2019年12月

レチタティーヴォ

おっはー!とうとう令和元年最終日の朝。なんか妙に早く目が覚めてしまい、庭にてつれづれなるままに書いています。庭の音楽夜話というか、朝話というか。

ビートルズが解散し、ジョンはヨーコに手を引かれながら聖者への道を、ポールはリンダと、そしてウィングスという仲間を集めて楽聖への道を歩み始めました。
ポール・マッカートニーとウィングス、いきなりヒットを立て続ける彼らにある者はビートルズの夢よもう一度、ある者は新たな音楽世界の開拓者と見ていた。ちなみにぼくは当時、時代錯誤も甚だしくエルヴィス・プレスリー に心酔し、レコードを買い漁り、関係書物に読み耽る日々だったので、「4人のアイドルは消えたのだ。次のビートルズはカーペンターズなのか、サイモン& ガーファンクルなのか、はたまたロッドかもしれないしディランかも、意外なところでミッシェル・ポルナレフが次代の時代的音楽になるのかも。しかしそれがどうした、誰が来ようとエルヴィス・プレスリー の足元にも及ばないじゃないか。何たってジョンが、もしも生まれ変われるならエルヴィスになりたいって言ってたからね」などと思って距離を置いていたのです。
ある日3つ年下の弟がウィングのLPを買ってきて大音量でヘビーローテーション。聞くともなしに聞いていたところ、とても引っかかってくる曲がありました。これです。





なんだなんだ、かっこいいじゃないか、なんなんだこの、まるでクラシック組曲みたいな構成は、と思いまして、弟の留守を見計っては聴きまくり、すっかり新生ポールの神聖なる世界ににめり込んで行ったのでした。そうか、そういえばジョンがエルヴィスを語った同じインタビューで、ポールは「生まれ変わるならバッハの左手になりたい」と言っていたもんなあ。やはりポールの出自はクラシック畑なんだと。後年その言葉の真意は、左利きであることにコンプレックスを持っていた少年ポールが、バッハの左右同等に、時には左手を主役としたチェンバロ曲によって救われたということから来ていると知りましたが、当時は世界のロックスターの口からJSバッハが出たことに、ただただあっと驚く為五郎でした。

あれから幾年月、これを聴くたびにかっこいいなあと思いつつも、このかっこよさっていったい・・・と思考回路の喉元に鰊の小骨が刺さったまま。それがですね、こないだぽろっと取れました。菊地成孔がジャズのヴァースについて解説していたんです。
ヴァースとは序奏部、導入部分といった意味のジャズ用語で、元を辿るとクラシックのレチタティーヴォに至るそうでして、さて、では、レチタティーヴォとは何ぞや。オペラでアリアの最初にくる語りのような、前振りみたいな、本編を簡略化したり宣言をしたりという前口上的な部分を言うそうです。そのお作法がジャズやポピュラーミュージックに引き継がれヴァースとなりました。代表的なのがこの曲です。





ううっ・・・いつ聴いても泣ける名曲。冒頭の「黄昏る私の心の草原に」から「過ぎ去りし光陰の調べ」までがレチタティーヴォ 。
これだったですよ、あの曲のかっこよさの正体は。あースッキリした。スッキリついでに調べたらポールはビートルズ時代からこの手法を使っていたんですよね。例えばこれ、If I Fell (もし君に落ちたら)。





これもそうです、Here, There And Everywhere (そこがツボなんだよ)。



 

ではこのクラシックから続くお作法は、日本に継承されてはいないのか。ありましたありました、みな様よーくご存知の曲、作詞 阿久悠、作曲 都倉俊一、ピンクレディーのウォンテッド。「私の胸の鍵を 壊して逃げて行った あいつはどこにいるのいか 盗んだ心かえせ Wanted !  Wanted ! 」これがレチタティーヴォ (ヴァース)です。

どうでしょう、スッキリしましたか? ハハハ、べつにしませんよねこんなこと。でもねえ、こういうどうでもいいことをうがつ庭タイムが楽しくて楽しくて。こればっかりは庭を思い描くことと同等に。あ、整いました。庭と掛けて音楽ととく。どちらも幸福な記憶のインデックスとなります。ねずっちにはダメ出しされそうですが、笑い事ではなく幸せな気持ちになる曲の数がその人の幸福の量なんだと思うのです。そして今日のBGMが未来のあなたの瞳を至福の涙で濡らしますように。庭もね。

