあのお言葉。

2009年11月、「門馬邸」の記事を引っぱり出して読んでいたら、いやあ中身が濃いこと。
軽く当時のことを回想しつつ取材の模様をご覧いただこうと思っていたのに、そうもいかなくなってしまいました。いいことが書いているんですよ。そして読み返すほどに、門馬さんとの出会い、この庭の誕生が、その後のぼくに大きく作用していることを感じました。

というわけで、じっくりと、しっかりと回想しておくことにしました。当時の(いつもながらやたらに長い)ブログ記事から、エッセンスをつまみ出してまとめ直しますので、お付き合いください。


まずはプラン図とビフォー・アフターから。



Plan A
門馬邸A


Plan B
門馬邸B



A、Bともに構造は同じで、塗装の色が違うというプランです。ウッドデッキとしてはオーソドックスな色使いのAと、けっこう思い切った配色のB。あなたなら、どちらを選ぶでしょうか。

奥様は3秒ほど考えてから「こっち!」と、Bを選択されました。

理屈じゃなくて「ときめき」で選ぶ。

という感じでした。

今思うと、その瞬間に、奥様がおっしゃってくださった「いいことばっかりが起こる庭」が産声を上げたんだと思っています。



Before 1
Before 1

After 1
After 1



Before 2
Before 2

After 2
After 2



Before 3
Before 3

After 3
After 3



Before 4
Before 4

After 4
After 4



Before 5
Before 5

After 5
After 5



凄いでしょ、この変化。
これなんですよこれ、この変化。「庭によって暮らしが変わる」ってことが、見てすぐに理解できることと思います。
技術的なことは山ほどありますが、それは今回は省略します。もし「うちもこんなふうにしたいなあ」という方は、3年前の記事を引っぱり出してお読みください。きっと参考になると思います。
今回は回想、テクニックじゃなくて、マインドの方を書いていきます。

打合せで、お宅に初めておじゃましたときに、冷蔵庫の扉に貼られた紙が目にとまりました。



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「運命の波に乗る魔法のクセ(はづき虹映著/きこ書房)」という本の付録だそうです。

何が書いているのかというと、運気の波に乗る暮らしのため、習慣づけた方がいいことが、カレンダー形式で書かれています。


1、はきものをそろえる

2、胸を張る

3、笑顔をつくる

4、メモをする

5、空を見る

6、あたたかくする

7、新聞、雑誌、テレビ、ラジオ、パソコンをみない、聴かない

8、トイレ掃除をする

9、捨てる

10、神社にいく

11、ヒラメキを活かす

12、人間以外のモノに声をかける

13、元にもどす

14、変身アイテムを用意する

15、花や草木にふれる

16、本を読む

17、お財布の中を整理する

18、プチ断食をする

19、こちらから挨拶をする

20、つながる

21、あやまる

22、ハガキを書く

23、話を聴く

24、スイーツを分かち合う

25、瞑想する

26、寄付する

27、問いかける

28、祈る

29、両親に感謝を伝える

30、歌い踊る

31、作品を残す




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ササッと流し読みしないで、ひとつひとつの意味を考えシーンをイメージしながら読むと「ウ~ン、確かにこれが習慣化していたら、すてきな人生になるだろうなあ」ということばかりですよね。
何人かの知り合いの顔が浮かびました。その人たちはぼくが見習いたい素晴らしい暮らし方をされていて、その全員にこの項目のほとんどが当てはまるのです。



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好きなんですよこういうの。貼ってあるのが冷蔵庫の扉ってのがまたいいです。

その時読みかけだった吉元由美さんの本「今すぐHAPPY!小さなことから変えてみる。/三笠書房」に、同じく冷蔵庫の扉に紙を貼っているというくだりがあることを思い出しました。シンクロしました。
その本の「ハッとした言葉を手帳に書き留める」という章から抜き書きします。

何気ないひと言に心が動かされる。でも、その瞬間に味わって終わりにするのではもったいない。書き留めておいて、ことあるごとに何度も何度も読み返しているうちに、その言葉が心に刻み込まれていきます。
気がつけば、自分の行動の指針となっている。言葉ひとつで次の行動や未来の自分が変わることだってあるのです。

私は、手帳とは別に、聖フランチェスコの「平和の祈り」と、メアリー・スティーブンソンという少女が書いた「足跡」という詩を仕事場の机の前に、そしてマザー・テレサの「あなたの中の最良のものを」という言葉を冷蔵庫に貼ってあります。
「平和の祈り」は私がこの仕事をさせていただく導き、「足跡」は励ましと勇気づけのために。そして「あなたの中の最良のものを」は、家庭においての私自身の役割を戒め、勇気づけるために。ささやかなことかもしれませんが、確かにその力に支えられている自分がいるのです。
 


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門馬さんちの回想。まだまだ濃い記憶がタップリとあります。
明日は由美さんが仕事場に貼っているという「 足跡」という詩のことから始めます。

つづく










 
 


 

Facebook 始めました

昨晩、Facebook始めました。ついに、パンドラの箱を開けてしまったってことです。よくわかりませんが、たぶん、そういうことです。
設定の仕方がわからないし、設定すると何が起こるのか、何をすればいいのかもわからないまま半年以上保留にしていたのを、北原さんのFacebook登録があと数人分しか残っていないと聞き、たまたまとなりにPCの達人、村上さんと水越さんがいたものいで、設定をお願いしました。
「ついにやりますか!」と快く引き受けてくださいましいた。
なんと5分ほどで完了。凄い人たちです。
わからない世界を知っている人って、ほんと、神々しく見えます。
村上さん水越さん、ありがとうございました。



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おふたりにいろいろと説明を受けたものの、頭は設定作業を見ている段階でもういっぱいいっぱいになっていました。
一夜が明けて、さっそく
Facebookを開くと、たくさんの人たちから記事が届いていてしばし呆然。どうすればいいのかなあ。まあ全部読んで、イイネ!を押せばいいのかなあ・・・。
全くわからない世界が始まりました。



