2018年06月

家族の庭のつくり方 36

果樹を植える

庭の果樹は、家族に実り多き日々とたくさんの思い出をもたらします。



キンカン

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ウメ

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ライム

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ジューンベリー

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実のなる木は福を呼ぶ。



カキ

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アンズ

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梅、杏、柿、サクランボ、柑橘類、ジューンベリーやフェイジョアなどを植えて、収穫を楽しんで、至福の時を味わってください。
これから流行りそうなのはオリーブ。自家製オリーブオイルにチャレンジするお客様がちらほらと。



今年も散歩道のスモモが熟して甘い香りを放っていました。


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すかさずひとつ失敬してかぶりつけば、ああ夏の味。


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そういえば昨年は、「すもももももももものうち」から興に乗り、

うらにわにはにわにわにわにわにわとりがいる、

はははははははのははははははとわらう、

こつそしょうしょうそしょうしょうそ、

しんしんしゃんそんかしゅそうしゅつえんしんしゅんしゃんそんしょー、

とうきょうとっきょきょかきょくちょうきゅうきょきゅうかきょかきょひ、

と並べて遊びました。


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おっ、今年も目つきのキツい見張り番が。


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やあ久しぶり、と声をかけたらそっぽを向いて知らん顔。


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これが昨年の彼。

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たった一年で、少年は青年になりました。




 

庭のつれづれ

冷や汗が出るほどの的中率!
予感という不思議な前ぶれ。

朝日の庭に出て「不吉な予感がする」なんてことはまずないですよね。水やりを終えた芝生と花を眺めながら「今日もいいことが起こるに違いない」としか思えないものです。
夜は夜で、星を見上げ全身で風を感じながら「明日があるさ明日がある」と胸に希望が満ちてゆくばかり。
庭での予感はいつも的中します。 



いい梅雨だなあという感慨もつかの間の夢のように過ぎ、
西から夏の波が押し寄せて来ました。

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今年の夏はいつもの夏より、長くなりそうなそんな予感。





今日は港南台店にいます。



 

老化→蝋化→廊下

身体から発する光で周囲を照らす人を、きっとあなたも目撃したことがあると思います。庭の仕事をしていると、そういう強烈なワット数を有する特殊な蛍みたいな発光人と出会う機会が多く、ぼくはいつもその恩恵にあずかって、あやかって、光合成をしながら暮らしています。



逆境を照らすように、
逆光を集めて輝くタチアオイ。

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ではぼくの輝きはいかほどかと自問をすれば、ああいけませんいけません。少しの寝不足や、気分転換をしくじったり、運動を怠ったりするとてきめんに、梅雨空みたいな顔になっている。鏡よ鏡よ鏡さん、その仏頂面はどうしたことか。老化?表情筋が蝋化しちまってまっせと語りかけることもしばしばなり。すかさず丹念に百面相の顔面ストレッチ。今日こそはずううっと笑っていようと101回目の決心をしてニコちゃんマークではなまるマーケット。



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同世代の皆さん、特に男性諸氏、意識が顔まで届きづらくなるこの難局を突破しましょう。うまいこと突破できれば意識せずとも笑っている、何があっても笑ている、何もなくても笑っているおじいさんになれるというアメリカインディアンの教えがあるとかないとか。



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花言葉は「大望」「野心」「豊かな実り」。



何れにしてもマダムタッソーに発注するなら笑顔のまんまでお願いしたい。一体何が気に入らねえのかと思わせる不機嫌顔が常態化してしまった老化オヤジは廊下に立ってなさい!とレッドカードを出されてしまいます。まだ後半戦の中盤なので、見事に逃げ切るにしろ、逆転を狙うにしろ、ホイッスルまで全力でピッチを駆けていたいじゃないですか。アディショナルタイムを使い切る、最後の最後まで。

本日23時、フジテレビ。




今日は港南台店にいます。



 

家族の庭のつくり方 35

木に役割を持たせる

庭木にはそれぞれに役割を与えて植えてください。



ホウノキ

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フラミンゴカエデ

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ドラセナ

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ミモザ

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存在理由が、木を家族にする。



オリーブ

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モミジ

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シマトネリコ

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ジューンベリー

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空間構成、日陰をつくる、目隠し、香りを放つ、果実、アクセント、花、葉のきらめき、季節感、思い出、リゾート感、話し相手、願いを込めて、庭木が果たせる役割は多様です。