おっといけねえ、写真を忘れてた。それでは年齢という追手から逃げ続けて、いつまで経ってもお爺さんにならないポールのバンド・オン・ザ・ランを再度聴きながら、昨年の冬に国技館で行われた追加公演の写真を。けっこう寒い日で、開演前に女房と食べたちゃんこがうまかったなあ。





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切りがないけど、もいう一度会いたいよ、ポール。そういえばあれ以来女房とデートしていない。振り返れば仕事仕事の令和元年でした、まる。

庭で始まり、庭で迎える大晦日。皆様、良いお年を。 


 

Revolution of Evolution

1963年3月、シングル曲のヒットですでに話題沸騰だったビートルズが初アルバム「プリーズ・プリーズ・ミー」を発売。いきなりアルバムチャートの1位となり、驚くことに30週連続でトップに君臨しました。そのお化けアルバムを首位の座から引きずり下ろしたのは、ビートルズのセカンドアルバム「ウィズ・ザ・ビートルズ」だったそうな。



今年わが家史上最高に咲いてくれたアイスバーグを眺めつつ。

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4人のアイドルが活動を行なった期間は7年半、過ぎてみれば夏の夜の夢、花火のごとき一瞬の出来事のよう。そのたった7年半で彼らは音楽界だけでなく、文化や思想にまで渡る大革命を成し世界を一変させたのですから、これは神がかり的、ミューズの差配としか思えない出来事だったのです。



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ぼくはかれこれ30年の長きに渡って連日庭を思い、思い描きしてきたわけですが未だ革命の「か」の字も始まってはいないわけで、そうこうしているうちに、おいおい、老い老い、気がつけば還暦間近となりにけり。




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え、革命を目指していたのかって。あったぼうよ、こちとら中二病の時分から将来は革命家と決めていたんだぜ。



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さてさて、いつまで経っても我が闘争に狼煙すら上がらぬ理由はどこにあるのか。自身に足らない力量やら思考やらも痛感しつつ、でもね、だったら彼らには最初からそれがあったのか。答えは否である。ではエルヴィスは、マイケルは、坂本龍馬は、チェ・ゲバラは、さらに否である。



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事を成すは革命家にあらず、神の領分。湯川れい子さんはエルヴィス・オン・ステージのライナーノーツにこうのような事を書かれていたと記憶しています。



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信心深く親孝行な青年と時代が交錯してスパークし、ある朝目が覚めたら天文学的な富と名声を持つ世界的なスターになっていたのです。それは神に指名されたとしか言えない出来事でした。



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エルヴィスは最初から(そして最後まで)スターの要素など持ち合わせているとはとても思えない、内気で、真面目で、気のやさしい青年でした。そんな彼が母親の誕生日プレゼントにと、アルバイトで貯めたお金をポケットに突っ込んで向かった先は、当時流行っていた素人歓迎の録音スタジオ。南部の貧しい地区で育った少年が通った教会ではゴスペルソングが聖歌のスタンダードスタイルだったため、自然と身についていたその癖丸出しで録音したザッツ・オールライト・ママの風変わりな歌い方を面白がった録音技師が、担当していたラジオの深夜放送(ローカルなオールナイトニッポンみたいな)で掛けたところ「なんだあのいかれた歌い方は、黒人?白人?」「カッコイイ!お願いDJ もう一度」「こういう音楽は初めてだよ、R&B とはちょっと違うみたいだね」とリクエストが殺到し、2時間の番組内で前代未聞、十数回放送する羽目に。ロックンロール大爆発の導火線に着火された瞬間でした。






