JAGフォーラム『江戸のガーデニング』

 時間があると神保町の古書店を巡っているという小笠原先生所蔵の江戸のボタニカル・アート、その一部をご紹介します。会場でのスライド映像を手持ちのコンパクトカメラで撮影したものなので、色が鮮明でない部分はイマジネーションのフィルターをかけながらご覧下さい。

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 江戸時代の園芸は、現在イメージするガーデニング・ブームというような短期的なことではなくて、暮らしの中に根付いた“作法”のように、ヘリテイジとして継承されてきた事柄と認識していいようです。その、生活を豊かに彩ったり季節の楽しみを演出していた園芸に次々と“収集ブーム”が起こり、その連続、積み重ねで現在の多岐に渡る園芸品種、現在私たちが楽しんでいる草花の基礎が出来上がったということなのです。
 小笠原先生解説による江戸時代に流行った植物を、樹木と草花それぞれに、その流行りの早い順から並べてみます。

 樹木/ツバキ、ボタン、ツツジ、ウメ、モミジ、サクラ、タケ、マツ
 草花/キク、シャクナゲ、ハナショウブ、セッコク(デンドロ)、オモト(珍しい葉の植物)、マツバラン、カラタチバナ(マンリョウ・センリョウ)、ハス、フクジュソウ、ケンラン(シンビジューム)、ナデシコ(カーネーション)、サクラソウ、ユリ、ユキワリソウ、アサガオ

 草花ではオモトの流行から斑入り植物などの観葉植物がもてはやされた時期があり、そこから“珍種奇木”へと移っていったそうです。

 次に、江戸時代に海外から入ってきた(勝海舟の咸臨丸などに同行した医師が外国で薬として草花の種子を持ち帰った。そういうことで入ってくることが多かったそうです)植物を並べます。

 ヒマワリ、ダリア、ウコン、オジギソウ、アマリリス、ナスタチウム、ペチュニア、ドラセナ(コルジリネ)

 春園芸の主役であるペチュニアが、江戸時代からのものだということに驚きました。

 他にも驚きや、興味津々な話の連続だった今回のフォーラムの模様は、後日JAGのホームページでアップする予定になっています。ただし、時期はかなり遅くなりそうですが。今回の以外にも今までのフォーラムをテープ起こしから整理していますので、順次ご覧いただけるようになると想います。アカデミックな話題が多くて読むのが大変かもしれませんが、こういうことに脳を使うのもいいものです。ぜひ!


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