2019年02月

ガーデンリビング(藤沢市 柄沢)その4

後日、荒武さんからバーベキューのお誘いをいただき、毎度のことながら1ミリも遠慮することなくスタッフと友人たちで押しかけました。



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女性陣の隙間なく続いてゆく会話と笑い声のパワーに圧倒されて、ご主人もぼくもひたすら給仕役に。完全に女子会です。



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酔い覚ましに庭を離れて振り向くと、すっかり暗くなった住宅地に庭の明かりが浮き立っています。いいんだなあこの感じ、これが庭なんだよなあと独りごち。



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息子さんたちも当然女子会には入ってゆけず、黙々と焼きマシュマロに熱中していました。男っていうのは物静かな生物ですよね。っていうか、楽しむ時の女性のエネルギーに改めて。



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尽きることのない会話の中で、そんな男子の様子に気づいた女房から名言が飛び出しました。

女の子は磨くほどに輝くダイヤモンド、男の子は叩かれて強くなる鉄、なーのーよっ!

完全に酔っ払っています。でもなかなかいいこと言うじゃないかと手帳にメモメモ。



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夏の夜の夢みたいなパーティーは数時間続いてお開きに。女性陣は手分けしてささっと後片付けを済ませ「ああ楽しかった、またやりましょうねえ。今度は和泉さんちでやろうよ」と、最後までにぎやかです。
ぼくもいい具合に酔っ払ってタクシーに乗り込み、「ああ、最高だよこの庭」とつぶやいたのでした。

時々こうしてお客様の庭で遊ばせていただくことが、次の設計へのエナジーチャージとなっています。ですから、お客様方、バーベキューの際は是非お誘いくださいね。肉とビール持参で、調理と片付けもバッチリやりますので。


ブログで乱雑に書いてきたお庭の紹介やコラムを、
整理整頓してホームページに載せました。
お時間のある方はご覧ください。

クリック⇨⇨⇨fotter-logo
 
 


 

庭のつれづれ

東風吹かば、花粉お見舞い申し上げます。

昨日はとても暖かくて、今年初めて暖房を入れずに店のドアを開けっ放しで過ごしました。明け方にひと雨あったため花粉の飛散は少ないようで、マスク率が低く、花苗を買い求める人たちの笑顔が見えていい感じ。ざわちんメイクも魅惑的ですけど、やっぱ顔は見えた方が・・・ぼくは幸いにして何ともないから言えることでしょうけど。
横浜は春、何れにしても春。グシュグシュの皆様、こころよりお見舞い申し上げます。早いとこバラの季節になるといいですね。



梅が満開。

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梅花粉は大丈夫なんだろうか、と思って検索したら、
やはりダメみたいです。

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植物と敵対してしまう体質っていったい。
人類はどこかの時点で、
何か重大な間違いを犯してしまったのかもしれません。

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どうしたらいいのか、
腸内にサナダムシを飼えばいいのか、
何か画期的な治療法が見つかってほしい。

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花粉症の本人も大変ですけど、
女房が花粉症というのも
けっこう大変な思いをするものですから。


 
 

サイタサイタサクラガサイタ

ソメイヨシノの寿命が・・・と危惧され始めたのは記憶を辿れば30年ほど前のこと。上野のお山はどうなるのか、日本から花見の風習が失われてしまうのではないかとワイドショーなどで繰り返し話題になっていたものですが、季節は巡り、さてどうなったのかと申せば危惧は杞憂に終わったようで特に何も変化なし、今年も花の下でにぎやかな宴が行われることでしょう。関係各位の転ばぬ先の杖が功を奏したのか、植物のライフサイクルと移り気な人の興味のサイクルを鑑みればそもそも要らぬ心配だったのか。音楽やファッションと同じで園芸にも流行り廃りはあるわけで、まあそういうことと解釈するのが良かろうと思う次第です。