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いったんパソコンを閉じることにしました。
性格上、この未知の世界にいきなり踏み込むと、そのまま探索が始まって帰って来れなくなるからです。今日の設計に差し支えるので、Facebook探検隊は、帰宅後、夜のお楽しみにします。



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よくわからないけど、何だかおもしろそうな世界があるというこの感覚、頭の中に???がある状態って、数十年ぶりのことです。
実はきっかけがありまして、新潟の母から電話があって、ぼくのブログを観たいからということで、iPadを買ったのだそうです。すごいでしょ、75歳ですよ。
「どうやったらテミヤンの音が出るヤツ(YouTube)を聴けるんだか教えてくれ」というので、ブログ内のカテゴリから「テミヤン的」に行って、→がついている花の写真を押せば音が出て写真が動くよと教えときました。



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大したものです。携帯を持ったのもまだ昨年のことで、メールの送り方がわからないと四苦八苦していたと思ったら、今度はiPadですからね。驚きの好奇心です。
母もきっと今のぼくのように、頭の中に「わからないけどおもしろそうな世界」がスペースを占領していることでしょう。



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まあ何がどうなっていくのかわからないままで踏み出すってのも悪くない感覚です。

この道をゆけばどうなるものか 危ぶむなかれ 危ぶめば道はなし
踏み出せばその一足が道となり その一足が道となる
迷わず行けよ 行けばわかるさ

ですね。



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何を大げさなって思っているでしょ、Facebook ごときでって。
それはですね、みなさんご存じないからですよ、いわふちひでとしを。
危ぶむとすれば、それはぼく自身の性格。

熱しやすく冷めづらい。

Facebook が、みなさんが言うようにおもしろいものなら、いやいやそれは人によるとしても、いったん始めちゃうと止まらなくなるのです。
現在、けっこう隙間なくいち日を使っていますので、そこをこじ開けて熱中し始めると、・・・まずいんだよなあ。ますます設計が滞ってしまうかもしれません。



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ンー、まあいいいや。とりあえずいったんパソコンを閉じて、頭切り替えて設計に没頭します。

危ぶむなかれ、危ぶめば道はなし。

新鮮だなあ、頭の中に「わからないエリア」があるこの感じ。









 

夕涼み よくぞ地球に生まれける( 酒巻邸 18)

連日の夏日で庭木が傷みはじめています。
草花は水が切れるとしおれてアピールしてくれますが、樹木はほとんど変化せずに、ある日突然立ち枯れしますので、要注意です。
土の表面だけじゃなくて、地中で木の根っこがどこまで伸びているかを予想して、そのラインに溝を掘ってお堀に水をためるようにするといいですよ。
特に植えて数年の落葉樹には、朝か夕方にタップリと散水してください。日中はダメですよ、水をためると熱湯になっちゃいますから。


では、酒巻さんちの草花をご覧いただきながら、徒然なるままに。



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ぼくは夏が大好きなので、身体はいたって好調です。日に当たると光合成するタイプなのです。
でもさすがに、あまりの暑さで思考の方はギリギリです。
設計中の庭に集中して、お客様との打合せでその庭に集中して、家に帰ると頭は抜け殻のようになっています。
暑さってのは思考のリミットを下げますね。



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帰宅後、とにかくビールで水分補給してから思いっきり楽な恰好に着替えして、涼しい風が吹く庭に出て、ようやく頭が正気に戻れます。
暑かった日の夕暮れの庭、いい感じなんですよねえ。プールからの帰り道みたいな、宙に浮いているような、全身リラックス状態に入ります。そしてビールをもう一杯。



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これは自慢なんですけどね、うちの庭から江ノ島の灯台が見えるんですよ。暗くなると、遠くの山陰ギリギリに、10秒ごとにピカーッと光ります。
その方向から吹く夜風が、もう最高に気持ちいい。気分は江ノ島の海の家。



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最近妻が、なぜか料理に凝り出しまして、野菜中心の夏メニューを作ってくれます。酸味のあるナスの煮付けとか、カボチャを素揚げにしてから煮たのとか、なかなかのものです。それをおいしくいただいて、ワインもちょうどよくいただきながら録画しといた「若大将のゆうゆう散歩」を観て、それから庭のテーブルでパソコン開いて、ブログの原稿書きに入ります。

満ち足りた時間とはこのこと。
これを体感してしまうと、庭なしの暮らしは、ちょっと無理かなあ。
しあわせだなあ〜って感じです。



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春はバラ、夏は夜風、秋は虫の声、冬は澄んだ空気、一年中庭に魅了されっぱなし。

四季があるからいいんでしょうね。
新緑、植替え、バラ、芝刈り、梅雨、野菜、蚊取り線香、夕立ち、夜風、お月見、虫の音、落葉、雪、春を待つ気持ち。
冬は寒くて、庭にいるのは10分が限界という日もありますが、その分春や夏のうれしさを感じることができます。



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庭があると、季節のコントラストが鮮明に感じられます。
毎日庭に出ていると、毎日「生きてるんだよなあ」って感じられます。


そういう場所が暮らしの中にあるって、どうです、いいなあって思うでしょ。マジ、人生が濃くなりますよ。



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蚊がいるから、暑いから庭に出ないというあなたに、いいことをお教えしまーす。これは、目からウロコかもしれません。

蚊がいるから、暑いから、庭はあなたに作用して、あなたの毎日を豊かにしてくれるのです。

蚊もいない、暑くも寒くもない庭なんて、世界中探したってないですよ。でしょ。
蚊がいて、暑かったり寒かったり、雑草生えたりするから庭。庭は自然の一部なんですから。
ということは、庭が嫌いって、それは、地球が嫌いってことでしょ。
極論?でもそうでしょ。そうなりますよね。うん、なるなる、そうなります。



