この庭の隣地は雑木林。多くの場合庭の隣は隣家の塀か建物がドドーンと存在するわけでして、なんともうらやましい環境です。視界に入る緑の量と快適さは比例します。見上げると音もなく飛行機雲が引かれていって「う?ん、気分いいなあ!」

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その雑木林の感じを取り込みつつ部屋っぽい構成をするために設けた塀、その塀の向こう側はご両親のガーデニングスペースです。この日も何を植えようかとお二人で相談しながら土を耕していました。イイ感じです。

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「家を建てたらその建物の容積と同等の植物を周囲に配すると人間らしい快適な暮らしが得られる」C.W.ニコルさんだったかな、そうおっしゃっていました。しかしそれは現実的には困難で、庭と外構スペースをすべて孟宗竹の竹林にでもしないかぎり無理。

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ですからそれを補う技として周囲の緑を取り込む『借景』や、盆栽に象徴されるような『縮景』(大きな風景をスケールダウンして表現する手法)ということがあるのです。昔から街場では一軒あたりの敷地が限られていた『狭い国ニッポン』。実に日本人らしい工夫なのです。
いやあ、それにしてもこの環境、うらやましい。