デザイン上の専門的なことなので、なかなか伝わりにくいことだとは思うのですが・・・、実は今回の設計で四苦八苦したことがありました。建物と道路の角度が違っていて、しかも高低差がある。そこまではよくあることなので何ということはないのですけど、既存の土留めブロックを活かしたいということで、入り口の位置が決められていました。その位置から玄関ポーチまでをどう構成するかでしばし唸っていたのです。どうしてもきれいに収まらなくて、角度、高低差、ウ~ン・・・、ああでもないこうでもない・・・、突然レノンが降りてきまして(2006年1月19日『レノン降臨』)「玄関ポーチをレンガで円形にしてみたら」と解決策を授けてくれました。すると、あ~ら不思議。あれこれがピタッと収まって全ての問題が解決したのです。
 ただし玄関ポーチは建築工事なので、それを契約から外してもらわなくてはなりません。その時は工事の真っ最中で工務店さんが了解してくださるかどうかも問題です。でもまあ、もしそうできればいい感じのアプローチになると思い、奥様に連絡。奥様は仕事を抜けて工務店に行って交渉、玄関ポーチを施工しないことで了解を取って来てくださいました。その時の奥様の瞬発力が無ければ実現しなかったデザインなのです。

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 玄関ポーチを建築工事から外してもらって外構で施工させていただいたことは過去何度もあります。時には玄関の中まで外構でやらせてもらうというわがままを聞き入れてもらったこともありました。今回は形状を変えたいというのが主眼でしたが、そうやってポーチも含めた外構設計をすることで素材を統一できるというのが一番のメリットです。道路からアプローチ、階段、ポーチ、そして玄関の中まで同じ素材で構成できることが、大概の場合の理想型なのです。