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地球人なのに地球が嫌いって、いかんなあ。
夏は暑さを楽しんで、冬は寒さを楽しんで、春も秋も思いっきり庭を楽しんで、立派な地球人になりましょう。



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蚊が、蚊が、・・・。蚊ごときで庭に出ないなんて、あまりにもったいないです。
蚊取り線香焚いて、虫よけスプレー噴射して、蚊から庭を奪還して、夏の夜風を感じる至福の時を過ごしてくださいね。しあわせだなあ〜って。

夕涼み よくぞ地球に生まれける

です。


風のはなし( 酒巻邸 17)

さっきパソコン開いて、何気なく昨日の記事を読み返して思ったんですけど、・・・暑苦しいですよね。
この時期、みなさんクラクラになりながら暑さの中で頑張っているってのに、そんなときに「美的感受性」とか言われてもねえ。
お客様と話していても、時々思います。ぼくって暑苦しい。
庭意外のことについてはいたってノンキに、基本ボーッとしているんですけどねえ。

さあてと、今日はどうしましょうか。引き続き暑苦しい話題ってのもありですよね、暑いときに熱いお茶を飲むみたいな。
いや、やめときましょう。ぼく自身が自分の話で熱中症になりそうですから。

では引き続き酒巻さんちの草花をご覧いただきながら、今日は「風」のことを書くことにします。



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昨年の夏、わが家ではエアコンを2回だけ使いました。震災後の節電の夏、妻と、なんとかエアコン使わずに乗り切ろうと頑張ったんですが、2回だけ我慢できずにスイッチオン。
その2回は、どちらも空気が全く動かない完全無風の日でした。
思い出しても辛い、あの温水プールの水中にいるような、ドップリと重たい暑さ。



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2回以外はエアコンなし。風がある日は、室内に風が通るように工夫すれば、かえってエアコン使わない方が気持ちよく体調もいいことを実感した夏。楽なんですよね、多少の暑さを感じつつ、自然の風で涼を取る方が。
そうそう何年ぶりかで扇風機は買いました。
毎日庭に出ているので蚊取り線香は使いまくりで、その香りと扇風機と自然の風で過ごしていたら、そうめんがやたらにおいしく感じたことを思い出します。もう気分は昭和時代です。
もともと昭和にできあがった身体ですから、体調はすこぶるよかったです。



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アフリカ人は、いい風が吹く場所を見つけて家を建てる。

これはアフリカとの貿易をしていたお客様からうかがった話です。
納得。日本も温暖化でアフリカ並の気候になりつつありますから、これからは「いい風が吹く場所」が土地選びの基準になっていくかもしれませんね。



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横浜一帯はあまり意識して風を探さなくても、どこでもいい風が吹きます。天気予報で東京よりも常に2°ほど気温が低いのはそのためです。
生まれも育ちも横浜だと感じないことかもしれません、毎日吹いているこ風のありがたさ。ぼくのように東京から横浜に移り住んだ者には、そのことが実感できます。風に向かって手を合わせたいほどありがたく感じています。

いい風が吹く場所には幸せな暮らしがある。

これは当時思ったこと。
東京の朝からクラクラする暑さ、本気で熱中症対策をしないと生息できないようなあの日々から、いつも海や森からの風が吹いている横浜に来れたことを、人生上のすごい幸運に感じたものです。



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夏、最も風の恩恵を感じるのが夜の庭。
昨夜も、ちょっとウットリしてしまうほどいい風が吹いていました。
日中の灼熱で疲労した全身の毛穴から、悪いものがすべて吸い出されていくような心地よさ。

もしあなたが、夜、庭に出て過ごすことがないとすると、それはもったいなさ過ぎです。
夕食後に庭に出て、風を感じてみてください。
蚊取り線香焚いて、冷たい飲み物を用意して、できるだけ楽な恰好で庭の椅子に腰掛けて、しばし本でも読んでみてください。生き返りますよ。



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夏の夜風を全身で感じていると、暑かった今日いち日がドラマの回想シーンのように巡ってきます。「ナイスファイト!よくがんばったなあ」と自分をほめたくなります。

夏の夜風に癒されると、いち日がドラマチックによみがえってきます。
自分が主人公だということに気付くことができます。
それを習慣にすれば、あなたの人生は、まるで映画のように感動的に展開していきます。

ちょっとナルっぽい話ですけど、ぼくは大好きなんですねそういう感じ。いいんじゃないかなあ、みんなナルシストになれば。

まぎれもなく、あなたの人生の主役は、あなた。

なんですから。



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まあそんな感じで小一時間、夜の庭を楽しむことでが、ぼくの大きなお楽しみになっています。
今日もそのお楽しみの時間まで、大汗かきながら突っ走ります。








最近夜の庭で繰り返し聴いているのがこれ。
ジョン・コルトレーン、名作中の名作「バラード」のA面の1曲目、「 Say It 」です。BGMはこれで決まり。







いいでしょう。涼しい風が心地いい、真夏の夜の庭にピッタリの曲です。いやあ、癒されるなあ。

さっ、今日もがんばろ!










美しいと感じる理由( 酒巻邸 16)

きのうの「美的感受性を持って暮らす」ということの続きです。



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昆虫が花に美しさを感じているのかどうかはわかりません。花の形や色を記号的に受け取って、そこに蜜があることを知るのかもしれません。
夕暮れの虫をおびき出したい花は、夕闇でも見分けがつく色に咲きます。夜中に昆虫を惹き付けたい花は、色ではなく強い香りを放って虫に自分の居場所を報せます。



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んっ!これが美しいということかな?

