2019年01月

庭のつれづれ『庭に雑草を植えるという手もあり』

雑草という名の植物はありません。
昭和天皇

ホトケノザに魅了されたのはたしか4年前の今頃の季節。朝日が差し込む頃を狙っていつもの遊歩道を歩いていたら、畑の脇の荒地に小さいピンクが光っていました。それは凍みた朝露が日の温もりで解け始めた瞬間だったのです。



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野の仏笑ったような、笑わぬような。拓郎の歌声が聞こえてきて、しゃがみ込み望遠レンズを装着したファインダーを覗いたら、ああ、なんと美しいことか。


 


何年も歩いている道なのにその存在に気づいたのは初めてで、それがとても不思議でありつつ腑に落ちたのです。腑に落ちたとは、つまり、仏様とはそういうもので、通常はほとんどの人に見えず、見えないけど存在している。気候が厳しく花の少ない冬、誰も立ち入らない荒地にドラムロールもファンファーレもなしで地味に出現する。花の姿に気づいた人は身を低くして見入り、そのお姿の神々しさに気づき手を合わせた者には、仏様から啓示や気づきや希望が与えられる。



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あの日以来ホトケノザを捜すのが、冬の散歩道の楽しみとなりました。
皿状に開いた小さな葉っぱに、鎮座するように咲く花の姿を「仏の座」と命名した昔の人に敬服しきりです。そのように自然と寄り添う暮らしぶりと、花の姿を擬人化(神格化)するイマジネーションは、日々時間に追われているぼくらが無くしてはいけないことのような気がして。



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そうか、ひと株失敬して庭に植えるという手もありだな。雑草とはいえ、考えたらハーブ類も雑草だし、あのバラだって出自を辿ればシルクロードに生息し、トゲトゲが旅人に嫌われていた野茨だったわけだから。宿根草で手入れいらず、放ったらかしで毎年庭に仏様降臨、なかなかいいアイデアではないか。



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他にも一絡げに雑草として駆除されるシロツメクサ、タンポポ、ドクダミ、スギナ(ツクシ)など、庭で楽しめる野の花は数限りなし。ビオトープガーデンというのではなく、園芸品種の中に配することで庭にナチュラルな雰囲気が加わり、ついでにグランドカバーとなって雑草取りが楽になるかも。



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野の仏、笑ったような笑わぬような。庭を楽しみながら、そんな心持ちで手を合わせ、な〜む〜。


 

 

車の配置で庭が出現(横浜市 港南区)

これが飯高さんちの Before です。



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縦入れで2台分の駐車スペースがあり、お客様はごく当たり前に庭をあきらめ外構をどのように仕上げようかと思案していました。
ぼくとしてはその意向に沿って、でも最低限リビングのカーテンを開けて暮らせるように提案したいと思い建築図面を拝見すると、ん、待てよ、奥行きが十分にあるんだから1台を横入れにすれば庭スペースを確保できるぞと気づき、お客様に「お車は常時2台お持ちなのでしょうか。もし1台だったら来客時は自分の車を横にしてお客様ので閉じ込めれば、バーベキューを楽しめる広さの庭が確保できますけど」と。
それをラフスケッチで描きながら顔を上げると、ご主人の目からウロコがはらはらと剥がれ落ちるのが見えました。



Plan A

Plan A



駐車場付き一戸建てから庭付き一戸建てへ 、しかも台数は2台のまま。ご夫婦の意欲はすっかり庭のある暮らしへと移行して次々とご要望が出てきます。それらを丹念に形にしながら変更設計を繰り返し、出来上がったのがこのプランです。