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そんな世の中の頃合いを見計らったようにブライテストホープ、数年前より歳時記にカワヅザクラなる新人が登場。ついこないだまで咲き続けていたジュウガツザクラからバトンを受け取り、今年もいだてん勘九郎の勢いで開花しました。


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さてさて次なる30年後にどうなるのかはもう見えてきましたよね。横浜は秋・冬・春と各種サクラが咲き続ける花の街、その長いドラマのエンディングにクローン・ソメイヨシノの花吹雪となる。うんうん、想像するとなかなかいい光景ではないか。


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おいおいお若いの、するってえと、花見の情緒は無くなっちまうのかい?なあにご隠居、心配はご無用です。人による品種改良に翻弄されてきたサクラを尻目に、淡々と季節に即して咲いてきたウメたちがおりますから。それに温暖化はますます進むし、2月の末に春を寿ぎ梅園でお花見というのが当たり前になることでしょう。奈良時代から江戸初期、花見はサクラじゃなくてウメだったそうですし。サイタサイタサクラガサイタ、貴様と俺とは同期の桜、特攻兵器「桜花」、30年経ったらサクラが持つ負の情緒を知る者はほぼいなくなりますしね。


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めぐるめぐるよ時代はめぐる、よろこび悲しみ繰り返し。美空よ、子どもたちよ、どんな時代になろうとも春の花を、お昼休みはウキウキウォッチングする人でいてくれ。

お爺は30年後、きみたちと庭での花見を楽しみにしているよ。そん時は立川梅春演じるところの志ん生を気取って、古典の名作噺「長屋の花見」を披露するからね。





官九郎&勘九郎と個性的な俳優陣、
そして大友良英の音楽、
祖父の時代とぼくが生まれ育った昭和とを
行ったり来たりするこのドラマに毎週夢中です。

 


ガーデンリビング(藤沢市 柄沢)その3

ガーデンリフォームが完成し、庭は手入れの場所から暮らしの場所へと変わりました。



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夜も存分に楽しめるように、4種類の照明器具を配置。



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徐々に暗くなってゆく様子をご覧ください。



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ライトは暗くなると自動的に点灯するようにセットしてあります。これが大事なポイントで、スイッチで入り切りにすると不思議なものでほとんど使われることなく、つまり夜の庭を楽しむことなくカーテンを閉めてしまう。自動点灯にしておけば、夕方にパッと庭が明るくなって、そのまま夜も庭がある暮らしになります。
庭は休日の昼間だけのものではなく毎晩楽しむ場所、そんなふうに捉えると、庭があるよろこびが何倍にもふくらみます。暗くなってから庭を眺めたことがない、まして庭で過ごすなんて考えたこともなかったという方は、ぜひあ試しあれ。


その4へつづく。


 

庭のつれづれ

しゃがむと広がる。

立って見下ろすのとしゃがんで見つめるのを比べると、しゃがんだ方が何倍も広く感じる不思議。きっと「しゃがむ」は「振り向く」に似て、来し方にある世界が広がるのでしょう。



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面白いもんですよね、走るよりも歩く方が広がるし、眺めるよりも近づいて触れる方が広がる。



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広さとは面積ではなく感覚なのだと、そして思考の中にいくらでも拡大できるのだと、というようなことをつらつらと。



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今設計している庭が、面積的には庭と呼べそうもないほど狭いので、そこに小宇宙的庭空間を創造しようとあれこれ想像し、あの手この手で組み立て作業中。



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実際のところ椅子をひとつかふたつ置ければそれでよし、それで庭は成立するのです。あとはその外側にある広大な宇宙をどうやって取り込むか。ノスタルジー、ファンタジー、インスピレーション、イマジネーション。椅子に腰掛け夜空を見上げる人の内面を開拓してゆけば、遠くの空から汽笛が聞こえ、やがて目の前に銀河鉄道がやってくる。



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庭を思い描きながら、なんだか小説家か音楽家みたいな作業になってきました。



 