「そこに行くといいことがある」ということを知らせる信号にときめくことが、美的感受性なのかもしれない。

周囲の刺激に対する人間の心の動きを突き詰めれば、それは生存し、命を継承していくために必要な本能的なことです。うまそうな食べ物を見て食欲がわいてくるのと同じ。

美しさを感じる、美しさに打たれることが、生存と命の継承に欠かせないものであるからこそ備わっているのだとすれば、美的感受性ということをもっと重大に捉えてもいいんじゃないかな。
暮らしの中で、あまり語られませんよね、美について。



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美的感受性は、本能。そうだとして、ではそれは、人間にどんな重要性を持って備わっていることなのでしょう。



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「美的感受性は生存と継承のために欠かせない能力」という仮説は、ぼくの中ではすでに仮説ではなく、確信になっています。
だから確信を持って、自信満々で言い切ってしまいます。

美しさの中に、生きる上での正解がひそんでいる。

そうじゃないと、なぜこんなにいちいち美しさが心に引っかかってくるのかが説明できません。

「人が人生を楽しく過ごすために、神様が与えてくれた能力」とも言えます。同じことです。
その楽しさ、楽しい人生を送ることが正解、という解釈ができます。



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例えばこういうことです。

美しい言葉を感じ取れる人と、そうじゃない人。街を歩いていて、夕焼けに気付く人とそうじゃない人。室内を美しく整えておかないと気がすまない人と、そうじゃない人。潮騒を美しい調べと感じる人とそうじゃない人。無邪気な子どもの姿を美しいと感じる人と、そうじゃない人。異性のちょっとした仕草を美しいと感じる人と、そうじゃない人。雨に濡れた花びらを美しいと感じる人と、そうじゃない人。
どっちの人が楽しい人生を送れて、幸せに生き、その幸福な人生を継承していくでしょうか。



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ほとんどの場合、美しい方に正解がある。
物事を、理屈や信条や論争に勝つことの快感ではなく、そこから感じる美醜で見極めれば、道を誤ることはない。


美しさを感じる心は、よりよく生きるために不可欠な感覚なのです。

美しさは神様が置いた道しるべ。それに導かれて進めばいい。



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どうでしょう、もしかしたら極論に感じますかね、これ。
ぼくとしては超正論なんですけど。特に庭にいる時、この思いは強くなります。
あなたも毎日庭に出る暮らしをすれば、きっと同じ思いになるはずです。なぜなら庭は、そのようにして成立している場所だからです。

庭の植物や、昆虫や、吹く風や、照りつける陽射しや、流れる雲に向かって、あなたの理屈を語ったところで、庭はそっぽを向くだけです。
庭は理屈や論争とは違う次元の空間で、そこに入って行けるチケットは、言葉ではなく、あなたの美的感受性なのです。




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大事でしょ、美的感受性。
中にはそれが弱い人もいます。うまく育まれていないと、美に対して鈍感になったり、単なる刺激を美と勘違いしてしまうこともあります。

東京タワーは美しいです。でも、広島の原爆ドームの前に立って、その美しさにときめく人は・・・、ぼくの周囲の人には、たぶん一人もいませんけど。
あれは負の遺産、悲しみのモニュメントとして保存されているのですから、美しくないことに存在価値があるわけです。
その原爆ドームに美しさを感じる種類の美的感受性を持った人がいたといします。「あの破壊の美しさ、たまんないよ」とうっとりと眺めるタイプの人がいたとします。
恐ろしいですよね。たぶん、その人の人生、うまくいかないですよね。



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いそがしさに追われるばかりで、ストレスを溜め込むばかりで、意識から美しさという概念が消え去って久しいという人、注意してくださいね。美意識抜きのあなたの暮らしは、人間の本能から遠い、非人間的なことなのかもしれませんので。
せめて夕焼けに気付いて、立ち止まって空を見上げるくらいの自分に調整し直してください。



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ぼくらは日々、自分の美的感受性を意識して暮らす必要があります。価値観や判断基準がそこからズレないように気をつけながら。



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どうでしょう、美的感受性を持って暮らすことの大事さが伝わったでしょうか。

美的感受性を持って、それを育みながら暮らすことが大事。
そのことを抜きにして幸せになるのは至難の業です。

そう思えてきたでしょ。実際、あなたのまわりの幸せいっぱいに暮らす人たち、例外なく豊かな美的感受性を持っていますよね。でしょ。



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美的感受性を持って暮らす、大事です。

もうひとつ、もっと大事なことがあります。
それは、ぼくらがそうやって美しく暮らす姿が、子どもたちの美的感受性を健全に育てることにつながるということです。
ぼくらの中に美的感受性が形成されたのは、子ども時代ですからね。子どもは親の暮らしぶりから美意識を吸収します。

それともうひとつは自然。

夏休みに野山を駆け回り、川や海で遊びまくったあのときに、ぼくらの美的感受性の原型ができあがりました。

親の姿と自然、このふたつです。

ぼくらが子どもに伝え残せる、伝え残さなければならない大きな財産が、美的感受性なのです。
自分自身の豊かな人生のために、子どもたちの幸せな未来のために、美的感受性ということをしっかりと考えてみましょう。

あなたは、美しく暮らせていますか?







理屈では正解なのに、どうしても美しく感じられないものがあります。東北で計画が進められている津波対策の防潮堤です。
この話を始めると長くなってしまうので、また後日。

さっ、頭を切り替えて、設計に没頭します。
田中さん、水野さん、さんざんお待たせしていて申し訳ありません。いい感じで描けていますので、もうしばらくのご辛抱をお願いします。






奥様は芸術家( 酒巻邸 15)

設計ができあがってから着工するまでに、「素材の色選び」を行います。
今回はそこで奥まさの美的感覚が発揮されました。

打合せ段階で奥様から出ていた「フェルメール&ラブリー」というキーワードを、ぼくとしてはどう扱っていいのかわからないまま、最後はそのことを頭から外して「もし自分の庭なら」という思考で設計しました。これはぼくの力量のなさだったわけです。
柔道で言ったら、監督から背負い投げの一本勝ちを命じられていたにもかかわらず、なかなか技が決まらずに、最後は押さえ込みで決めてしまったみたいな。 