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ではビフォー・アフターを。まずは道路側から。



Before 1

Before 1


After 1 

After 1


Before 2

Before 2

After 2

After 2


Before 3

Before 3

After 3 

After 3



ああ、自画自賛。
さてさて壁の中が気になりますよね。では内側からのをご覧ください。



Before 4

Before 4

After 4

After 4


Before 5

Before 5

After 5

After 5



これでカーテンを開けて暮らせるし、庭で過ごせるし、植物を楽しみ季節を感じる暮らしが実現します。



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コンクリート塀の唐突感を和らげるため道路側にスリットを設けて植栽を配し、隣地側に木製パネルを立てることで立体的な前庭感を出し、土間コンクリートは柔らかい印象の洗い出し仕上げにしました。



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駐車場から内部へ入ってゆきます。



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After 5

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ジューンベリー

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サイドテーブルの蓋を取るとバーベキュー炉

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壁栓

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照明器具

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夜はこうなります。



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以上、飯高さんちのフロントヤードガーデン、いかがでしたでしょうか。このように南道路の場合には外構と庭を同時に考える必要があります。最低限カーテンを開けて暮らせるように、できれば庭で過ごせるように、新築時には柔軟にして入念なプランニングを。 



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庭のつれづれ

散歩道に咲く梅の写真で一句。

2週間ぶりに金沢区釜利谷の散歩コースを歩いたら、冬枯れの遊歩道に紅梅白梅が六分咲きとなっていました。



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店に戻ってNHKラジオをつけると、全国の農家が昼寝のBGMにしているあの調べに乗って「例年より半月早く関東地方の梅が開花しました」とお知らせが。やはり今年は暖冬なんですよね。寒波に翻弄されている北国の皆様には申し訳ないような気もしながら、ああ、ありがたやありがたや。

 昼の憩い 梅ほころぶ知らせあり

なっちゃん先生、いかがでしょうか。





 

眺める庭から過ごす庭へ(横浜市 港南区)

栗原さんちは典型的な眺める庭、よく手入れされ落ち着いた雰囲気の日本庭園です。以前は建物部分が芝生だったそうですので、芝生と石組みと灌木と池、大正から昭和初期には最上級の「風情を旨とする庭」であり、文人や粋人旦那衆好みのいわゆる「文士の庭」というスタイル。東京だと早稲田あたりにこの手の庭が多く残っています。



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まあそれはそれとして昔のお話でありまして、現在では、眺めて粋や情緒や風情を楽しむだけだと庭の魅力は半減どころか意義を失ってしまい、手入れにだけコストがかかるという暮らしのお荷物にもなりかねず、とはいうもののはてさて、このお爺様から受け継いだ庭をどうしたものか。ここまで和風じゃないにしても、昭和までの庭づくりは「眺める」という点に主眼が置かれていましたから、世代が変わると「ちょっとねえ・・・どうしてくれましょう・・・ぜんぜん楽しくないんですけど」と現状に疑問を感じて、長いこと考えあぐねてうちに来られる方は多いのです。
ぼくの回答はとてもシンプルです。時代は変わる(ボブ・ディラン)、めぐるめぐるよ時代はめぐる(中島みゆき)、めぐるめぐる季節の中で(松山千春)重いコートは脱ぎ捨てなければ(谷村新司) というわけで、「眺める庭から過ごす庭へのパラダイムシフトを」。



Plan A

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Plan B

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庭の現状に疑問を感じた奥様にこの2つをご覧いただいたところ、目から鱗がパラパラとはがれ落ちたようで、瞳は10000ボルトに輝きました。この仕事をしていて最高にうれしい瞬間です。
では細部を具体的に、他にご要望は?こんな楽しみもありますよ、お嬢さんのお好みはどうでしょう、あ、それとご主人はどんな庭をお望みでしょうか、などなどあれこれ検討を重ねて出来上がったのがこれ。



Plan C

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左右分割します。



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左側が過ごすスペースで、右は育てて眺めて庭を感じる場所と部屋が外に広がったように感じられる、部屋と庭をつなぐ、昔で言うと縁側的な場所という3部構成になっています。
 
ではでは、大好評のビフォー・アフターを。



Before 1

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After 1 

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Before 2

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After 2 

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Before 3

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After 3
 
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Before 4

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After 4

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ついでにといいますか、新たな庭をとてもよろこんでくださった奥様から「玄関先の植え込みもいい感じにしてください」というご要望で、リニューアルした道路沿いの花壇も。