ガーデンリビング(藤沢市 柄沢)その2

部屋と庭をスムースにつなぐために階段を選択。ポイントは部屋からの一歩目が広いことと蹴込が小さいことです。これで室内を移動するような気軽さで庭へ行けるようになりました。



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地面はエスビックの石材アナトリアで。シックな風合いに植物の影が落ちていい感じ。



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レンガとベンチの塗装も、そしてファニチャーも、奥様のお好みで落ち着いた色合いにまとまりました。



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打ち合わせ中に出たアイデアで小さな池をこしらえることに。これは水音と揺らぐ光を楽しむ癒しのインスタレーション。



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夜はこうなります。 



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奥様の「常緑樹だけで」というリクエストで、塀の外側にはレモンとオリーブ、内側にはシマトネリコ、ドラセナ、シルバープリペットを。
いつもは四季折々の雰囲気を考え常緑と落葉を組み合わせるので、なぜ常緑樹だけ?と思いたずねたら、「季節感よりも落ち着いた緑の中で過ごすことを優先したい」とのこと。そこまで庭での過ごし方をイメージされているというのは見事なことです。



レモン

レモン

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オリーブ

オリーブ

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ドラセナ

ドラセナ

コルジリネ


シルバープリペット

シルバープリペット



草花はお任せだったので、レンガと石と常緑樹の庭に似合うイメージのものをコーディネート。とても気に入ってくださって、わがチームの園芸担当はニッコニコ。あれ以来ご指名で手入れをさせていただいています。



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施工最終日、草花が植わる時の感動は毎回のお楽しみ。



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オリーブの枝が暴れていたので、ついでに剪定教室となりました。



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いくつかの法則を知ると、たいがいの木は自分で整えることができるようになるので、機会があるたびお客様に切り方をお教えしています。


その3へつづく。 








 

庭のつれづれ

チューニングの季節。

ギターの調弦をするときにはまず緩めてから張ってゆき、また微妙に緩めては張りを繰り返して音叉と同調させる。
これから始まる三寒四温で、冬に張り詰めた弦をチューニングしときましょう。 
では脱力から、というわけで、今日は設計を始める前にコーヒーとサンドイッチを買って、カメラ担いで里山を歩きます。



逗子ハイランドから下った谷戸の森で
光を集めるように咲いていた白梅。

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ピント合わせで春と同調した気分に。




 

ガーデンリビング(藤沢市 柄沢)その1

荒武さんのお宅は南リビングで、ツゲの生垣と芝生の庭でした。とてもよく手入れされていて、しっかり育った生垣によってカーテンは開けて暮らすことができます。



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手入れの様子からも、ご夫婦がとても真面目にといいますか、真摯にといいますか、暮らしを丁寧に組み立てているんだなあということが伝わってきました。

奥様からのご要望は漠然と「もっと楽しい庭にしたい」というもの。楽しい庭、楽しい庭、楽しい庭・・・いくらでも庭の楽しさは提案できます。そのたくさんの引き出しの中から「家族で過ごす外の部屋」を引っ張り出して、スケッチブックにささっと描いたら「それですそれ、そういう庭がいいんです」となりまして、このようなプランができました。



Plan A

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生垣はそのままにし、濡れ縁からの階段で部屋と庭をつなぎ、過ごすスペースはΦ3メートルの円を描いて明確にしておき、コーナーパーゴラと樹木で立体感を出しました。寝っ転がれるベンチと照明器具はいつもの通り、緑に包まれて過ごす「別荘の庭」みたいな構成です。


Plan B

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こちらは階段で出るようにし、庭のフリースペースを広くしました。生垣を一部取ってレンガ塀で囲むことでAよりも部屋感が増してます。さらに奥様からのアイデアで、水音と光の揺らめきを楽しむ池も設置。近頃ようやく認知され人気が出てきた「ガーデンリビング」です。


これをもとに検討していただき、Bをベースにして出来上がったのが次の Plan C 。 



Plan C

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こうして最初はお客様の中に漠然としていた「もっと楽しく」が、プランを重ねることで具体的になってゆく過程が、ガーデンデザイナーという仕事の大きな楽しみです。 