そのスッキリしない感覚を、色決めでの奥様の感覚で消し去ってもらったような、「これだったのか」と正解を与えてもらったような気持ちになりました。

まずプラン図をご覧いただいてから、実際に庭に使った素材を並べます。



酒巻邸 平面逆

酒巻邸 立面B



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特に壁の色と仕上げの質感が、ぼくが提案したものとは違う感じになりました。そしてその変化に「フェルメール&ラブリー」を実感できました。うれしい変化でした。



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奥様は音楽の先生です。弾厚作と山本直純の音楽が似ていることを、とても楽しい発見として語るような方で、暮らしの中心に音楽があって、音楽の中を泳ぎながら暮らしているような感じを受けました。仕事としてというよりも、大好きな音楽にドップリと浸りながら日々を送っているという感じです。
そして絵画への造詣も深く、室内にはグッと来る絵が何枚も飾ってありました。いわゆる芸術家です。



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そんな奥様は、会話はすべて感覚的です。ぼくが話す言葉を「はい、はい」と丁寧に受け取りながら、その受け取った言葉を頭の中で調べや風景に変換しているようでした。「はい、はい、・・・はい、はい」と、間をあけては頭の中に広がる仮想庭にウットリする。



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ウットリするばかりで、奥様からはほとんど具体的な意見は出てきません。どこまで話しても「はい、はい」と返ってきて、そして「すてきー」で終わります。
唯一いただいたキーワードが「フェルメール&ラブリー」だったのです。


楽しい人です。そして「この感覚、こういう暮らし方って、どう考えても幸せだよなあ」と思いました。

「はい、はい」と聞き入って、受け取った言葉を脳内で風景や音に変換して、「すてきー」とウットリする。

そんなふうに話を聴いてくれたら、誰でもうれしくなっちゃいますよね。そしてその人のために全力出しちゃいます。
ご主人、幸せ者だなあ。


ぼくが中学生の頃に思い描いていた自分の未来像、夢見た未来の暮らしは「アーティストの家」でした。酒巻さんちには、それと似た世界がありました。
ぼく的には油絵の具と粘土の匂いがする北向きの天窓があるアトリエで、その外には深い雑木林がある。ぼくが岡本太郎で、妻は城戸真亜子みたいな、そんなイメージでした。
暮らしの中の会話はすべて感覚的で、議論することがない。
すべてのことがらを「美しいか美しくないか」で判断する。
静かに、美しく流れてゆく時間。
・・・理想郷。

イメージしただけで、気持ちが宙をさまようほどの心地いい感覚になってきます。

「美的感受性を持って暮らすということ」、明日はこのことを、少し掘り下げてみようと思います。








 夏本番ですね。朝からゼミが大音量で鳴いていました。

今夜はテミヤンライブで充電して、バランス調整して、夏バテしないで頑張ります。
あなたもぜひ。



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夏休みのお子さんを連れて行くのも楽しいと思いますよ。


今日はこれから雑誌の取材で、門馬さんちに行ってきます。
門馬さんと言えば「幸せの小舟」(興味のある方はブログ内検索で門馬邸を探してみださい)。







久しぶりの再会が楽しみです。
門馬さんちの奥様も、幸せに暮らしを組み立てる達人なんだよなあ。





 
 

テミヤンライブ vol.72

7月15日にtvkで行われた「Temiyan ファミリー倶楽部」の発足記念ライブ&パーティー、いい気分&感動的な時間でした。
ミュージシャン、音楽を生み出して、曲を演奏し歌いながら暮らすということは、ガーデンデザインで食べていくこと以上に一般的なスタイルではないわけで、当然そこには「世の中と違う自分」ということの葛藤があるわけです。
葛藤って、具体的には生活苦ってことです。レールが存在しない世界ですからねえ、なかなか食えませんよ。
でもそこに家族がいて、仲間がいて、応援してくれるファンがいて、そういう人たちとのかかわりの中で、自分を掘り起こしながら作品を生み出しつづけていけるんですよね。

今朝早めに目が覚めて、TVでやってた「アキレスと亀」に引き込まれ、朝からドップリと深い思考の世界に入りました。売れない芸術家(北野たけし)と奥さん(樋口可南子)の、どこまで行っても出口が見つからない物語。
アキレスと亀のパラドックスってあるでしょ、俊足のアキレスは永久に亀に追いつくことができないというロジック。「アキレスと亀のパラドックス」で検索すると出てきますので、興味のある方は読んでみてください。頭がクラクラしますよ。
どこまで行っても、行けば行くほどダメになってゆく人生の物語。その映画の最後の救いは、奥さんの愛情。でも、はたしてそれで本当に救われるのかはわかりません。ふたりで、また破滅への道を歩むのか、いやいやついにアキレスは亀に追いつくことができたのか。
ダスティン・ホフマンの古い映画「卒業」のラストシーンのように、その後の展開をあれこれと考えさせる最後。そこがこの映画のキモなんですよね。

たまたま観た「アキレスと亀」と、テミヤンの「発足記念ライブ&パーティー」がダブりました。
愛情です、愛情。どちらも家族の愛情を感じる場面でグッとこみ上げてきました。

絵でも音楽でも、何かを生み出すことで生きていくには、周囲の愛情が必要。それ抜きに、たったひとりでアーティストを続けられるほど、人間は強くできていません。変節か自滅が待っているだけです。
ゴッホには弟テオがいました。テオの何が起ころうとも変わらない兄への愛情が、ゴッホを狂人ではなく天才にしましたからね。

瀬戸内寂聴さんのこんな言葉を思い出しました。

幸福になるためには、人から愛されるのが一番の近道です。


男のお坊さんは理想論に走りがちでますが、あまさんってのは、現実に即したいいことを言いますねえ。
この「幸福」を「アーティスト」に入れ替えてもいいし「好きな道で生きるには」に入れ替えてもいい。
ぼくも(アーティストじゃないですけど)妻やスタッフや仲間や、できあがった庭に感動してくださるお客様の愛情のおかげで、ギリ、狂人になることもなく、変節も自滅もせずに、好きなことを探求しながらまあまあ人並みの暮らしを維持できているわけです。
恵まれてるなあって思いますよ。感謝です。