 Before 5

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After 5 

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After 6 

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道路から庭へ、そして部屋からの眺めへと移動します。



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続きまして植物を。わがチームの頼れる園芸担当須藤ちゃんが、奥様と打ち合わせながら仕上げました。



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ジューンベリー
ジューンベリー
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オリーブ
オリーブ

アオダモ
アオダモ

レモン
レモン

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プリンセスダイアナ
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プリンセスダイアナ
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イングリッド・バーグマン
イングリッド・バーグマン

 

いつものマリーンライトと LED で、夜はこうなります。



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庭の完成と同時に栗原家に家族が増えました。名前はコロ。



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最後にとても印象に残っている奥様の言葉を記しておこうと思います。

夫婦って面白いわよね。最初は恋人同士、そして結婚したら夫婦、次は同居人、その次は戦友になる。

ご主人が体調を崩され療養に入ったことが、庭をリニューアルしようと思うきっかけだったそうです。
庭ってそういうもので、よりよく生きようと、丁寧に暮らしていこうという気持ちを持った時に存在意義を発揮してくれる不思議な場所だなあって、改めて感じ入った次第です。

栗原さん、大丈夫。花咲く庭があれば人生は上々に展開することをぼくは知っています。
 
 





 


フォーカルポイント・破れ鍋に綴じ蓋の庭談義

昨年秋に忙しさの合間を縫って、女房が庭中に冬〜春の花を植えてくれました。年が明け、穏やかな陽射しが続いたので、わが家の庭はすっかり春の雰囲気になっています。
ガーデンデザイナーの夫とその仕事を取り締まる妻の意見は、こと自宅の庭に関して食い違うのでありました。




四月になれば彼女は、五月になると庭は、
輝きが最高潮に達します。


6年前の5月末。
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早朝にカーテンを開けて花いっぱいの庭を眺めながら、女房が「何か物足りない・・・フォーカルポイントが欲しいなあ」と。ぼくはまったくそうは感じず、彼女がコーディネートした花の色合いや配置にウットリするばかりでひたすら「いいなあ〜、すっごくいい感じ」と 。



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フォーカルポイントとは視線が集中する場所や物、見せ場、芯になるポイントという意味で、庭づくりでは常に押さえておきたい事柄です。



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現状に大満足しているぼくと、物足りなさを感じる女房の違いは出自にあります。彼女が生まれ育ったのは姫路の漁師町で(今は埋立てが進んですっかり工業地帯ですが)、風土としてその地域の人たちは狩猟民族的なのです。 おまけに国宝白鷺城を見上げながらの青春時代でしたから、きっと黒田官兵衛のような軍師的思考も備わったのでしょう(軍師かおり、という呼び名がふさわしいと思うことがままあります)。
片やぼくは越後の山々に囲まれたコシヒカリの田んぼの中で育ちましたから、典型的な農耕民族で、足るを知り、現状維持を重要と思い、攻めるよりも自分の内面に世界を広げてゆくという思考。なんたって郷土の武将は毘沙門天の化身、上杉謙信ですから。大河ドラマで CACKT が演りましたけど、似てるでしょどことなく、似てないですか?だめ?女房からは鼻で笑われましたが。



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現状を打開しながら道を切り拓いてゆく軍師官兵衛と、現状を味わい心の平安を目指す上杉謙信、タイプは違えどこれぞ破れ鍋に綴じ蓋で、なかなかいいい組み合わせなのではないかと。もしも女房が農耕的だったら二人でどこまでも深く沈殿してゆきそうだし、ぼくが狩猟的だったら毎日前のめりで安らぎのない暮らしになるでしょうから。



