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さあ、『ガーデンでザイン講座』を始めます。で、最初はやっぱりこれ、コンセプトメイクです。

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「またコンセプトかあ」ブログの常連さんには言われそうですけど、ホント、これが大事なんです。コンセプト、概念ですね。
家を考える時にはどこにリビングがあって子供部屋はいくつで、できれば家事室や書斎も欲しいし、と空想の世界であってもけっこう明確に、かつ理論的にイメージするものです。ところが庭となると、とたんに何も浮かんでこない。これには理由があって、日本人の庭文化があまり成熟していなかったから。家の間取りや暮し方は、例えば友人宅を訪問した際に「いいなあこういうのって」と憧れ、その空間を体感する、そういう機会が誰にでもあるもの。それに対して庭はなかなかそういう機会がなかったのではないでしょうか。

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ガーデン資材のトップメーカーであるタカショーの営業さんを、うちがつくらせていただいた庭に案内したことがあって、庭のテラスで奥様が入れて下さったダージリンと庭のナツミカンで作ったという手作りマーマレードをごちそうになりました。その営業さん「こんな経験初めてです。庭っていいですねえ、夢のような場所ですね」。庭関連の会社にいる人でもそうなんですから、一般的に『あこがれの庭』を体感する機会はほとんどないのではないかと。

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海外へ赴任された経験があるご夫婦は、そういう庭体験を山ほど味わっていますから、庭へのイマジネーションも豊富で、たいがいの場合ご要望もハッキリしています。アメリカ、ドイツ、オーストラリア、アフリカ、イギリス、スペイン、赴任先がどこでも「あのときみたいな庭のある暮らしがしたい」とおっしゃいます。ということは、多くの外国の庭文化が日本よりも格段にすばらしいということです。(ちなみに人口が8千万人のドイツのガーデン関連産業の売上高は日本の倍だそうです)
まあそれを羨んでいても仕方がないことなので、我々日本人もひと踏ん張りして『わが家の理想的な庭』の概念を組み立ててみましょう。

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いくつかの例を並べます。

◇ 畑、畑、とにかく畑。いなかの親がやっていたように、庭イコール畑で、台所から出た生ゴミをたい肥にして美味しい健康野菜を食べながロハスな暮らしをしたい。

◇ 花とハーブに埋もれて暮らしたい。時間がある限り庭に出て花の手入れをする、ターシャ・テューダーのような生活。

◇ ワンちゃんが駆け回れる庭。室内では何となく居心地が悪そうにしているワンちゃんが家族と一緒にのびのびと過ごせる庭がほしい。

◇ ガーデンパーティー。年に何度か友人を呼んで庭で過ごしたい。

◇ ナイトガーデン。仕事から帰って庭に出る生活。夜になったらカーテンを開けたくなるようなライトアップされた庭。


いかがでしょうか、あなたの庭のコンセプトは浮かびましたでしょうか。
私は仕事なのでこういったことが際限なく出て来ますけど、なかなかむずかしいかもしれません。そういうときに有効な方法として『シーンを思い浮かべる』というやりかたがありますので、明日はそれを。