テミヤンは、ぼくの何倍もそう感じているんじゃないかなあ。またぼくの何倍も、周囲に愛される魅力を持っていますから。それはきっと、テミヤン自身が、愛情のかたまりみたいな人だからなんでしょうね。



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明日、夕方6時30分、横浜人形の家に行くと、愛情のるつぼに入ることができます。
愛情を発信する人のもとに、愛情豊かな人たちが集うと、こんなに心地いい空気になるんだなあって、実感できますよ。




では、北原照久ミュージアムです。


テーマ「世界一だと思うことは?」

世冒険家、植村直己さん。マッキンリーで交信不通になったままなんだけどね。
いつも高みを目指して、これでもかこれでもかとチャレンジしてゆく。世界一の冒険家ですよ。

ぼくは小さくても一番。大記録とか偉業じゃなくても、何でもいいから一番になることが大事だと思っています。ちょっとしたこと、挨拶でも掃除でもなんでもいいから一番になることです。
一番と二番は違いますからね。




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伊能忠敬は56歳から歩き始めた。70歳から100冊の本を書いた人もいる。
何かを始めるのに遅すぎることはないですよ。
何をやるんでも最初はうまくいかないけど、そんなことを気にしなくていい。最初からできる人なんていないんだから。
もし何かを始めようと思ったら、毎日少しずつ、無理なく続けることがコツです。



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テーマ「あなたのNO.1は?」

コレクションですね。
おもちゃには懐かしさがあるでしょ。不思議なのはいまの中学生でも懐かしいって感じるみたい。懐かしさって癒しなんだよね。
あと、おもちゃから生まれるコミュニケーション。親子で、仲間で、恋人と、おもちゃを観ながらいろんな話が溢れ出す様子を見ていると、こっちが感動しちゃいますよ。おもちゃが持つ不思議な力を感じます。




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1月30日で64才になりました。勝海舟と同じ誕生日。
「When I'm Sixty Four」って曲があるでしょ。ポールが10代後半につくった曲なんだって。
これ聴きながら、何でこんな曲つくったのかなあって思ってたら、自分がその歳になりまいした。






1967年のサージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンドというLPに入っているんだけど、そのアルバムのジャケットがすごくいいんですよ。ピーター・ブレイクというデザイナーの作品。
そのピーターがおもちゃコレクターで、うちの博物館に来てくれたんですよ。意気投合して、その後ポールを紹介してくれて、会うことができました。ビートルズのポール・マッカートニーですよ。
ポールの手はやわらかくて、すごくフレンドリーな人でした。




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ちゃんと朝食を食べるとチョウシヨク(朝食)なる。



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ぼくは太陽が大好きだから、すぐに黒くなる。



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テーマ「夏が来ると思い出すものは?」

蚊帳ですね。あの独特の匂いとワクワク感。布団に入って寝るのがもったいなくて、話しをしてもらったりね。すぐ寝ちゃうんだけど。
他にも夏の思い出は限りなくあります。夏はいいね。



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テーマ「子どものころの思い出」

小学校の頃は本当に勉強しなかったなあ。夏休みなんか、始まりは天下取ったみたいに元気なのに、8月の終わりが近づくとナメクジみたいにショボーンとしていました。
学校が始まると友だちに会えるし、また元気になる。女の子なんて、休みの間に急に大人びてたりしてね。
こないだ番組でぼくが出た小学校に行ってきたんですけど、ジーンとしちゃったなあ。椅子とか水飲み場とか、小さいんだよねえ。




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60年代のあの空気。反体制の中で、「俺たちは自然の中で生きてるのがいいんだ」っていう感じもあったなあ。



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世の中にはいろんな仕事があるけど、何の職業でも、一番大事な仕事は、仕事を楽しくすること。



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ユーミンの「やさしさにつつまれたなら」ってあるでしょ。いつも神様がいるって思ってること、大事です。そういう人ってすてきですよね。












 

女子会

荒武さんからバーベキューのお誘いをいただきまして、1ミリの遠慮もなく大勢で押しかけました。



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ぼくは少し遅れて到着。すでにみなさん、トップギアでアクセル踏み抜いています。大盛り上がり。



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女性陣の隙間なく続いてゆく会話と笑い声。ご主人もぼくもそのパワーに圧倒されて、給仕係とカメラマンに徹するのみ。もう完全に女子会です。



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息子さんたちも当然女子には入って行けず、黙々とマシュマロ焼きに熱中していました。
男ってのは静かな生物ですよね。というか、女性のパワーって凄いですね。



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何の話でこんなに盛り上がっているのかというと、恋愛、結婚、仕事、子育て、庭や植物のこと、バブル時代のこととか、まあ話題はつきません。ずーっと大笑いしながらどこまでも盛り上がっていきます。



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そして男性陣は、ますます無口に。
でも、ご主人がとっても幸せそうでした。ぼくも、同じく。
女子が笑ってるのって、幸せなんだよなあ。



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それにしても楽しそうです。これが女子なんですよねえ。



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尽きることのない会話の中で、女房から思わぬ言葉が飛び出しました。

女の子は、磨くほどに輝くダイヤモンド。

男の子は、叩かれるたびに強くなる鉄。 なーのーよっ!

