CKB(クレイジーケンバンド)の横山剣さんが「東京は三代住まないと江戸っ子と自称できないなどというけど、ィ横浜は住んだ時点で浜っ子になれる街なのです。来る者にも去る者も税関やパスポートはいらない、それがィ横浜なのです」と語っていましたので、自信を持って自称ハマッコの私が、今日は中華街でいち押しのとびきりのお店をご紹介します。

 一年ほど前のある日の夕方、仕事で疲れ果て半ばトリップ状態だった私の頭にいきなりCKBの“満願全席”が流れてきまして、カオリちゃんに「今日は中華街で夕飯だ!」と宣言。すぐに店閉めて出発し20分で到着しました。時間が遅かったので閉店準備している店も多く、どこに行こうか迷う余裕も無い状態でたまたま入った店が、何と何とものっすごく美味しくて。
 過去、中華料理で一番美味しかったのは、10年前に食べた中目黒駅近くの山手通りぞいにあった『香金』です。店主はマネーの虎でお馴染みの高橋がなりで、シェフは当時浅ヤンで大暴れしていた謎の中国人“金 満福”でした。とにかく味が奇麗なのです。素材もスープも油も、おそらく最上級のものを使っていて、それを超火力と金さんの勢いとセンスで仕上げたという感じ。記憶の奥に封印されていたその時の驚きがよみがえってくるような、感動的ともいえる美味しさを、中華街の、そのたまたま入った店で味わったのです。
 その後何度か、中華街に行くたびに、もちろんその店を目指したのですが、不思議なことに見つけることができない。カオリちゃんといっしょに記憶をたどりながら、ずいぶん時間かけて探しまわったのにどうしても発見できないまま一年が過ぎたのでした。
 先日行ったときも「つぶれちゃったのかなあ???でもあんなに美味しいのにそんなはずないよねえ」なんて話しながら何となく覗いた店が“その店”だったのです。もう感激で、今度はわからなくならないように写真を撮ってきました。お店のひとに聞いたところ、一年前に店の前にある売店部分を改装したそうで、それでわからなかったのだと納得。一年ぶりの味は、やっぱり最高に美味しかったのです。
 中華街ってお店が多すぎて、しかもガイドブックの味評価が全く当てにならないときているので、初心者にはむずかしいのです。札幌のラーメン横町みたいなもんで、がっかりして帰る人も多いはず。数軒の超高級店とおこげやお粥などの単品が有名な店以外は暗中模索状態、たいがいそんな感じだと思うのです。そういう人に絶対おすすめのこの店は『天外天』、場所は関帝廟通りです。コース料理でいろんな味を試してみて下さい。出てくるものがそれぞれに高得点で、そのトータルのハーモニーが大きな大きな満足感になるのです。最後に出てくるお茶もGoo! 中華街の法則で、料理が美味しい店は必ずお茶も美味しい。駄目な店のお茶は味も香も全くしない、何ともないお湯なのです。これホント。

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 今回は田舎から久々に出てきた母親を連れての中華街でした。全員超満腹の大満足で、腹ごなしに中華街を散歩、チャイハネで東洋エキゾチズムにひたってから江戸清の中華饅を大量に買い込んで帰ってきました。

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 中華街で迷ったら、関帝廟通りの天外天です。ちなみにこのお店、我が心の師であるアントニオ猪木さん御用達のようです。



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