ではビフォーアフターを。



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道路から庭の中へ進みます。


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ガーデンリビング、アウトドアリビング、外の部屋、呼び名はいろいろなれど「庭を暮らしの場所」にするというイマジネーションの引き出しを開けることで、そこは「手入れの場所」から何倍も価値を持つ「生活空間」へと変貌するのです。

その2へつづく。 




 

庭のつれづれ『風立ちぬ』

イメージとしては浦島太郎、なのだが。

「風立ちぬ、いざ生きめやも」忘れていた言葉がよみがえった。

季節は今までの遅れを取り戻すかのように、急速に進み始めた。鳥はさえずり、周囲の緑は、病室の中までも爽やかに色づかせた。そして、そこにあるお前の匂い、呼吸、ほほ笑み、平凡な会話、後には何も残らないような毎日が、この上なく幸福であった。 堀辰雄『風立ちぬ』より

「まだだ、まだ早い、まだまだそんな年寄じみた感慨に引きずり込まれてはいけないのだ」と抵抗しつつ、この頃、年相応というべきか、はたまた堕落でしょうか、「風立ちぬ」の情景が浮かぶのです。
悪いことじゃないと思うんですけどね、それが設計に反映されるのは。若い人には30年後を見据えた道しるべ的な、同年輩の人には来し方の記憶を庭の味わいとしてブレンドするみたいな、年上の人には・・・ここで少し戸惑うのです。果たして「人生の仕上げに取り掛かる」という思考の功罪は。
脳内年齢は高校生程度のままで、ある日突然玉手箱の蓋が開いたみたいに老人となって三日ほどで消えてゆく、そんなイメージを持っていたし、持っていたいと思っているのですが。ああ、筋力の低下でテストステロンが減少傾向なのかも。
冬の間、庭の物干し台と化していたワンダーコアを再開します。そうそう、そろそろストーブも片付けなきゃ。



近所にある馴染みの梅の老木も、
咲く花は毎年若々しい。

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やっぱねえ、こりゃあテストステロンの問題ですな。減少を食い止める方法は、運動、肉食、そして恋することだそうな。





 

メロウでマーロウな夜の庭

就寝前に庭を楽しむようになってそろそろ8年が経過する。その小一時間ほどの習慣でどれだけ本に読みふけり、そしてどれだけ自分と語り合っただろうか。自分と、というのはやや的確さを欠くかもしれないが。



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静寂の闇からヤツが声をかけてきた。いつもの友の、いつもの声。

ミスターマーロウ、どうした、ずいぶんと弱気になっているようだが。

マーロウ?ふふ、いかにも。今夜はあのうだつの上がらない、タフを気取っているが中身はいささか繊細に過ぎる、哲学と孤独をこよなく愛する騎士のような気分にのしかかられて、今にも押しつぶされろそうになっている。

やっぱりね。普段より背中が丸まって、身長が50センチは縮んだように見えるよ。村上春樹訳のチャンドラーでも読んだのか。あれは大いに楽しいのだが、しばしば男のロマンという重圧をかけてくるからね、その重さに耐えられそうもない男限定だが。あ、いや、きみがそういう男だと言っているのではないのだが。で、いったいどうした、何かあったのか。

特段何も。ただ少し眠りたいだけだ。いや、少しではなくビッグ・スリープ、大いなる眠りにつきたい。ただしロング・グッドバイとならずに、再び目覚めるという神の確約付きでね。眠りが深いほど朝日を明るく感じられるものだから。

うん、なるほど、つまりお疲れだってことか。

おいおいよしてくれ、オレは疲れ知らずの私立探偵だぜ。正義と信念の男にその言葉はご法度だ、たとえ泥水に半分溶けているような夜であっても。
でもありがとう、きみ以外にぼくの身長が縮んでいることを気遣ってくれる者はいないからね。だいじょうぶ、マイフレンド、感謝しているよ。