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考えたら龍馬も、ゲバラも、4人のアイドルたちも、青年エルヴィス・アーロン・プレスリー と同じくただ自分らしくあった。そこに天啓が降り波乱の革命が巻き起こり、意図することないままに気がつけばその中心に置かれる運命を辿った。彼らは決してその事で幸せを掴んだわけではなく、奇跡に次ぐ奇跡と同じだけの苦労に次ぐ苦労を味わい、幾度も苦汁と煮湯を飲み込んで、さて得たものは、死後に、時が経つにつれて人々から賞賛されるという神様お得意の無慈悲なご褒美だけ。ああ神よ、と文句のひとつも言いたくなりますが、でも幸いなるかなそんな何億人にひとりに課せられる使命の指名など当方に当たるはずもなく、おかげさまで彼らよりも長生きをし大きな幸福感をプレゼントしていただいているわけです。
さて、では、ぼくが目論む庭革命はどうなるのか、このまま火の手を上げることなく人生を終えるシナリオなのか。否、否々、いだてん風に言うなら「違う!そう!」、日々思い描いてきたひとつひとつの庭によって、その家族に幸福なる革命が起こっているではないか。レヴォリューション・オブ・エヴォリューション、見慣れた庭を進化させるという革命を次々成功させているではないか。
まあ、そういう事なんですよね。今いるこの場所が、ミューズがぼくに与えたもうた有り難きニッチなのだと、さすがにこの歳になると毒気も脂っ気も抜けて、女神の粋な差配に感謝している次第なり。これが今年、ぼく自身に起こったレヴォリューション・オブ・エヴォリューションなのであります。





というわけで、来年もコツコツと小さく偉大な革命を、ひとつひとつの庭に心を込めて。



 

Bridge over Troubled Water

いけませんなあ、決して逃げてるわけじゃないんですけどね、大掃除よりも設計がしたくていつもと変わらぬ行動をしています。世の中はすでに仕事を納めて、幸福なる家庭の煤払いをし、故郷や遠方で年を越す方々はニッコニコでお出かけの準備をしているというのに。年々年の瀬のお作法がズボラになる、いや本当に、これではいけませんなあ。せめて庭の掃除くらいはきっちりと、一年の感謝を込めてと思ってる次第です。

そんなこんなの通勤途中に寒桜。



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やっぱりね、予想通り、じっくりと年またぎで咲いてくれるご様子。



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今日か明日辺りには馴染みの蝋梅が開き、



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新年の2週目にはあちらこちらに早咲きの梅の花。



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庭木は年末年始などどこ吹く風で泰然自若、明日への橋をかけ続けています。


 


と、入念なる言い訳はこれくらいにして、反省(反省猿のポーズ)、今日はきっちりと大掃除をすることにいたします。まずは庭に面したサッシのガラス磨きから。






 

家族の庭のつくり方 85

庭を書斎にする

家族や友人と集うことの楽しさもさることながら、ひとりきりで時を過ごすのが最高のお楽しみ。



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庭での読書は極上の時間。



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朝は鳥の声を聞きながら、昼はそよぐ花に包まれながら、夜は星空の下でページをめくれば、深く深く行間へと入ってゆけます。

ちなみに冬は空気はキーンとして、眠くならずにページ数が伸びてうれしいうれしい。夏なんか夜風が心地良すぎて2ページで寝落ちしてしまいますから。
実際に過ごしてみると寒さがこたえる夜って少ないですよ。昨年はたった二日、一昨年は三日でした。


本を開く前に BGM を探すのもお楽しみ。
その夜の気分で、
すっかり聴き慣れて本読み脳の邪魔にならない、
例えばこういうのを。

 




コスモス

初夏に美空が水やりをしてくれたコスモスが、粘り強くまだ咲いています。



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名前はギリシャ語の kosmos (美しい)に由来するそうで、転じて群生するコスモスの花のように美しい星空、宇宙のことも ciomos と呼ぶようになったそうな。



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百花繚乱に細菌が整っている腸内環境をフローラ(お花畑)と呼んだり、日本語には「言わぬが花」「死んで花実が咲くものか」「蝶よ花よと育てられ」など花を使う慣用句は知れず、 古来より人々の暮らしの身近に、いつも花が揺れていたことを思わせます。


花に嵐のたとえもあるさ さよならだけが人生だ
寺山修司・井伏鱒二

花も嵐も踏み越えて 行くが男の生きる道
愛染かつら 

野に咲く花のように風に吹かれて 野に咲く花のように人を爽やかにして
ダ・カーポ

この花は私です やっと綺麗に咲いたのです
阿久悠

背中で泣いてる 背中で泣いてる 唐獅子牡丹
高倉健

花じゃないでどこんなのもありましたね。

とめてれるなおっかさん 背中のイチョウが泣いている 男東大どこへゆく
橋本治

どれもこれも昭和時代に咲いた花、さて令和に咲くは何の花。

あのお庭に雑草がはびこっちゃって花を咲かせてるんですけど対策を。

え、何が咲いてます?

