あなたがお住いになっている街の年齢は何歳でしょうか。昨日に引き続いて街のライフサイクルについて考えてみましょう。
 100年以上前からあった街は家ごとの家族構成がまちまちで、いろんな年代の人によって街が構成されています。しかし街の歳が若いと、例えば宅地造成から25年の住宅地では、働き盛りで子供が小さい時にそこに住みはじめた街の大多数の人たちが、子供は独立して家を離れご主人はそろそろ定年で、子供たちが遊び回る姿や歓声が無い、静かで落ち着いたライフサイクルに入ります。その後何十年かかけて、若い夫婦が引っ越してきたり、子世帯が戻ってきて同居をはじめたり、そうやって世代が混ざってきて、そこまでいってようやくその街が街として安定したエイジバランスを得ることができるのです。そのバランスが整うまでは、成熟した街に必要な祭事や行事も成立しづらくて、なかなか地域コミュニケーションの厚みも出てきません。隣近所の相互扶助、地域が子供たちを育てる、大人同士が生き甲斐を与え合い増幅し合う、そういう古き良き昭和的価値を持った街は、街年齢的には50歳以上から、そんな気がします。

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 横浜港南地区にはちょうどその“静かなサイクル”に入った住宅地が多くあります。庄戸、野七里、上郷、本郷台、小山台、丸山台、舞岡・・・。造成、分譲から20年~30年、どこもいい感じに木々が育って、住んでいる人たちも熟年世代なので、庭に花を咲かせて、日だまりで野菜を作り、生け垣や芝生を手入れし、充実した日々を送っている感じが町並から伝わってきます。そういう街は、この先10年20年で、さらにワンランク上がったほんとに魅力的な街に進化するのです。

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 ですから、ここで提案なのです。これから新築を考えている若いご夫婦へ、新興住宅地で物件を探すよりも、現在静かになっている、落ちついた、年齢層の高い住宅地での新生活をイメージしてみてください。新築でも、しっかりした造りの中古住宅でもいいので、熟年層が多く住んでいて、街路樹や庭木がしっかり育っている街。健康で明るいお年寄りが大勢いる街。10年後に理想的な地域コミュニケーションが完成する街。そういう場所で子供を育て、家族で地域の行事に参加し、円熟期を迎えようとしているその街の担い手として、ご近所と親戚か家族のような感じで日々生活する。ピカピカの新しい街で子育てし、定年の頃には子供は独立して“静かモード”になった街で老後を考えて「そろそろ海辺のマンションに引っ越そうか」(それも素敵ですけど、それではお孫さんのふるさとがなくなってしまいます)というのと、自分の街、子供たちが自分のふるさとと思える街で暮らすのとどちらが豊かでしょうか。
 高度経済成長期なら別ですが、21世紀は心の時代、心豊かなことが時代的価値となる時代です。今はアメリカ的価値観からヨーロッパ的(アジア的かも)価値観への転換期なのです。時代感覚を持って先を見据えれば、これからどこに住んだら家族が幸福になりやすいのか、有利なのかということをぜひお考えください。港南台周辺のそういう住宅地は一部過疎化が始まっていて、優良な中古物件がたくさんありますので今がチャンスです。ちなみに私は庄戸のいちばん上の山際で「ウグイスがうるさくて寝てられねえよ」と文句いいながら、円海山(庄戸から散策路が延びています)にカブトとクワガタを増やしつつ、野菜とハーブを育てながら暮らしたいと妄想しています。



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