まあ、いつもいい調子ってわけにはいかないものさ。それにそうやってへたり込んだり感傷的になるのは悪いことではない。感傷は猿を直立させた崇高なる情緒にして、感情の樹形を美しく保つために不可欠な枝だ。

やれやれ、瞬時にそういう見事な肯定的回答を導き出せるとは、きみはもしかして神に近い存在なのか。神々はいつもそうやって無責任に物事を肯定する。アッラーも、ブッダも、大きな翼を持ついかつい天使たちも。年末の夜中にミカエルって映画をやっていたんだが、まったく、ぼくのような極東の隠れキリシタンにとって、本場のクリスチャンが描く大天使は残酷で、暴力的で、冷血と言えるほど無慈悲な存在に映ってしまう。彼らの主人がそうであるとは思わないが、まあ、偉大なるグルの思想を地上に展開するために働く、至極有能な幹部連中ってところなのだろう。そんな映画だった。深夜の映画がいつもそうであるように、寝不足な脳に少し嫌なノイズがブレンドされたよ。
きみはそんなB級映画のレベルではなさそうだ。もっと上等な、なんというか、きみにはとても馴染めるから。やはり、神なのか。

神?それ以上さ。

なあるほど。ああ偉大なる友、自然、あるいは神々が住む楽園を取り仕切るガーデナーに乾杯。
いや、なんというか、今夜は疲労とは別の事柄として、だが、たまには静寂に耳を澄ませながら日常とかけ離れた場所へ行きたかったってところかな。日常の庭にいながら行ける非日常はふたつある。過去と、未来。


ふむふむ、それで?

普段は未来に行くことにしている。主に明日へと先回りして、設計が見事にはかどり、素晴らしい出会いがあり、いくつかの発見と感動があり、心には恋に似たような明かりが灯り、夜には充実感に包まれ極限まで冷たくした缶ビール片手に、至福を約束地てくれるこの庭に戻ることができるよう段取るのだ。段取るといってもただ目を閉じて、すでにそれが成されたことであるとイメージするだけだがね、概ねそれは魔法のように功を奏する。

知っているよ、きみのいつもの見慣れた庭のルーティン、好ましき者の行い。

ただしだ、魔法というものは常に奇跡的でなければならない。だからそのイニシエーションが日常的になりつつあると思った時には、もう一方の過去を選ぶというわけ。まだ魔法を魔法使いの特権だと信じて疑わなかった頃の過去をね。

過去・・・なるほど、時には悪くない選択だ。きみの過去ならなおのこと、いろいろと話題には事欠かないだろうし。

ふっ、だろ。過去はどの地点に降り立ってもそこは墓地みたいに静かで、その静寂から流れてくる音には幾らか後悔のノイズがにじんでいる。ほら、レコード針から発生するあのシャリシャリみたいに。そのシャリシャリが、すっかりデジタルの透明な喧騒に慣れてしまった現在からワープして聴くと、宝石の塵が針に触れているみたいにキラキラと鳴る。
記憶の墓地にきらめくダイアモンドダストが奏でる静寂の音、サウンド・オブ・サイレンス。






やあ暗闇くん マイ・オールド・フレンド
またきみと話をしに来たよ

なぜって ちょっとひらめいたんだ 展望みたいな何かが
寝ている間に芽吹いたその種は
でも まだ静寂の中だけど

あてもなく夢の道を ひとりで歩いて来た
冷たい石畳のひどく狭い道を
街灯の下 寒さに襟を立てて
目の前にネオンの光が飛び込んできた時
夜が切り裂かれ ぼくは風変わりな静けさに触れたんだ
Touched the sound of silence

その光の中には1万人か たぶんそれ以上の人々
みんな何かを話しているが会話はしていないようだ
みんな誰かに聴かせるわけでもない詩を書いている
そして どうかしてるよ 誰もその静寂を妨げない 