ドクダミ、タンポポ、ホトケノザ。

いいんじゃないですかそのままで。

いろいろと厳しい時代ですから、花も嵐も踏み越えて、案外雑草系が我が世の春と咲き誇るかも。








 

成体幹細胞

虫食いでヘロヘロだったブロッコリー が復活しました。



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ブロッコリー の後ろに植えたら日陰になったせいかひと月以上まったく成長せず、この環境では無理なのかなあと思っていたエンドウ豆も、いつの間にやらブロッコリーの背を越えて茂り収穫期を迎えています。



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アゲハを三期羽化させて葉っぱがボロボロのライムもトータルで20個ほど実り、先日最後の収穫。冷凍にして良き日の祝杯ライムサワー用に。次のお楽しみは初夏の夜風に、芳醇に香る花。



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これら植物のしぶとさは植物幹細胞の働きによるものだそうで、時々ニュースになる数千年間ほとんど干からびて眠っていた種子からハスが開花したとか、そういう奇跡的な事柄も、同じく幹細胞のおかげとのこと。



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この細胞、実は人間にも存在しているそうで、俄然興味が湧きまして、ここのところ夜の庭にて勉強中。



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1960年代に発見された成体幹細胞が、後のES細胞・IPS細胞の研究へとつながっていったらしいのですが、読んでも読んでもSTAP細胞の時みたいなンプルな理解を獲得できないままに、しかし早々に出たひとつの結論は「老いは気から」でしたので、まずはご報告を。
ざざっと、肝細胞とは傷んだり老化して消滅した細胞を補う性質を持ち、それは絶え間なく続く細胞分裂の際に一定数発生していて、つまり年齢とは無関係に体内の復旧活動を行なっている。ではなぜ老化するのか、いかにすればそのありがたい細胞を増やし減少を防げるのか、という問いに、面白いものですよねえ、多くの学者たちは非科学的とも思える「気の持ちようでしょ」と、案外簡単に結論づけているのです。
病は気からで老化も気から、元気は気の元と書き、病気は気の病と書く。生命科学とはすでに人々が導き出している経験則を論理的に解析するという、後追いの学問なのかもしれませんね。では、もうおばあちゃんから聞いてわかっていることなんだからそんな小難しい研究など必要ないかと言えばさにあらず、論理的にスパッと説明されると気合が入り問題解決、気分上々となり、運気上昇いたしますので。
これって庭も同じなんですよね。あ、我田引水ではなく。

そうそう、小保方晴子さんは今どうしているんでしょうね。世間(マスコミ及び有識者)からは嘘だったと断じられながら学術的に解明されないままになっているその真実はどうであれ、科学業界の本質は庭の設計と同じく、妄想と仮説から出発するファンタジーなのですから、その時点での不完全さをあれほど四方八方から攻撃されるって、誰が直接的に被害を被ったわけでもないのに、すっごく変だったよなあと思っているのですが(とても悲しいことに自死者も出てしまったし、本人は一時期ひどい鬱に追い込まれたそうですし)。いいじゃないですか「面白い実験だねえ!でももう少し綿密に検証しましょうね、頑張って」と、誰かがそう言えなかったのでしょうか。少なくともぼくはあなたのイマジネーションにワクワクしましたよ、ありがとう小保方さん。あの論文はあなたのほんの一部であってあなた自身とは違う、あなたがあの時に発した吐く息だったに過ぎない。のんびりと庭や自然の中に身を置いて、元気を出して、幹細胞の増殖を図りましょうよ。あなたの元に届くはずもないけど、応援していますよ。



 

O Holy Night

にぎやかな聖夜でした。



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さ、またいち日いち日丁寧に、大晦日まで。




 

