ヒーリング・ガーデン第2章『自然を感じる』の第2項“香り”です。
 一時期ヒ-リングブームの主役として盛り上がったアロマテラピーも、今では賢い生活の知恵として日常生活に定着してきました。

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栄区 亀田邸


 改めてアロマテラピーとは何なのかということを、(怪しいものも含め、いろんな人がいろんな角度から解説していますが)私なりにまとめてみます。
 一言で言うと“香りで元気だった頃の自分を呼び覚ます”ということなのです。香りは脳の記憶中枢である海馬を刺激して自律神経系に信号を出すと言われています。要するに、誰もが持っている幼い日の記憶、幸せを幸せと意識しないほど十分な幸せに包まれ、心身共に健康そのものだった頃の感じを、香りをきっかけに思い出して、疲労した今の自分を回復させるビタミン剤的効用ということです。
 元気ではつらつとしていた頃の幸福な想い出には香りも同時に記憶されています。その記憶を呼び覚ます香りが庭には溢れているのです。春を告げるジンチョウゲ、初夏のクチナシ、秋はキンモクセイ。ハーブや薬味、木材、腐葉土、土の香り、雑草取りの草いきれ、落ち葉炊き。庭は香りの宝庫なのです。それらの香りが記憶中枢を刺激して、意識の奥で開けられることなく保存されていた幸せに満ちていたときのシーンや空気感、その引き出しを開けてくれるのです。

 老人ホームでは園芸療法の技術として意識的に“香り”を組み込んだ庭づくりがなされています。これを自宅の庭でも大いに活用すべきです。
 香りで自分を刺激する、香りをきっかけに潜在能力を引き出す、これもヒーリング・ガーデンをつくるときの有効な手法です。

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都筑区 津田邸


 あなたを元気にしてくれる香りは何でしょうか。私は製材所の貯木場の香りです。小さいときに家の裏が栄和木工という大きな製材所で、その貯木場が秘密の虫採り場だったのです。そこのおがくずと木の皮の腐った匂いが忘れられません。今は、同じような匂いが昆虫ショップで味わえます。中野のむし社や高田馬場のマジックフォレスト、先日も My Son 優一朗と行ってきましたが、店内に一歩入った瞬間に「フウォ~~~、イイワ~~~」と声が出てしまいます。そして瞬時に脳みそは7歳くらいまでワープするのです。



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