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 パーティションと共に庭の場面づくりで意識したいことに“フォーカルポイント”があります。Focal(焦点となる、中心的な、重要な)Point(点、地点)、場面の中心となる小物や植物や立水栓などの構造物のことです。それがその場面のテーマだったり、雰囲気を演出するポイントだったりします。部屋に例えると和室だったら床の間の掛け軸、リビングの暖炉やソファー、ダイニングなら食卓となる椅子・テーブルがそれに当たります。
 フォーカルポイントがそれを中心とした空間のイメージを支配したり、場の空気を和ませたりします。その効果を意識的に活用して、庭の各部屋の“感じ”を強めることで、庭に多面的な魅力が出せます。
 このやり方はパーティションを使わない構成の場合でも効果絶大です。例えば仕切のない芝生の庭の場合、立ち木の根元や奥の茂みに何かしら小物を置いてアクセントにしたり、芝生のまん中を小人が行進しているとか、動物が跳ねているトピアリ-なんかも場に動きというかドラマ性が出ます。

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 これまで限り無くたくさんの庭を拝見してきて思うことがあります。“庭にいくつもの場面がある”、そんな庭に出会ったときのいい気分、そこで暮らしている方の幸福なオーラに一瞬飲み込まれた感じで、夏の夕日を受けながらウインドサーフィンしているような、そんな感じになります。なぜか、たぶん場面づくりに“思い”が必要だからだと思うのです。庭への思い、自分への思い、家族への思い、その思いの強さが場面を作り上げるのです。

 今回が『庭の間取りを考える』シリーズの最終回です。1、目的ごとの広さを決める。2、導線や諸条件を考えて配置をする。3、目隠しと見晴しの具合を整える。4、仕切で場面を構成する。そして今回、フォーカルポイトで仕上げる。いかがでしたでしょうか。
 このシリーズの1でも書きましたが『庭の間取りを考える』の前に必要なのがコンセプトメイクです。“2月7日『どこから手をつけたらいいのか』”をごらん下さい。そしてここまでプランが出来上がったら次は素材選びです。“2月17日『新築外構の素材選び』”、ここでは外構工事の素材の話になっていますが、そのまま庭にも応用できます。
 さあ、家族の大切な場所、悦楽の庭暮し、リラックス&リチャージ空間・・・、ドラマティックな庭づくりを始めましょう!

 追伸、新築予定の皆様へのメッセージです。これは私の座右の銘なのですが、「イメージできたら出来たも同然」、庭に限らず、イマジネーションを発揮してすばらしい新生活を実現して下さい。

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あかんべー イメージ達人が大勢アップしています。