メリー・クリスマス

今年も後藤さんちのクリスマスをご覧いただきながら、都合よく年末だけの敬虔なるクリスチャンとなって主の御言葉を。



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はじめに言葉ありき
言葉に神宿る




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悲しむ者は幸いなり 歓喜の時が近づいているから
心の清い人は幸いなり 天国へ行けるから



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強く叩けば神隠れ
はげしく叩けば神消える
会いたくなったら正しくノックしてね 



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あなたは値高く尊い
私はあなたを愛しています
よいですか 私はあなたなのです



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何をするときも心から行いなさい
小さなことからコツコツと



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あなたの陽気な心が人々を癒します



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愛こそがすべて
深く深く愛しなさい
誰を?
隣の人をです
深く 深く 愛しなさい



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求めなさい 与えられるから
探しなさい 見つかるから
叩きなさい 扉は開かれるから
Imagine all the people
イメージできたらできたも同然



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決して怒りを明日に持ち越してはいけない
穏やかに 穏やかに



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私を信じ 悪魔には徹底抗戦を
あないなもんに負けてどないするんや!
あ 失礼
神とて興奮すると関西弁になってまう
穏やかに 穏やかに



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このことは確と伝え置く
私はあなたが耐えられる試練しか与えない



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雨は夜更過ぎに雪へと変わるであろう
奇跡の日が近づいた




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では 新たなる任務を与える
愛し合いなさい
愛し合いなさい
愛し合いなさい



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ハレルヤ!







サンタさんたち、準備はよろしいですかな。聖なる夜が明あけた時、世界中の子どもたちがあげる歓声と笑顔で、地球がほんのりと温暖化しますように。

愛し合いましょう
愛し合いましょう
愛し合いましょう



  

A World Without Love

南アフリカの森を追い出されたひ弱な猿の一群は、止む無く未知の草原へと新天地を求めて歩き出しました。そこにはサーベルタイガーなどの巨大な猛獣が我が物顔でうろつき、足元の草むらには大蛇とサソリ、上空からはワシが狙っているという命がけの逃避行。仲間の半分を失いながら生き延び約束の地へ辿り着いた時、猿たちは後ろ足で歩くようになっていたそうな。



春は夏を思い、夏は秋を楽しみに、秋は冬に備え、
冬は春のように花いっぱいにするのがコツ。

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猿が二足歩行の猿人になった理由は諸説ありますが、ひとつは命がけで手に入れた食料を家族の元へ運ぶために前足で抱えて、後ろ足で跳ねるように進んだからであると言われています。そしてもうひとつ、天敵だらけの草原ですから、自分と仲間の安全確保のためにミーアキャットみたいに立ち上がり、背伸びをして遠くまで観察する必要があったから。



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この2つの理由によってヒトへの進化が成されたとするならば、その本質とは命がけの家族愛なんですよね。猿は家族を基本単位とし、複数の家族が集って協力し合うことで食料と安全を得る習性があり、強い猿軍団は豊かな森に居座り、弾き出された弱い者たちが、その後何十万年にも及ぶ苦難の末に人間になった。今現在は天下を取ったように振る舞っている我々は、そのルーツにあった思いを失ってはいけないなあなどと、つらつらと。逆に言えば、家族を思う気持ちを失わなければ、どのような状況にあってもヒトは人間でいられるのです。思えば絶えることなく繰り返される嫌な事件の数々は、元を辿ればこのこと、愛情の欠乏にあるわけで。



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年末は家族を思う季節。かつて十数種類いた人類、マダムルーシーたち(アウストラロピテクス)が滅び、ネアンデルタルの人々も絶滅し、地球上最後の一種となってしまったサピエンスの皆様、今更温暖化などを嘆くよりも暖かな家庭で幸福を確認し合う年の瀬を。それが唯一、造物主から見放されずにこの長い旅を続けるための、最後の手段なのですから。
家庭という言葉の半分は庭なので、大掃除の際には庭の整備も怠りなきように。花咲く年越しと、花いっぱいの新年をお迎えください。