サッカー観戦による寝不足の眠気覚ましに、
日限山公園から続く里山を奥へ奥へと進んだら、
ネムノキが目が醒めるほど盛大に咲いていました。

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夏近し。

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我、設計の山と格闘中なり。

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毎年のことながら、
この時期は寝ぼけている場合ではないのです。

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今日もしっかり覚醒して、
張り切って取り組みます。

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いやあそれにしても、なんともやさしい花ですね。
そして神秘的な。

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ビールとポテチとカメラを持って、
行ってみたいなよその国、じゃなくて近所の森へとひとりハイキング。
ああ、晴れた日のネムノキの下でうつらうつらと昼寝がしたい、
という黄泉の国より泉のごとく湧き上がる衝動を右から左へ受け流し、
庭のアイデア源泉掛け流し、
うつつの国にて、夢の設計に熱中症。
早朝の志を得る初夏の風、今日も夏日になるそうな。





今日は金沢文庫店にいます。
 

 
 

ドローでメローな朝のこと

ジリジリするセネガル戦が終わり、試合結果と同じく興奮と疲労がドローのドローンとした頭で考えた。ビールとカップラーメンを胃に流し込んで無理やり寝るか、あるいは庭に出て朝を待つか。読みかけの本はずらっと並んでいるし、今から飲んだら朝がだるくなるのは明らかなので後者を選択した。



ノリウツギの朝げ

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深夜と早朝の狭間は静寂の闇。スタンドのウイッチを入れ、まだ必要ないのだが戯れに蚊取り線香に着火して、冷蔵庫にあったカラダカルピスを飲みながらスペシャルな時を過ごす(ページはさほど進まずほとんどうたた寝だったが、それがたまらなく心地よし)。やがて白黒の景色に色が入り始めた東雲時に「そうだ、公園へ行こう」と思い立った。軽く汗をかくくらい歩かないと仕事に集中できない気がしたからだ。
思い立ったが吉日なり、善行にためらいは不要なり、過ちては改むるにはばかることなかれとばかりに、素早く身支度を整え日限山公園へと向かった。



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まだ誰も歩いていない道を30分ほど進むと、頭上の地味目な白いふさ花に虫が集っているのを発見。ゲンキングなムシキングたちの朝食バイキングは早い。まあ一応撮っとくか、と、ぼくも地味目な気持ちで
ピントを合わせていたら、背後に人の気配が。

何撮ってんの?

はは、虫ですよ。

その人の出で立ちからベテランバードウォッチャーであることが見て取れたので、虫けらを狙っている者になど興味を持たずに立ち去るであろうと思い、そんなニュアンスで返事をした。

この木、知ってる?

いえ、この木は何の木でしょうね、気になる木ですね。

あははは、これはノリウツギだよ。なかなかこんなに大きく成長しないんだよね。皮から採れる粘液が和紙の糊に使われていたんだって。つまり、ここいらあたりが昔、里山だったってことの生き証人ってわけ。

ほほお、なあるほど。そういえばクヌギも多いし、確かに。

ぼくより十歳以上は年上のバードウォッチャーの、ネイチャーな知識に関心顔となったぼくに、さらに解説は続いた。

今咲いている小さいのが本当の花で、このあと紫陽花と同じ偽花が開き出す。それが枯れてもずうっと残ったままになることから、娘を嫁がせるときに「ノリウツギの花が消えるまで帰ってくるんじゃないよ」と送り出したんだってさ。

あああ、なかなかいい話ですね。そうか、枯れても消えない花なんだ。

うちの娘は嫁いでもいないのに枯れ始めてるよ、ははは。けっこういい女だと思うんだけどなあ、・・・世の中うまくいかないね。
あんた、独身?

