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さっ、では話を戻して『デザインとは』。
デザイン全般の話は広すぎて切りがなくなるので、ガーデンデザインについてあれこれやっていこうと思います。ガーデンデザイン、造園設計でもいいです。
まずは前段として、『人のイマジネーション、インスピレーションは進化していない』という話。
いろいろな庭を見ているとそう感じてしまいます。退化している気さえするのです。例えば日本で最も有名な庭、龍安寺の石庭。たしか今から800年くらい前だったと思います、あの庭がつくられたのは。作者は山水河原者と呼ばれていた流れの庭師(名前は忘れてしまいました)です。どこから見ても一石見えないとから「吾唯足知(われただ足ることを知る)」と捉えた人や、いやこの石の配置が宇宙観をあらわしているのだなど、様々な解釈がされていて、800年経った今でもその庭から受けるインスピレーションに感激している。ということは800年間あの石庭を超える表現をする庭、観る人をインスパイアする力を持った庭がつくられなかったとも言えるのです。当時の山水河原者の想像力と表現力に未だにひれ伏すしかない私たち、悲しむべきことのような気がします。
800年さかのぼらなくても、ここ数十年でも人の感覚的な部分は退化していると・・・、そう思いませんか?親の世代より私たちの方が、私たちより子どもたちの方が、あらゆる場面での感じる力や想像する力が落ちてきているように思うのです。それは何故か、私は生活が便利に、快適になったからではないかと。世の中が便利になるほど感じる力は必要なくなって、それが過ぎてあれこれと鈍感になったことが、もしかしたら連日起きる嫌な事件(昭和には考えられなかった事件も多いです)の遠因なのではないでしょうか。うがちすぎですかね。
実は、庭のある暮らしが、その鈍感になってしまった部分をリハビリするというか、人間本来のパワーを取り戻すのに最適なのです。明日はそこから。