『100年後の君たちへ』今日は何だか“青年の主張”(タモリに国民的お笑い番組などとネタにされてたけど、いつの間にか無くなってしまいましたね)みたいなタイトルです。

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 いつもの円海山散歩で、以前紹介した秘密の絶景ポイントで一息ついていたら、解体中の建造物を2つ発見しました。ひとつは家のすぐ近く、港南台環境センター(ゴミ焼却施設)の廃止に伴う煙突解体工事。もうひとつは磯子区の丘に建つ美しいフォルムの横浜プリンスホテルです。
 横浜は G-30(ゴミゼロ運動/30%削減)だけではなくて、環境のために古い焼却場の廃止もやっているのです。やると言ったらサクサクやる、こういう感じがいいんですよねえ、中田市長は。この巨大な煙突が無くなったら風景がスッキリします。楽しみな変化なのです。

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 で、もうひとつ見つけた解体工事の横浜プリンスホテルですが、少しショックです。なぜならあそこにグレースランドを出店することが密かな目標だったから。まさかこんなことになるなんて思ってもいませんでした。あの堤さんが失脚するなんて。
 堤義明氏は10代後半の私の、田中角栄、エルビス・プレスリーと並ぶあこがれの人でした。今や大悪人のような評価ですけど当時は全然違っていて、高度経済成長のヒーローとしてもてはやされ、書店には氏に関する本がワンコーナーできるほど置いてあったものです。
 なぜ堤義明だったのかと言いますと、きっかけはスキーでした。現魚沼市で生まれ育った私、冬は雪下ろしとスキー場めぐりの日々。自動車の免許を取ったら行動範囲も格段に広がって、県内に無数にあるスキー場をあちこち荒し回っていました。
 その時に感じていました。西武系のスキー場(苗場や三国スキー場)は文句無く楽しい。で、新しく出来た八海山スキー場、これも西武だということで期待いっぱいで滑りに行きました。いやあ、期待に違わずどころか「よくこんなきびしい場所につくったもんだ」とあきれてしまうほどハードなロケーションに、見事に楽しませてくれるスキー場が出現していました。楽しいと言ってもビギナーには無理。完全な上級者向けゲレンデです。ロープウェイ1本で山頂(八海山の6合目くらいの高さです)へ。あとはひたすら急斜面を滑降するというとてもシンプルなコースで、でもその急斜面が行けども行けども終わらない。何度かノンストップに挑戦しましたが、とても無理でした。時々止まって息を整えながら降りても20分以上かかります。あれほどきついゲレンデは後にも先にもあそこだけです。そのあきれるほどのきつい設定が最高にエキサイティングでした。1本滑れば大満足!そんスキー場は他にはありません。
 すっかり気に入って通った八海山スキー場で、ある日ロッジで働く地元の人からこんな話を聞きました。「堤さんがヘリコプターでこの辺飛んだときに、急に下の絶壁を指差してあそこにスキー場つくろうかって言い出したんだってさ。こんなところでスキーができるなんて思い付くとこが普通じゃねえよなあ」それを聞いていっぺんでカッコイー!と思った私でした。“誰もそんなこと考えない”というような、その時の堤さんのひらめきと言うか発想力が、多くのスキー客にものすごい興奮と満足を生み出したんだということにえらく感動して、それから堤義明氏は私のヒーローになったのでした。

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 しかし、そんな偉大なる我がヒーローも最後はあっけなく失脚。即座に横浜プリンスホテルは閉鎖が決定しました。これからあの建物どうなるのかなあと思っていたら、「あれまぁ」解体工事がスタートしていたわけです。

 横浜プリンスホテルと環境センターの煙突が消える。こうやって風景は変化し、社会は進化していくんだなあと妙にしみじみしました。
 クレイジーケンバンドのミッドナイトクルーザーという曲にこんな歌詞があります。
音符 百年たったら今あるものすべて 何もかもまぼろし 音符 しかし そんなこと考えたってかったるいだけ この夜を漂うだけ 音符
 100年後、今生きている人の99%以上はもうこの世にはいません。私もあなたも、私の子どももいません。孫とひ孫が生きている世界です。そう考えると今の自分の生活を意義あるものにして、そのバトンをしっかりと子どもに渡したい。100年後のこの場所で横浜の移ろいを感じつつ、わが子の未来に想いを馳せるであろう私の孫たちのために。いやあ、何だか急に老け込んだような話になってしまいました。
 でも、ほんとに、“100年後の子どもたちのために今何をするべきなのか”、そういう感覚も持ち合わせておきたいものです。そういえば私のじいさんは「オラが生きてるうちは役にたたんドモ、こういうこともシャバの務めなんだ」と言いながら山に杉を植えて、年に何度か鎌とナタを持って手入れに精を出していました。
 100年後の君たちへ残したいもの。私の場合けっこう単純で小さいことですけど、何がどう変わっても、この円海山にヘビや沢ガニやクワガタがいてほしい。開発に押されて今にもこわれそうなここの自然ですけど、私のことなど全く知らない私の孫のそのまた孫たちが、健康で有意義な人生を送るためのベースとして、この環境だけは残したい。少なくとも私たちの代でこれを破壊してはいけません。そう思っています。・・・こういうこともシャバの務めなんです。



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