ええ、まあ。

何となく、ノリでそう答えていた。

何だ、もしかして訳ありかい。訳ありだよね、みんな。そうかああ独身かあ。俺もカカアが出ってっちまったから独身だ。

おやまあ、それは訳ありですね。

まあいんだ、次のカカアは目星がついてるし。ってか、それで出てっちゃったんだけどね、はは。

早朝の公園にはとても似つかわしくない話題だったが、バードウォッチャーの顔に刻まれた笑い皺がメローさを醸し出していて、品があるというか、ナベサダや三宅一生や高橋一生と同じ種類の笑顔だったの、気分は落ちない。

おやおやそれはまた。命短し恋せよ男、ですね。

しょゆこと。じゃ、お先。

立ち去ってゆく背中はやや丸く、少し寂しそうであり、少し何かに怒っているようでもあったが足取りは少年のように軽やかで、望遠レンズを装着した三脚付きのカメラを担ぐ姿は、おもちゃの剣付き鉄砲を手に、自治会主催の戦争ごっこに赴く老兵役みたいだった。



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多くの人がまだ布団の中にいる時間の公園を歩いている人は、多分だが、みんな訳ありだ。
ここが里山で、小さな田んぼを耕し、野菜を育て、山菜を採り、和紙を漉き、炭を焼いて暮らしていた人たちも、みんな訳ありだったに違いなく、のこ大木となったノリウツギはその物語をじっと見つめてきたんだなあと、少々センチメンタルに、今は消えてしまった人たちの心情を想像しながらまた何枚か撮ってから、老兵とは反対方向に歩き出した。んっ!と背筋を伸ばして、軽やかに。



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もうすっかり寝不足の失点は挽回できた。ただし、まだドローだが。長いいち日の始まり始まりだ。
かつて「絶対に負けられない戦いがそこにある」って、テレ朝だったかな、よく言ってたけど、「そんなこと言ったって負けることもあるでしょ」って突っ込んでいたけど、ぼくのこの試合は絶対に負けられないのだ。

い〜のちい〜みじいかし〜恋せよお〜おのこ〜
熱き血潮の冷えぬ間に
明日の月日はないものを

いのち短し恋せよ男
心の炎消えぬ間に
今日は再び来ぬものを





今日は港南台店にいます。




 

ふざけろ・ふざけんな問題

関東人にして健闘人のぼくは、酔っ払った女房のわけのわからない口撃にアッタマ来たときに「ふざけんな」と言います。関西人にして勘冴え人の女房は、ぼくのシラフなのにもかかわらず酔っ払ったような言動に怒ると「ふざけろ」と言います。



通勤途中、漂う濃厚な香りに気づいて探したら、
十数メートル先にクチナシが咲いていました。
湿気と混ざり合うイランイランにも似た濃厚なる芳香は、
清楚や純情とは真逆の、播州女のかおりです。

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夜の庭でふと思ったんですけど「ふざけんな」と「ふざけろ」って真逆なんですよね。あっ、こんな下品な喧嘩は過去数回しかないんですよ。通常はですね、冷静に笑みをたたえながら「きみきみ、そういう言い方はないんじゃないかな」と諭し、「あら、あなたこそそういう考え方はいけなと思いわすわ。そのような単純思考は決して人類の幸福に寄与しませんことよ」という穏やかにして上品なものです(本当です、絶対に)。で、その真逆な言い方何ですけどね、否定と肯定、これは文化人類学的にとても興味深いことなわけです。



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関東人と関西人の違いはまさにここ。ぼくら関東人は(越後は東北ではなく関東圏)受け入れ難い事柄を排除しようとします。対して関西人は、ここぞとばかりに面白がると言いますか、しゃあないやんか、アホはアホなりに生きて行かなあかんのやしと排除することなく反省を促すような、それで反省しなくても、まあええわいな、人が死ぬわけやなし、そんは人がおってもおもろいやん、という具合なんですよね。



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どっちが正しいかは別として、関西人の方が濃いめのコミュニケーション術を有しています。反面、理屈に合わないといいますか、ときに論理的に破綻してるといいますか、そもそも論理思考をもっていないんじゃないかと、東男にはそんなイラっとする感情が積み重なってゆくのです。まあでも結果的にはその関西風雑草魂が、これまで幾多の難局を切り開いて来たわけでして、アクシデントには「負けへんで」と、理不尽な出来事には「そうか、そう来たか。ほなこうしたる」と、粘り強く獲得目標にフォーカスし続けるど根性を感じています。