今年は今のところこんなです。

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わが家だけでなく、庭に関して多くのご夫婦の意見が食い違います。打ち合わせでそういう場面に遭遇するとどうするか、「それぞれのお考えを全部お聞かせください、ぼくがちゃんとコーディネートしますので。とは言ってもほとんど奥様の意向に沿って設計しますけど」と話し、旦那様はたいがいそこで大笑いし、ジャッジメントをぼくに委ねてくださいます。そしてぼくは奥様にわからないように2ミリだけ口角を上げ5ミリうなずく。わかってんですよね、お互いに男の役割が。


これが女房殿作のフォーカルポイント。

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春よ来い、早く来い。
 

 

狭い庭をデザインするの巻(港南区・澤田邸)

どんなに狭くても、そこに庭を出現させることは可能です。



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爽やかに晴れたある日の午後、港南台店に、イングリッド・バーグマン似のこの上なく上品な雰囲気を醸し出した奥様がご来店くださいました。小さな店内にところ狭しと貼ってある庭の写真に見入りながら、ため息まじりに「広いお庭はいいわよねえ~」と。 

ぼくはハンフリー・ボガート演じるフリップ・マーロウ張りにニヤッとして「狭くたって大丈夫ですよ。リビングからお隣との境界までどのくらいの幅がありますか?」と尋ねたところ、出幅が2mくらいで日当りも悪く、そこは狭くて何にもできないし、でもリビングからお隣の家の壁を眺めながら暮らすのがつまらないなあと、家を建ててからずっとそう思っているとのこと。我が意を得たりです。ぼくは紙を取り出して、何をどう考えてどう組み立てればそこが素晴らしい庭になるのかをお話ししながらラフプランを描きました。

話を進めるうちに、バーグマンの顔が輝いていくことがわかりました。「何だか楽しくなって来ちゃった」と話して帰宅されたその方から後日設計依頼の連絡が入り、ぼくは意気揚々と現地へ。




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ピンポーン!

出て来た奥様はご来店時よりも大きく笑っていました。笑いながら「ごめんなさい。境界まで2メートルって言ったんですけど、測ったら80センチでした」と。・・・ふたりで爆笑。リビングの外を拝見すると、確かにそこは出幅2メートルではなくて80センチです。
ぼくは店で希望に満ちた解説をし、奥様がよろこんで聴き入ってくださった、そのシーンを思い出しつつ言いました。「それでも大丈夫!どんなに狭くても、その条件下で最良の選択を積み重ねてゆけば素敵な庭は実現します」、そう言っている自分に「おいおい」と軽くツッコミを入れながら、なんだか楽しくなっている自分がいます。まず「大丈夫!お任せください」と伝えて後で悩む、これまでそんなことの繰り返しで、その度に新たなアイデアや考え方が身についてきたので、巷間言われる根拠の無い自信の根拠が内心に育っているのです。




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それにしても2メートルが80センチとは・・・。でも、そんなもんかもしれないなあって思いました。ぼくは仕事ですから、庭をひと目見てその広さをほぼ正確に把握することができます。でも一般の人たちにとって風景を数値化するなんて、まずそんな機会はありませんからね。

しかし・・・それにしても・・・それにしても・・・ああそれにしても・・・。

結果的に、もちろんそこは素敵な庭になりました。いわふち史上最狭の庭。




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お隣さんちとの80センチの庭スペース(隙間)を見つめながら、ぼくはスケッチブックを取り出して、また解説をしつつラフを。描きつつ自分の思考も行きつ戻りつ整理しながら。

最初は何だか申し訳なさそうな顔をしていた奥様の表情が、再び輝き出し、おお、バーグマンの微笑み、ニコニコしながら「ついでにカーポートと、あと和室の前も何とかなりませんかね。どこかに木も植えたいし」と、追加の注文をしてくださいました。ぼくの方こそ申し訳ないような気持ちになり「家の周囲全体を設計させてください。朝起きるのが楽しみなるような、家に帰ってくるのが楽しみになるようなご提案します」と話して帰ってきました。


