清水さんちの庭、全景をご覧いただきながら、昨日の大盛り上がりの忘年会の余韻と言いますか、まあ二日酔いですけど、それを振払いつつ、今年を振り返ります。

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今年を総括するようなテレビ番組で何度か出ていることに『観測史上初』というのがあります。ゴアさんの『不都合な真実』もそうですけど、地球温暖化のことがようやく一般的に意識されはじめた年だったのかなあと。当ブログでも、8月15日、『恐怖!地球温暖化のはなし』でそのことにふれました。JAG(ジャパン・ガーデンデザイナーズ協会)の第5回ガーデンフォーラムで理学博士 三上岳彦先生が解説してくださった地球の気温変化のグラフ、衝撃的だったのです。あらためてご覧ください。

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過去1000年の地球の気温変化をグラフにしたもので、どうですか、恐いでしょ。100年前から上がり始めて0.5℃上昇してしばらく停滞。最近30年で猛烈にまた上昇しています。100年前から比べると約1.5℃。しかもこの急激な上昇ラインは素人目にも異常事態ですよね。地球の何かが壊れたてしまったのです。その原因は人間以外には考えづらいことでして、つまり人類は現在、自覚がないままに自滅に向かって全力疾走しているところなのです。

私たちの子どもが年老いる前に北極の氷は無くなるであろうといわれていて、そうなったら何がどうなるのか、それまでにどういう異常気象が起こるのか、そういうことはなかなかイメージしづらいのですが、ガーデンデザイナー的に考えると幸福を維持できなくなってしまう家族が加速度的に増えていくんだろうなあということ。なぜなら、家族って多くの人の幸福の原点、何よりも大切にしたいものでありながら、とってももろいもので、それは最近の離婚率の増加や、バブル崩壊後に自殺者数が急増したことからもわかることです。たかだか経済が揺らいだだけでです。ですから異常気象や環境の悪化という、経済よりも直接肌で感じる変化が引き金になって壊れていく家族、病んでいく家族が増えていくことが心配で。
ガーデンデザイナーの仕事は(少なくとも私は)そのご家族の幸福を守り育てるための場所を創造することだと考えているので、傷んでしまった地球で幸福を維持するために有効な庭をひとつでも多く提供したい。地球環境がどう変化しようと、経済がどうなろうと、揺らぐことなく充実した日々を送れる強い家族、心身共に健康で豊かな家族、そういう人たちの幸福な時間の舞台として、子どもを育て、夫婦を育てる場所としての庭を設計のコンセプトとしています。
何かずいぶんと大きく構えた話になってしまいました。地球防衛軍の造園部隊みたいですよねこれじゃ。でもほんと、大まじめに、連日いろんなご家族とお会いして庭について話していると、家族の家族としての能力、『家族力』ということを感じて、その力の大小、カタチ、バリエーション、様々です。でも共通点は「もっと強く、もっと楽しく、もっと夢中に」つまり、家族力を高めたいというイメージを持って設計依頼されているということです。それに応えるべく日々を過ごしているので、「庭の設計イコール家族の幸福を考える」というスタイルになっているわけです。
あらためて考えると、こういう仕事って世の中では稀ですよね。自分ちの家族のことは皆さん真剣に考えますけど、四六時中よその家のことをあれこれ考えているんですから。妻も私もそしてスタッフも基本的におせっかい焼きなんですよね。そしてこの仕事が大好きなのです。
地球温暖化という現実に対して、エコについても考えなくてはいけませんけど、それ以前に、家族を守ること、強い家族に育てることに軸足を置くべきなんじゃないかと。例えばロハス。ロハスライフを実現した家族が集まれば最強の地球防衛軍になると思うのです。

もう一度、じっくりとあのグラフを観て下さい。