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探偵!ナイトスクープってあるでしょ(横浜ではTVKでやってるので、録画して欠かさず観ています)。あれって、ぼくからしたら衝撃に次ぐ衝撃の内容なんですよね。関東人にとっては愚にもつかない些細な事柄が、オムライスがうまく包めない、みたいなことが、じんわりと泣けるいい話に展開したり、「こりゃあさすがにダメでしょ」という、放送上はタブーであると思われるレベルの精神的混沌に陥っている人取り上げてたものに、これまたティッシュの箱が手放せない泣き笑いの感動を得たりして、いやはや関東と関西の違いは洋の東西以上だと実感しているのであります。



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常日頃、この違いを庭木の捉え方にも感じています。剪定の仕方、仕立てのスケール感についてです。
関東の庭師はチョキチョキチョッキン、小ざっぱりと小粋に切り詰めてることを良しとしていて、庭木は盆栽のテクニックにて仕立てられている。ところが関西ではまったく違って、できるだけ自然樹形を保ちつつ、木と木がせめぎあいながらも融合する雑木林のような風情を好みます。



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たくさんのお客様から「あなたたちは理想の夫婦ね」という過分な賞賛を頂戴しているので、こんなことを言うのはいけないんですけど、何かにつけて関東と関西の違いは凄まじく、そのギャップからの小競り合いが繰り返される日々というのが実態。でもまあ、独身時代の早い時期からフランス人と結婚したいと妄想していたので、それに比べたら、かろうじて日本語が通じるのだからマシか、と思っている次第です。
ふざけろっ!と言われそうですが。





今日は金沢文庫店にいます。


 

庭のことだま

意識が開けば花開く、のです。

ぼくが提案する「カーテンを開けて暮らす」「眺める庭から過ごす庭へ」「夜の庭を楽しむ」などの話に最初は戸惑い顔だった人が、出来上がったプランを見てイマジネーションの扉が開くと、今度は興奮気味に、次から次に広がった世界のことをぼくに伝えてくれます。
庭に限らず身の回りにはまだ閉まったままの扉だらけ。そのありかを探しましょう。



アガパンサスの青は海の色
真夏の空を思わせる色
夏の扉を開く色
 
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夏近し。







今日は金沢文庫店にいます。
 


家族の庭のつくり方 34

蚊取り線香を炊く

「蚊がいるから・・・・」という声を聞くたびに、ぼくは「なんともったいないことを」と残念に思うのです。



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蚊を理由にするなら人類の7割は庭を楽しめないことになる。



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ただ蚊取り線香を焚くだけなのに。
虫ごときで庭の楽しみを捨ててしまうのは、人生上の大きな損失だと思うのですが。



寝不足なポンコツ頭をリセットすべく、カメラ担いで里山へ。
めずらしく気が重い。飛べないイカロスとはこのことだ。
すると、ああ、なんということか、田んぼの真ん中にガマが。

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根が浅いのか傾いていたが、
抜かずにおいてくれた農民のユーモアに口角が上がった。
トンボもよろこんでいる。

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あぜ道にはももクロが数輪。

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見上げれば雨乞い中のエスカルゴ。 

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夏を待つ穏やかなさ風景を歩き、
このまま一日歩いていたい衝動に狩られ、歩く、歩く。
歩くというのは楽しいことだ。

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どこまでもどこまでも、と思ったが、
一時間ほどで 設計の意欲が整い翼がばさっと動き始めたので、
急ぎ店へと羽ばたいた。





今日は金沢文庫店にいます。
 

 

 

快楽主義礼賛

生物の営みは、外部要因に対する「快・不快」の判断によって行われています。人間は欲深いので、わざわざ苦労し不快に耐えて、その先にあるさらなる快楽を求めます。
ではその先にあるはずの快楽を見失ったらどうなるでしょう。あるいは失敗体験で臆病になり快楽に腰が引けてしまったら。
報われることのない苦労を積み重ねるばかりの庭のなんと多いことか。原因は快楽主義から苦労主義に変節してしまった思考。目的を失っても苦労を積みさ重ねてしまうことも、人間に特徴的な性質です。
そこから脱するには快楽主義に戻ること。朝から晩まで「楽しいことしかやりません」と決めてください。



