のどかでエキゾな山手の散歩、どこを切り取っても絵になります。途中、空を飛び交うツバメを見上げていると、ローラースケート履いた少年がスーッとやってきて「おじさん何見てるの」と声をかけてきました。「ツバメだよ、近くに巣があるんだね」「ぼくんちにもツバメの巣があるよ」、そこからしばしツバメ談議がはじまりました。
ツバメは人と共生しています。人の近くにいることでツバメはヒナをカラスやトンビから守っていて、そのお礼に害虫を食べてくれます。ヒナは1日に50匹の虫を食べて育つそうで、ひとつの巣で6匹孵るとしてして、親鳥は1日300匹の虫を捕まえては巣に運んでいます。そして親ツバメは当然もっと食べます、1日で500匹。ということは1年で18万匹の昆虫を捕まえて食べているという計算になるわけでして、すごいでしょ、ツバメ1羽で18万匹ですよ、その分の農薬がいらないわけです。だから農家ではツバメを大切に守りながら生活してきたのです。
というような私の話を目を輝かせて興味津々で聞いた少年は、まぶしいような笑顔で「おじさん、じゃまたねー」といってスーッと走り去っていきました。

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カメラを持ってうろつく私を訝しがることもなく話しかけてきて、ツバメのうんちくに夢中で聞き入り、二コニコしながらさっそうと消えていく少年。さわやかに健やかに育っているなあ、そういう少年の姿は、おじさんを一瞬にして40年タイムスリップさせてくれます。他の場所ではなかなかそんな少年とは出合いません。傾斜地が多くて昆虫やヘビやトカゲがうようよしているという一面も持っている山手、男の子も女の子も山手らしい上品さと、こどもらしいたくましさを身につけているのです。少年よありがとう、おかげでおじさんはその日一日さわやかな気分だったよ。

撮影地の近所で以前庭をやらせていただいた石川さんからタイムリーなコメントが入りました。もうすぐ男の子が産まれるそうで、山手にまた1人ローラースケートの少年が増えます。いいなあ、山手、いくつもの幸福のスパイラルが集まってできあがっているような街です。

あすからルーティンワーク、庭の紹介を始めます。