もうやめてくれ! ぼくは叫んでいた
雑踏という静けさはウィルスみたいに感染するぞ
ぼくの話を聞くんだ 本当に大事なことを教えるから
ぼくの腕をつかんでくれ ほら手を伸ばすから
だけどぼくの声は雨粒みたいに静かに落ちてゆく
そして 音のない深い井戸の中でこだましている

人々は頭を垂れている お馴染みの祈りのポーズだ
彼らが創造した都会の「ネオンの神」に
すると光のお告げが降りてくる
ネオンの神は かく語りき
預言者の言葉は地下鉄の壁や安アパートの玄関ドアに落書きされている
グレースランドは今日も営業中 と
静寂の中で ささやくように とてもさりげなく



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2月、無風、ビールと同等までよく冷えた空気。夜の庭でひとり、こんな楽しみ方もあるのです。
男はタフでなければ生きていけない。優しくなければ生きている資格はない。マーロウよ、いやさチャンドラーよ、なんと罪つくりな台詞を遺してくれたのだ。男にできるのはせいぜいタフを気取ること止まりだし、すべての男が有している生物的特性である優しさは、女が男に求める約三千ほどの諸条件のひとかけらにすぎない。しかもその順位ときたら、なんてこった、彼女に忠誠を誓って回転する犬の尻尾よりもはるかに下にある。つまり女は男の優しさよりも、安定的に供給される糧と果てしなく自由な時間と美しい庭を求めていて、包丁のような言葉と態度でその要求を突きつけてくるのだ。
・・・タフさとは、息継ぎなしでどこまで深く沈んで行けるかということなのだ、と、そう言いたかったのか。だとしたら、おお、やはりフリップ・マーロウはハードボイルドエッグ。そうか、そうなのかチャンドラー、そういうことだったのか。

そろそろ息が続かなくなってきたので犬たちが待つベッドへ行き、ビッグ・スリープ、大いなる眠りにつくことにする。今夜は娘のところのも来ているから4匹だ。4つの温もりと寝息とほのかな体臭、悪くない。とにかく眠る。明日をビッグ・スマイルで迎え、タフを気取って、またひとつ、笑顔が溢れる魔法の庭を思い描くために。





 

新築直後の庭と外構リニューアル(横浜市 港南台)

新築が完成し、外構も庭も住宅メーカーからの提案やオプションによって一応整っています。



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ご夫婦とお嬢ちゃんふたり、新居が整い家族の新たなページが始まるこの頃のトキメキは、家族全員にとって一生の宝物ですよね。
ところが奥様のトキメキは現状の外構と庭の出来栄えを上回るものでした。「あれえ、なんとなく・・・こんなんで良かったのかしら」と。で、タイミングよく開催していたうちの相談会に来られてあれこれお話をするうちに「なんとなく」の正体が見えてきて、トキメキはさらに大きくなり、では今ある庭と外構をベースにプランニングしてみましょう、という運びに。



Plan A

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Plan B

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Plan C

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これよこれ、この感じ!奥様はとてもよろこんでくださり、3つのプランをベースにして検討を重ね、このように仕上がりました。
まずは外構部分です。



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After 1

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After 2

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コンクリートだった階段を玄関ポーチのタイルと同じにし、植栽を配して前庭感を出しました。



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次は庭です。

 
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After 4
 
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砂利の通路はテラスへのアプローチガーデンに変身。



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もともとあったウッドデッキを思い切って処分し、庭スペースを持ち上げてタイル張りにしました。そこを立体的に構成して外の部屋に。リビングが庭まで広がり部屋が倍になったほど大きく感じるようになりました。



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工事完成を待ちきれないように草花や楽しい小物が配置されて、ご夫婦もお嬢ちゃんたちもニッコニコです。



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もちろん夜も楽しめます。



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新築直後の庭と外構リニューアル。縄本さんちは店の近くなので、前を通るたびに「いい仕事ができたなあ〜」と、うれしくなります。


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