設計に行き詰まっている私を察してか、イメージが伝わらないもどかしさからなのか、ご主人がイメージスケッチを描いてくださいました。それは一見して柔らかい線が心地よく、画用紙からそよ風が吹いてくるような、そんな感じのものでした。まだ更地の庭が見えるダイニングでそのスケッチを挟んでご夫婦と向かいあい、庭のこと、別荘のこと、趣味の山歩きのこと、亡くなったお父様のことなどとりとめも無く話しているうちに、ご主人がイメージしているのは“ 文士の庭 ”であることに気付きました。もともとこの西落合で育ったご主人。近所には林芙美子記念館があり、また昔から早稲田大学の教授や学者さんが多く住む場所です。聞くとお父様もそういうタイプの方だったそうで、その空気の中で育ったご主人の庭への思い、イメージするものは港南台のファミリーガーデンではなかったのです。
 高速を走って港南台へ帰るその時間ももどかしいほど「早く設計したい!」という気持でした。ご主人から預かったイメージスケッチの柔らかい線とそよ風が吹く感じと、西落合らしい文士の庭を新宿区の空気感が消えないうちに表現しきってしまいたい、そんな感じで出来上がったのが次のPlan Cです。

Plan C
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 私の理屈っぽい感性のせいか、表現力が乏しいのか、ご主人のスケッチみたいに“ そよ風を感じる ”とはいかなかった気がするのですが、このプランでOK!をいただきました。後は施工時に気合いと思いを込めようと、施工部隊は東京最強の外構工事職人(元パテシエ)の遠藤さんと、湘南の凄腕ガーデナー(現サーファー)の田村さんに依頼しました。2人ともとびきり人柄と感性に優れた職人さんです。

 ついでですが、フロントヤードプランも紹介します。

Plan A
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Plan B
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 こちらはシンプルさを選択してBになりました。

 明日はビフォー・アフターです。



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