そんな経緯でできあがったプランがこれ。




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そして出幅80センチの庭のビフォー&アフターです。




Before

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After

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設計しながら「庭が狭いなら部屋を庭にすればいい」とひらめき、とにかくカーテンを、気候のいい時期はサッシも開けておきたくなることと、風を感じ、植物を楽しんで暮らすようになることをイメージして組み立てました。



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完成後に担当スタッフ共々お招きいただき、庭となったリビングでティータイム。

マーロウは「またひとつ、根拠が増えた」と、出会いの時と同じくボガート張りに微笑んだのでありました。




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庭の夜風に乗って「ねえねえあんた、調子こくのはいいけどボギーはやめてちょうだい、わたしのジュリーに失礼だから」と女房の声が。こだまでしょうか、はたまた恐妻家に顕著な幻聴か。

ボギー、ボギー、あんたの時代はよかった。男がピカピカのキザでいられた(あ、お若い方には1ミリもわからないと思われますが)。 

 



 

 

庭の法則

見つめられると勢いを増す。

部屋からも道ゆく人からも見えない場所の花は、同じように手入れをしていてもなんとなく元気が出ないものです。
本来は受粉を手助けしてくれる昆虫にアピールして咲いていた花たちは、代を重ね改良を繰り返すうちに、「人間との共生」という新たな価値観を身につけたのかもしれません。進化とはそういうもので、例えば麦や稲は人の利益になるよう、必要以上の実をつけ、それを穂から散らさずに実らせるという進化を遂げました(人が改良したにしても、植物はそれを受け入れて性質を変え繁栄しているので進化と言えるでしょう)。
「見られている方がよく咲く」、もしもそうならその性質に呼応して、大いに眺め、声をかけ、手をかけて、盛大に咲いてもらいましょう。




わが家の庭は今日も花盛り。
連日の晴天でボリューム感が増しています。

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毎日こうして見つめているから
張り切って咲いてくれるのかも。

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さて、女房殿は見つめずとも年中花盛り。
お客様からよく「かおりさんていつもパワフルで素敵よねえ」
と声をかけられます。

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「旦那様がいいからなんでしょうねえ」
とは誰一人言いません。

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あの元気の秘訣はなんなのか、
いけないお薬とか使っているのではないか、
はたまた欠かすことのない赤ワインの効用か、
あるいは単に関西人とはそういうものなのか、
じっくり見つめて観察してみます。


 

開花宣言

港南台のお客様から「開花宣言」と銘打ったメールが入りました。



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うちの梅はご近所でも評判の早咲きです。気候は年によってまちまちなのに、毎年カレンダー通りに花開くことが不思議ですね。
よかったらお仕事帰りにでもお立ち寄りください。




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仕事帰りはすっかり暗い時間なので、さっそくカメラ担いでうかがい「どうぞ、きのう元町で美味しい紅茶を買ってきたから」というお言葉に甘えて、リビングから庭を眺めながらしばしのティータイム。ガーデンリフォームをやらせていただいたのは三年前で、その後の庭物語を話す奥様の笑顔に、がぜん次の設計への意欲が湧き上がったのでした。
そうこうしていたらピンポンが鳴り「もう咲いてんのお!」という歓声とともに次のお客様が、どうやら奥様は開花がうれしくてあちこちの庭仲間にメールを飛ばしたようです。わかりかますわかります、いいんだなあその感じ。




 

庭のつれづれ

寒中散歩。

歩き出しは寒い。地面はしゃりしゃりと凍っていて、カメラを持つ手がかじかむので順番にポケットに突っ込んで温め、首筋から冷気が入らないようにマフラーをぐるぐる巻きにしている。息は面白いほど白い。
ほんの10分間の早足で体内発電が始まり、まずは背中が、次いで腿のあたりがホカホカしてくる。もうマフラーは邪魔なので解いてだらりと猪木風に。この道を行けばどうなるものか。
冬の早朝散歩は全身が隅々まで目覚めるのです。晩年、よく夜中の森を明け方まで歩き回ったという、タオイスト坂村真民に倣って、時々こうして強引マイウェイ。終焉を悟った真民先生は何を思って歩いたのだろう、などと想像しながら。