かなり酔っぱらってるのに、なかなかの名言でした。すぐに手帳を取り出してメモっておきました。
これは苦労続きの子育ての季節を終えた母親の、実感なんでしょうね。
うん、名言です。全くその通り。



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女の子って、もの心ついたときからすでにおしゃべりですよね。
お母さんと、友だちと、しゃべりまくって笑いまくって、それで磨かれるのかもしれません。
いやあ、みなさんは美しいダイヤモンドですよ。 

すばらしい時間でした。たらふく肉食って、ビール飲んで、女子会のパワーを浴びて、大笑いして、名言も飛び出したし、最高でした。

帰り道の夜風が、一生忘れられないほど気持ちよかったです。

最後に、ついでみたいにひと言。

いい庭です。これが庭なんです。 

2012年、夏、荒武さんちのバーベキュー。絵日記に描いておきたいような夜でした。



荒武さーん、ありがとうございました。すっごく楽しくて、翌日からパワーアップした感じで絶好調です。
ぜひ、またお願いしまーす。








 

 

庭と周囲の関係性( 酒巻邸 14)

昨日ご覧いただいた庭木によって、庭周辺の緑濃い環境を庭に取り込むことができました。



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高台にあるような見晴らしのいい庭なら、遠景の森や山並みを楽しみながら過ごすことは容易にできますし、それを目指した庭づくりをします。
でも一般的には平らな宅地に家が並んでいますので、周囲の木々のことよりも、どうやって目隠しをするかということの方に意識が行って、なかなか街路樹や隣家の庭の木のことまでは考えが広がらないのではないでしょうか。



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「過ごす庭」の場合、目隠しは絶対的に必要な要素ですから、周辺の木々を眺めることよりも優先して考えるべきです。目隠しの設定が中途半端になると、結局はそこでステキな時間を過ごすことができなくなってしまいますから。
そうなったら周囲の木々が気持ちよく眺められたとしても、その庭の本来の役割りが消えてしまっているのであまり意味がありませんよね。
庭のまわりが緑濃い公園や別荘地の雑木林であっても同じです。目隠しが必要な部分には、景色を犠牲にしてでも目隠しをするべきなのです。

「過ごす庭」では、周囲の景色を眺めることよりも、目隠しを優先して考えた方がいい。



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まあ理屈としてはそうことですが、実際にどこまでの目隠しが必要なのかを入念に考えると、それぼど多くの面積を隠さなければならないということはないのです。
目隠しというと、庭の外周をぐるっと一律に隠そうとしがちですけど、そうじゃなくて、過ごす場所をハッキリさせて、そこに腰掛けて過ごすときにだけ必要な目隠しの高さと幅と強さを考えれば、目隠ししつつ周辺の景色や森の雰囲気を感じることはできます。必ず方法はあるのです。

目隠しと見晴らしとを両立させることを、入念に考えていけば、いくらでも方法は見つかります。

隠すべきところはしっかりと隠す。でもそれは必要最低限度にすることです。



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そのことを基本としつつ、居心地を考慮しながら場を構成し、その立地の魅力を最大限活かす庭をイメージしていってください。



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そもそも庭が室内と違う点、庭の最大の魅力は「外にある」ということです。
庭とその周辺との関係性をどう整えるかによって、庭の価値は大きく違ってきます。

庭を考えるときに、目隠しと見晴らしのバランスをどう設定するかが基本的かつ重要なポイント。

毎日庭を設計しながら、ぼくにとって基本中の基本となっているこのことが、世の中ではまだあまり重要視されていないようです。いつもすごく残念に思っていることです。



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あなたの庭はどうでしょうか。目隠しと見晴らしの具合を確認してみてください。
それがうまくいっていないと、なかなか庭を楽しい場所にはできません。
隠すべきところはちゃんと隠して、同時に周囲のいい感じをできるだけ取り込んで、室内では味わえない、外ならではの満ち足りた時間を味わえる庭を目指しましょう。









もうすぐ8月です。梅雨も空けたし、学校は夏休みになっているし、間違いなく夏本番です。
でもぼくの中では、何となくまだ梅雨が明けていないような変な感覚があります。これまでの夏とは違います。
仕事がずーっと続いていて、しかもそれが、どれもこれも熱中できる内容のものばかりなので、その仕事の楽しさが、夏を楽しみにしていた気持ち夏のワクワク感を上回ってしまっているのです。
夏を無視してこのまま設計を続けていたら、それはそれで充実の日々だなあと、それも楽しい、そんな気持ちになり始めています。
いいのかなあこれで。まあいいような気もしますが、何となく寂しい気もします。ついに大人になっちゃったのかなあって。
50を過ぎてこんなこと思ってるのが変ですけどね。もう十分に大人なんですから。

まあとにかく、海や山や田舎で過ごす時間よりも、ひとつひとつの設計が楽しくて、しかもその楽しみが山積みになっているこの状況。ありがたいことです。
感謝しながらひたすら前進するのみです。一日一日思いっきり楽しみながら。

うん、これでいいのだ!・・・どうやらこの年になって、ようやく大人の階段のぼっちゃったみたいです。













塩害に強い木( 酒巻邸 13)

アメリカデイゴ以外の樹木です。

アプローチガーデンにオリーブを2本植えました



オリーブ
オリーブ

オリーブ2



オリーブもアメリカデイゴと同じく潮風に強い木です。
自家受粉しないとされていて、実を楽しむためにはこのように複数植える必要があります。



モミジ
モミジ

モミジ2

モミジ3



この3本のモミジは、もともと植わっていたものです。
分類的には塩害に強い木には入っていないモミジですが、何年もここで育っていたということは、そこそこ大丈夫なんだと思います。



ドラセナ
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コルジリネ



これは絶対大丈夫。海沿いの庭に必ず植えてあるものです。
次のソテツも同じくです。



ソテツ
ソテツ
 



ソヨゴ
ソヨゴ

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常緑樹は比較的塩には強いです。特にこのソヨゴのように、厚くて艶のある葉っぱ(照葉樹)は塩水をはじくので、かなり海沿いでも元気に育っています。



常緑ヤマボウシ
常緑ヤマボウシ

常緑ヤマボウシ2



この常緑のヤマボウシも照葉樹なので大丈夫です。

塩害って、主に葉っぱへのダメージなんですよね。落葉樹の葉はやわらかいので、塩混じりの雨が当たるとすぐに茶色に変色します。
たまにならまたすぐに回復しますが、それが繰り返されると枯れてしまいます。