白い蝶のサンバ

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え、そんなことしたら暮らしが破綻してしまいますよ。だって洗濯も掃除も食事の準備も不快だし、仕事だって不快でしょ。そもそも結婚生活が不快だし。

おやおや珍しいですね。ぼくはそのどれもが大好きですけど。

珍しいのはあなたの方よ。よっぽど素敵な奥様なんでしょうね。よかったですねお幸せで。

ええ、まあ。

快楽を追えばいいって、そんな単純なものじゃないでしょ、世の中って。不条理だらけだし、不安だらけだし、それでも不快に耐えて頑張っているから生活が成り立っているんだと思うんですけど。そういうね、あなたみたいにボジティブ至上主義な、青年病の未熟な純粋まっすぐ君を食い物にしている似非カリスマコーチングトレーナーみたいな物言いって、好きじゃないのよね。

はあ、そんな印象を与えてしまうところがぼくの未熟にして純粋まっすぐ君なところでして、セルフコーチングとして巷に蠢く似非カリスマの本を片っ端から読み漁り、その似非ぶりの正体を炙り出しながら自らを律している最中なのです。修行中の身なれば、どうかお許しを。

そもそもなんで庭を楽しまなきゃいけないの。いいじゃない苦労する場所で。毎日苦労して、苦労して、苦労することの中に生きる実感があるのよ。その姿を見ることで子供は人生の厳しさに対する心構えができるし、我慢することや根性や知恵が身につくんじゃないのかしら。母もそうだった。だったって言うと死んじゃったみたいだけどまだ元気。毎日電話をかけてきては過去の苦労話と現在の苦労話と未来の苦労話をするのが生きがいになっているの。

おお、ヴィクトール・フランクルですな、あるいは姜尚中。その考え方はとても崇高にして人間的に美しいことです。お母様にいいね×100。
ええええっとですね、ところで、あなたはご自分のこと、どう思っていますか?あ、つまり、好きか嫌いかっていうことなんですけど。


自分のこと?わたしがわたしのことを好きか嫌いかって・・・
自分を好きな人っているんですか?

と、いうことは、お嫌いなんですね。

ええ、どちらかといえば、ですけど。
え、え、え、みんなそうでしょ、自分の欠点や、能力の低さや、不遇とか不運とか、そういうことが頭から離れないじゃないですか。だから頑張って、苦労して暮らしているんですよ。でしょ?そうじゃないの?もしかして、あなたはご自分のことが好きなの?

その問いに、ぼくはあなたの期待に反した、反することを期待しているなら期待通りの答えをせざるを得ません。大好きです。

あのね、あ、失礼。あ・の・で・す・ね、ひょっとしてって思っていたんですけど、あなた馬鹿でしょ。なんでそんな能天気でアンポンタンなこと言っていられるのか理解できない。ああ信じられない。こんな人がいるなんて、もうどういうことでしょ。

んんん、困りましたなあ。でもご安心ください、アンポンタンとはフランス語で夢の架け橋という意味ですし、ぼくはお察しの通りアンポンタンな馬鹿ですから。親からも教師からも上司からも、さらには愛する妻からも繰り返し言われてきたことなので確かです。あまりに確実性が高く相対的に不確実性が低いので、世の中との相対性的にどうしたらいいのかと若い頃には葛藤があったものです。四畳半の自室でLPよしだたくろうオンステージの「私は狂っている」を流しながら馬鹿なりに馬鹿について3分ほど悩んで出た結論が「もっと馬鹿になれ」となりまして、それ以来何をするんでも狂ったように、恋愛でも勉強でも仕事でも遊びでも、額に狂の字を浮き立たせながら取り組む癖がつきました。
で、あなたはこんな馬鹿者にどんな庭をお望みなのでしょう。


そうそう、それなのよ。住宅メーカーから出てきたプランがね、金額ばかり高くて中身がないというか、全然つまんないの。なんちゅうか本中華、あらやだ古いわね、なんというか、全くときめかなくて。こちらからいくつか要望を出して、それはクリアしているんだけど、っていうか要望だけで設計されているから物足りないというか・・・