暗いうちに家を出て日の出を待つ。

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山の影と朝日の境目にレンズを向ける。

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人を追い抜く速度で、

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光が森を満遍なく起こしてゆく。

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1億5000万年前のジュラ紀から変わらぬ、
太陽による朝の儀式だ。
 




 

庭のつれづれ

部屋と庭をつなぐ。

手をつなぐ、家族の強いつながり、離れていても心はつながっているなど、「つなぐ」ことで良好な関係性が生まれますよね。では部屋と庭のつながりはどうでしょう。庭が暮らしの場所に含まれておらず、外にあるどう扱っていいかわからない場所になっているお宅も多く見受けられるので、その原因を探ってみると、人と人とのつながりに通ずる事柄が見えてきます。
それは段差。サッシを開けて庭に出るときに窓枠につかまる必要があったり、「よっこらしょ」と声が出るようでは庭は遠い場所のまま。リビングからキッチンへ行くように、なんなく庭にも行けるようにすることが必要なのです。
人と人の場合は、例えば親子だったら親が身を低くして話しかける、夫婦関係なら上から目線をやめる、友人とは見栄を張ったり「あなたはいいわよねえ幸せで」とか言って上下関係をつくらないなど。自分を上げたり下げたりして相手の立場に入って行く、あるいは楽に歩ける階段みたいに歩み寄りやすい気楽な付き合い方を心がねけねば、などとつらつら思うわけですが、何でもかんでも庭と関連づけるこの思考癖も、お客様との段差を生む可能性があるのでこの辺にしときます。
そういえば、もうづいぶん長いこと女房と手をつないでいないなあ。前に試みたことがあったんですけどね、手をつなぐのはさすがに抵抗があったので腕を組もうかって。そしたら「私が介護しているみたいに見えるからやめてちょうだい!」と払いのけられました。まあそうなんでしょうけど、でもねえ、いいじゃないですかねえ。だめですかねえ、変でしょうか、つながって歩くお爺さんとお婆さん(いやはやトホホなことに、まったく無自覚ながら、孫ができたんだからまごうことなき爺さん婆さんなんですよね)。



ウッドデッキで部屋とフラットに

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ゆったりした階段

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ぬれ縁で庭に腰掛ける 

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庭を持ち上げて出やすくする 

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庭のことだま

どこまで行っても楽しくできている。

食器棚にある一枚の皿。袈裟懸けみたいに薄くヒビが入っていて力を入れたら割れてしまいそうな状態で、でも気に入っているのでよく使っています。それは二十数年前に庭をやらせていただいた小林さんちのお爺ちゃんから頂戴したもので、陶芸が趣味の方でした。ぼくが提案した庭、コンセプトは「縄文人の庭」(発想はお爺ちゃんが骨董市で見つけて惚れ込んだという、庭に置いてある曰く縄文時代の壺から)をとても気に入ってくださって、仕上げが済んだ日に「これ、よかったら使ってよ。薄っすらヒビが入っているけど色が良くてね、割るには惜しいから取ってあったんですよ」と。
その方は皿と一緒に、とても印象に残る言葉を贈ってくれました。

歳をとるのは根が切れること。

若い頃は何としても咲きたいと思っていて、咲くと今度は咲き続けたいと思って、咲き終わると不思議なもので枯れるのが楽しくて仕方なくなる。お若いあなたにはまだ想像できないと思いますがね。少々ボケたり聞こえなくなるのは嬉しいこと、根がちょうどよく切れてゆくもんだから痛くも辛くもなく立ち枯れる。面白いよねえ、どこまで行っても楽しいようにできているんだよねえ。

お爺ちゃん、今もお元気ならそろそろ百歳。ひび割れた皿を手にするたびに「ありがとうございました」と、はるか東京郊外にある縄文の庭へ向かってツイートします。



冬のアジサイ。

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