さあここまでは、どれもこれも問題無し。次が問題あり。



ジューンベリー
ジューンベリー

ジューンベリー2

ジューンベリー3



完全に塩害対象木です。
それを百も承知で植えました。
それでもこの場所に植えてみたい木でした。実際わからないですからね、植えてみないと。植物って、その場の条件にけっこう馴染んだりしますから。
もしダメだったら違う木に植え替えます。
今のところ大丈夫そうです。


海に近い庭では、「塩害に強い木」という制約がありますので、樹種はかなり限られてしまいます。草花も同じく。
でも、はなっから制約の中で少ない選択肢でイメージするよりも、ダメモトでいろいろ植えるのがいいと思います。

植栽は、制約を気にせず、伸びやかにイメージする方がいい。

その場に適した植物を育てることが庭の価値なんじゃなくて、楽しい気持ちになることが価値であると思えるなら、こういう考え方も出てきます。園芸家には叱られそうですけどね。

ワクワクを優先させれば、たとえ失敗したとしても楽しい記憶になります。 

うん、これでいいのだ!

 





いつものように、日曜日は駆け足で打合せが続きます。
さっきそれを終え、このブログをアップしたら、今夜は荒武さんちでバーベキューです。いやあ楽しみ楽しみ。
仕事も遊びも駆け足です。
いいなだなあこの疾走感。
 



 

アメリカデイゴ( 酒巻邸 12)

今回初めて使った木があります。



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アメリカデイゴ。豆科の落葉高木です。

沖縄の県花で、THE BOOM の島唄に出てくるデイゴは、これと同じく豆科デイゴ属ですが違うものだそうです。こちらのアメリカデイゴは鹿児島県の県花になっています。



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まだ庭木としては見かけることがないこの木を、ぼくが初めて見たのは10年ほど前の夏でした。場所は東京ディズニーランド。
駐車場周辺の街路樹に真っ赤な花が咲いていて、それがすごく印象的で、後日調べたらこの木でした。
最近では江ノ島の参道入り口に植わっているのを発見しました。

いつか植えてみたいと思いつつ、たぶん入手が難しいんだろうなあと勝手に思い込んでいたようなところがあって、これまで設計には入れていませんでした。

そういうふうに、あまりに魅力的なものに対して、腰が引けてしまうってことがあります。
でも実際に植えてみれば、全然困難ではなく、もっと早くあちこちの庭に植えまくればよかったと思いました。

憧れが強いと、勝手にハードルを上げてしまう自分がいます。
憧れには、ストレートにアプローチしていけばいい。
案外簡単に憧れの対象を手に入れることができます。

何なんでしょうかね、自分で夢を遠ざけるような思考回路。欲しいものは素直に手中に収めればいいだけのことなのに。なんだかんだと理由を付けては夢を遠くに追いやってしまうんですよね。あるでしょ、そういうこと。

こんなことを言った人がいました。

夢はあなたから逃げない。あなたが夢から逃げているだけだ。

そういうことなんですよね。
いかんいかん、時間は限られているんだから、やりたいことは速攻やりまくる方がいいです。


話をアメリカデイゴに戻しましょう。



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豆科の木は葉っぱがやわらかくていいですね。丸くて薄緑の葉が、逆光で日に透けるときの美しさは格別です。
そしてワイルドな木肌と情熱的な真っ赤な花、言うこと無し。夏の木です。



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この木を選んだ一番の理由は塩害に強いということでした。
酒巻さんちは埋め立て工事がなされる前は海岸沿いで、今は海は見えませんが、潮風は入ってきます。
門扉を入った所に植えるメインになる木は、塩に強くて、存在感があって、季節感があって、ずっとここで成長して大木になるものがいい。そう思ってあれこれ選んでいったらこれになりました。
ディズニーランドも江ノ島も海辺ですから、きっと同じ理由で植えてあるんだと思います。塩害に強い落葉樹って、他にあんまりありないんですよね。 



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ハワイっぽいと言うか、すごくリゾート感がありますよね。



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アメリカデイゴの花言葉は「愛・夢・童心・活力」だそうです。 これもいいですね。

庭に植えたいでしょうこれ。
潮風に強いという利点が、もしかしたら「潮風がないと育たない」ということなのかもしれませんけど、・・・。ほらほら、これがいけないんですよね。勝手にハードル高くしてしまうクセ。
植えてみればいいんです。そんなこと気にしないで、いいと思ったらどんどんやってみればいい。 



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「愛・夢・童心・活力」、その花言葉の通りに、見ているだけでワクワクしてくる木です。


見る人に語りかけてくる木があります。無口で、こちらが話しかけても黙ったままニヤッとするくらいの木もあります。
庭木にはけっこう流行り廃りがあって、実感として、おしゃべりな木の方がいつも人気が出ます。
ジューンベリー、ドラセナ、シマトネリコ、オリーブ、エゴノキ、フラミンゴカエデ、そして今回のアメリカデイゴ。みんなにぎやかです。
無口な木もあります。無口だけど、時々味わい深いことを言う木。
ヤマボウシ、アオダモ、ヤマモミジ、ソヨゴ、ゲッケイジュ、キョウチクトウ、レモン。

無口な木、おしゃべりな木、そんな庭木の選び方もあります。

全員にぎやかだと疲れちゃうし、全員無口でも息が詰まりそうだし、組み合わせるのがいいんでしょうね。

陰と陽、賑わいと静けさ、派手と地味、強さと弱さ、そのバランスで、庭は味わいを増すのです。

そんなにたくさん木を植えるスペースがないときには、草花でも同じことが言えますので、ぜひそういう観点でアレンジしてみてください。








昨日の猛暑から一転、今日は涼しい風が吹いています。雨も降ってきました。
いい感じです。
「レノンの庭」の窓を全開にして、風を入れ、雨音を聴きながら、設計に没頭します。












 
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