愛なき世界

ぼくを閉じ込めてくれないかな
そして日常も太陽も遮断してほしい
ぼくが孤独と二人きりで隠れていられる場所に
気にしなくていいよ
愛のない世界では暮らせないから

鳥たちが調子っぱずれに鳴き 黒雲が月を覆い隠す
はは 平気だよ
ぼくは孤独と一緒にこの場所にいる
何と言われても気にしない
愛のない世界なんかで暮らしたくないから

そう きっとしばらく待っていれば
本当の愛が微笑みかけてくる
彼女はやってくる いつになるかはわからないけど
その時には 彼女がそうしてくれたら
ぼくだって負けを認めるさ

だからそれまで放っといてくれ
ぼくが孤独と二人きりで隠れていられるこの場所には
日常も太陽も遮断してほしい
何と言われても気にしない
愛のない世界に暮らすことなんてできないから





 とまあ、『愛なき世界』という大仰なタイトルとは裏腹に、振られかけの男がすねている可愛い歌なんですけど、作者はなんとポール・マッカートニーです。曲ができあがった時、ビートルズは揉めていて解散の危機にあったそうで、ポールは「これは今の僕らには似合わないからあげるよ」と、当時付き合っていた彼女の兄、ピーター・アッシャーにプレゼントしたんだそうな。というわけで、ピーター&ゴードンの大ヒット曲になりましたとさ、めでたしめでたし。


後にポールもこっそり演っていますが。

   


メロディーもアレンジも歌詞も、とてもポールらしい曲ですよね。
Love & Peace の提唱者はジョンで、体現者はポール・マッカートニー。 
 
 

 

ミッドナイトガーデン

年末進行に入るととにかく仕事に集中したいので早寝になります。庭での夜遊びもそこそこにして、早ければ9時、遅くても10時には熟睡状態。すると丑三つ時に目が覚めてしまう。以前ならちょっと焦ってまたすぐに寝なきゃとキッチンを行き魚肉ソーセージをかじり、無理やりビールを飲んだりしたものですが、この頃ではそういうミッドナイトの余暇が楽しみになっているのです。
目が覚めるとま溜まりに溜まっている録画番組を観ます(注意すべきは、ここで深夜にやっているB級映画を見始めたら、あの満たされない気持ちのままでオハヨンに至ってしまうが必定。ちなみに今夜は『グレムリン2』です)。美の巨人たち、NHK特集、ヘウレーカ!、ホンマでっか!、ブラタモリ、プレバト、家族に乾杯・・・どれも楽しみにしている番組ですから期待通りの世界に安らぎ、だいたい5分で意識不明に陥るためオフタイマーを使って。番組が面白くて目が冴えちゃった場合には、パソコン抱えて庭へ行きブログを。静寂の闇、星空、澄み切った空気、楽しい楽しい。小一時間ほど書いたらささっとシャワーで温まってから寝ます。これも入眠のコツで、温まった体が冷える時に熟睡に入って行きやすいとのことなので。



秋の追肥が効き、40輪も咲いているアイスバーグ。
夜中に見るとまた一段とゴージャ〜ス。

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早寝を心がけながらも何で夜中遊びでの寝不足が気にならないのかと申しますと、睡眠学&アンチエイジングの大家、根来秀行教授の本に「寝入り端の1時間半ほどが大事で、その間にメラトニンは体内修復作業のほとんどを完了する」とあったから。あとはウダウダでもウトウトでも体調的には影響ないそうです。ただししっかり起きる時間は一定に。毎朝決まった時刻に朝日を浴びることによりセロトニンが順調に分泌されるとのこと、それと呼応して夜にはメラトニンが出るそうなので。

というわけで、この辺までとして、シャワーで温まってから寝ます。


二度寝の子守唄はこれで。
マイルス、コルトレーン、ガーランド。
パートがなくて目立たないながら、
遊び疲れたふたりのやんちゃ坊主を寝かしつける、
ガーランドの、母親のようなピアノがいい感じ。
ああこの感じこの感じ、
ボクサー出身ピアニストは目立たぬように、騒がぬように、
根っから優しく大きな愛情で包み込んでくれる、
イカツイおっさんなのにマドンナみたいなピアニスト。

 

