ブログの緊急メンテナンスでしばらく開けませんでした。ようやく書き込みが可能になったので昨日の続きを。
まづはPlan A、2つのゾーンに分けて、それぞれに過ごすシーンをイメージしながら立体構成するというやり方です。ルーフバルコニ-の設計では特にこの立体構成が重要で、というのは床面と手すりという現状のままでどのようにゾーニングや植栽を施しても、なかなか心地よく過ごせる場所にはならないからです。前にも書きましたけど、人は草原ではなく森で暮らす生き物でして、木陰やほら穴に居ると落ち着く。ですから立った状態で視線が当たる塀や自分よりも背の高いパーゴラや樹木が必要で、バルコニ-の魅力である景色の良さ、見晴しの良さを満喫するためにも、一部に立体的な構成物を配することが大事なのです。
きっちりとそれを意識したPlan Aから、植栽スペースを減らす、パーゴラを無くすなどシンプルな感じに変更したPlan B、基本的な考え方は変わっていません。私の提案を丹念に検討していただいた結果の変更で、それはつまりお客さまの感性のフィルターを通したということ。前回ご覧いただいた蔵前さんちと同じで、私の考える庭からしっかりとお客さまの庭になった、そういう変更設計でした。

せっかくのバルコニーが何年も活用できていないままになっているというケースは実に多くて、月に何度かそういうご相談を受けます。マンションの規約や台風が来ても大丈夫な安全性など、クリアすべき課題もありますけど、この立体構成ということを意識してイメージすることでルーフバルコニーがすばらしい家族の場所になります。

明日はビフォー・アフターです。