ちょっちょっちょっ、ちょっと待ってください。要望通りに設計された庭がつまらないというなら、それはフランクリアン、あれ、フランキストかな?まあいいや、あなたの望み通りに苦労するための庭なんだからそれでいいじゃないですか。スタンディングでブラボーですよ、ブラッヴォ!いやあ世の中に溢れている正気な設計者に鳴り止まぬ拍手。そんな芸当はぼくにはとてもできない。

・・・ねえ、少しだけあなたの手口が見えてきたわ。あなた、詐欺師でしょ。さもなければ大泥棒ね、アルセーヌ並みの。

アルセーヌ、ですか。自分的にはシャーロックだと思っているんですがねワトソン君。だからこれは詐欺ではなくて正義です。

やっだー、シャーロックはちょっとカッコ良すぎるんじゃないかしら。

いやいやお嬢さん、あ、失礼、マダム、ぼくはご推察通りの馬鹿なので自分が大好きなのです。好きで好きで好きすぎて、これを英語で Self-affirmation 、フランス語で Auto-affirmation 、アラビア語で احترام الذات って言うんですけどね、日本語に訳すと「庭はあなたが望む通りになります。設計者が誰であれ、どんな設計者であれ、あなたが望むことを具現化するのが仕事ですから。もしも設計者に依頼しないなら自然がそれを叶えてくれます。もしもその庭が気に入らないとしたら、それはそういう望みを抱いているあなたをあなた自身が気に入っていないということに他ならない。つまり自分を嫌いな人の眼前には気に入らない庭が出現するのです。おお偉大なるかな神、我思う故に我あり」となります。ね、まさにそれがあなたの望み通りの庭なんですよ、お嬢さん。あ、失礼、マダム。

ああ・・・なんだか私、カリオストロの城でシャーロック、じゃなかった杉下右京、じゃなくて銭形警部が言っていたあのセリフを思い出しちゃった、「奴はとんでもないものを盗んでいきました。あなたの心です」っていうあれ。
ねえ、設計お願いできるかしら。


お望みとあらば。で、いかような庭を?

わたしの望みを叶えてくれるなら、わたしの望みと正反対の庭を。

ようやくわかってくれたようですね子猫ちゃん、あ、失礼、マダム。ジュ・テーム・モア・ノン・プリュ。ではそのように。

すてき。徹底的にお願いね。

はい、徹底的に。

ふふふ、徹底的に。ああ、なんだかわくわくしてきたわ。

あははは、君の瞳に乾杯!誕生日おめでとうございます。たった今、あなたは崇高なる愚か者エピクロスの教義を信奉する賢き者、真面目に人生を遊べるエピキュリアンに生まれ変わりました。フージコちゃん、じゃなかった、マダム、いくつになってもハッピーバースデー。





快楽主義者に必須なのは自己肯定感なのであります。ということで、めでたしめでたし。
ではお望み通りに、望みと正反対の快楽の庭を思い描くことといたしましょう。





今日は港南台店にいます。



 

H!nt de Pinto 124

とても残念なことに、ロマンチストには現実が見えない。悲しいことに、ナルシシストには他者が見えない。フロイディストには未来が見えず、ブッディストには現世が見えない。アナーキストには平和が見えないし、ノスタリストには明日が見えないし、リアリストには夢が見えないのです。