 
では、深夜族にはおやすみなさい。早出の方はいってらっしゃい。安らかな寝息を立てている人々には、今日も幸多き日となりますように。



 

昆虫学者の庭

リチウムイオン電池の開発でノーベル賞を受賞された吉野彰さん、好好爺というか、とても感じのいい方ですよね。歴代の受賞者も同じくにこやかで穏やかで、ユーモアを持っていて、そして驚くべき共通雨天として愛妻家で、研究者というのはそういうものなんだなあとつくづくと。ある意味浮世離れした世界でひとつのことに熱中すると人格が整うのか、あるいは地頭のいいインテリジェンスがそうさせるのか、などと思いながら見ていました。
お客様の中にも学者さんはいて、ニューロンを研究する脳科学者、植生研究の植物学者、ちょっと逸れますけどソクラテスを専門としていた哲学の研究者だったご主人を亡くされて、今はお孫さんらに囲まれて暮らす奥様、皆さん例外なくとにかく感じがいいのです。

秋風が木枯らしにかわる頃、昆虫学者の蟻川さんからバーベキューのお誘いがあり、スタッフとともにおじゃまいたしました。



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豪華な食材の数々と手作りの料理に、いきなり感謝感激雨霰。



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蟻川先生は、なんでも蝶の目には世の中がどう見えていて、何を感じ、何を考えて行動しているのかを探るという研究をされているとのこと。前回のバーベキューでもそうだったんですが、お会いしたらそのことをあれこれ教えて欲しくて、例えばいかにして蝶の感受性を知るのか、脳に電極を繋ぐのか、とか、物の本には足の先に味覚を感知する機関があるから、マニュキュアを塗ると産卵木にたどり着けなくなると書いてあったが本当か、とか、さらに突っ込んで、蝶の生きがいや人生観、感動の度合いは人と比較してどうなのか、とか。



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ところが庭に着くなりすでにいい具合に焼き上がっている肉に、昭和の腹減らし学童の如くに食らいついてしまい、近況やら世間話やらスポーツ&芸能界の話題で盛り上がって蝶の話はひと言も出ないまま、食べて、飲んで、ガハハと笑っての至福の時となりました。



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バーベキューって縄文的、本当にいいもんですね。こんなに楽しい時間はそうそう思いつかないのです。



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研究のことは聞きそびれたものの、いつも変わらぬ穏やかでにこやかでユーモアあふれるご夫婦の様子に、ああやっぱり学者さんなんだよなあ。



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昆虫研究というのは生理学に属するんでしょうか、いつか蟻川博士にノーベル賞をと。専門的なことはわかりませんけど、授賞式やその前後のセレモニーでは記者や来場者を笑わせつつほんわかと幸福な気持ちにしてくれること請け合いですから。



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学者、研究者という職業、なかなか魅力的な世界です。



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いやあそれにしても、なぜ学者の奥様は笑顔を絶やさないタイプの人ばかりなのでしょう。マニアックなご主人相手ですから、それなりに苦労はついて回ったと思うのですが。



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ん、もしや、ご主人側がコツを知っているのかも。蝶の気持ちを探る苦労に比べれば、女房の脳内を察知することくらいお茶の子さいさいなのかも。



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そういえば十数年前のお客様で、何の研究者だったか、毎日横浜から筑波学園都市まで片道4時間半をかて通勤されている方がいらっしゃいました。それも何年間も。思わず訊ねたんですね、「片道4時間半、往復で9時間、何をなさっているんですか」と。すると即座に「ずうっとギャグを考えてますよ、どうやったら妻を笑わせられるかと」とのこと。妙に納得したものです。奥様は脇で、呆れ顔で微笑んでおられました。



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実は息子が野田の醤油屋で麹菌の研究をしておりまして、父に似て女性に泣かされるタイプの性格なものですから、せいぜい細菌の心情を探る研究に没頭し、学者らしい幸せな暮らしを獲得して欲しいものだと思っている次第です。
あれあれ話が大幅に脇道に。あらためまして、いやあ〜バーベキューって本当〜にいものですね!



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蟻川さん、ごちそうさまでした。お土産にいただいたジャムも最高の味です。これに懲りずにまた春にでも、今度は蝶の話をじっくりと。


 
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