ナチュラリストの快楽。

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ペシミスト(悲観主義者)には花園が見えません。花は嫌いではないのですが、その営みが主義と馴染まないためさほど興味を持てず、庭の草花が意識の深くにまで入ってこないのです。
主義を捨てよ、庭へ出よう。
あらゆる歪な主義主張を捨て去ると自然主義に至ります。自然主義者にはもれなく、穏やかにして劇的な、静かな水面に立つ波紋のような美しき快楽が用意されていて、やがて快楽主義者になってゆきます。快楽が花を咲かせ、快楽が代をつなぎ、快楽が循環を司ってる。つまり、自然界は快楽主義に支配された楽園なのであります。
自然の構成員であるぼくらには、その慣わしから逸脱して幸福を獲得できた者はただの一人も存在しません。自然は自然によって自然に成立しているのであるからにして、不自然な者が幸福に至れないのはあたり前田のクラッカー。なんである、アイデアル。(い、い、いかん、突然スイッチが入ってしもた)家付きカー付きババア抜き、はナンセンス。アンノン族はノンノンノンノンノンセンス。ノンセクトラジカルなラジカル・ガジベリビンバ・システム懐かしきかなお笑い懐古主義を、許してちょんまげ、許してぇぇぇっ頂戴!って、あっと驚くタメゴロー。あの頃はッハ!ふたりして聴いていた、糸井五郎のオールナイトニッポン。大石吾朗のコッキーポップで思い起こされるは思い出は美しすぎてのホイッスル。マッポのホイッスルから逃げまわり、狭い日本そんなに急いでどこへ行ったらいいのかわからなくなって、にっちもさっちもどうにもブルドッグソースをかけたライスカレーを食べてから、恥ずかしながら帰ってきたぞ、帰ってきたぞウルトラマン。いやはやノスタリストになってしまいました。困ってしまってわんわんわわんなので有馬温泉、と言えばこれ、有馬兵衛の向陽閣へ。 
・・・深く反省。 
とにかく、兎に角、戸に書く座右の銘は「この道を行けばどうなるものか、行けばわかるさ」なり。迷うことなく、まごうことなきナチュラリストへの道を進み、行け行け飛雄馬どんと行けとばかりに重いコンダラ引っ張りながら突き進んで、快楽主義へと至りましょう。
ああああこのスイッチ、どうやったら切れるのでしょう。









今日は港南台店にいます。





 
 

情熱の嵐

好きなことを仕事にできていていいですね、とよく言われます。破顔一笑「はい」と答えます。でも本当は、嫌いじゃないけど特別好きだったわけでもなく・・・違う仕事に就いていたとしても同じように言われるだろうなあと思っているのです。つまり働き方の問題。
ちなみに、素敵な奥さんでいいですね、と言われたら呵々大笑「はい」と答えることにしています。でも本当は・・・って、まあいいですよね、これは。



ネムノキ
この花を目にする度、
宮城まり子さんの情熱に思いを馳せます。
四十一歳の時にねむの木学園を創設し、
九十一歳、可愛らしいおばあちゃんとなられた現在も、
相変わらずの血気盛んさで現場に立って、
相変わらず次々やってくる苦難に立ち向かいながら
活躍されているとのこと。
見事な人生です。


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好きなことを仕事にしている(ように見える)人の共通点は、出会った仕事を好きになる惚れっぽさと、その仕事に対する愛情と、好きでい続ける情熱なのであります。つまり結婚生活と同じこと。好きな人と暮らせていていいですね、って言われたらどうでしょう。そんなの当たり前じゃないですか、って思いますよね。これは庭も同じで、素敵なお庭で幸せですねって言っていないで、自分の庭を素敵にすればいいのです。やり方はぼくがお教えしますからいつでも気軽にお越しくださいね。その際には現状の写真と建築図面をお持ちください。 あ、それと、庭への夢もお忘れなく。



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仕事であれ、庭であれ、何であれ、惚れっぽさと愛情と止むことのない情熱の嵐があればそれが生きがいとなり、君が望むなら、命をあげてもいい、となります。



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え、情熱がない?うっそー、そんなにたくさんの不満を持っているあなたなんですから、その不満を恋心にロンダリングすれば相当に激しい恋になると思うのですが。さすればやめろと言われても、今では遅すぎた、激しい恋の風に巻き込まれたら最後さ、となることでしょう。



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収入、待遇、職場環境、人間関係など、仕事への不満なんてあって当たり前。そんなんでいちいち落ち込んだり辞めたりしていたら、仕事を生きがいにすることはできませんぞ。まして好きなことを仕事にできていていいですね、と言われることなど。
仕事観は人それぞれなれど、それを不満を強いられている死んだような時間と捉えるか、自分を磨き輝かせる生きがいと捉えるかで人生の質は大きく違ってきます。仕事がしたくて早く目がさめるようなら問題なし、逆になかなか布団から出られないようなら働き方改革を行なってくださいね。ゆううつなど吹き飛ばして、君も元気出せよとエールを送ります。
ぼくの場合、早起きどころか寝ている間に脳内で設計が仕上がっていることが多々あり。天才か、はたまたワーカホリックかもしれませんが、庭への情熱の嵐は激しさを増すばかりです。





今日は金沢文庫店にいます。

おっさんジャパンも情熱の勝利。気分良し。




 
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