庭の全景です。考えてみたらこういう庭をつくったのは久しぶりです。

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庭師を志した人が神保町に行って庭に関する書物を買いあさると、今回のような庭の仕立て方に関する大量の本と遭遇します。ということは、こういう植物が主役の和の庭が日本の庭の歴史だったのかもしれませんね。

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日本人にとっての庭は植物とともに情緒を育み、その情感を体感するための場所という一面があった。キッチリ仕立てた庭木と盆栽、石組み、打ち水、杉苔や山野草やシダ類、それを眺める縁側。昭和時代の典型的な庭の捉え方です。

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この昭和的とも言える庭の捉え方から、なぜぼくがしばらく遠ざかっていたのかというと、アンチ昭和的な庭に夢中になったからです。アンチ昭和的な庭とは、眺める庭から過ごす庭へ、物思う庭から体感する庭へ、そして庭が趣味の場所ではなくて、家族にとって欠かすことのできない生活空間、外の部屋になる、ということです。
だからといって、昔ながらの庭は興味がないとかつくらない、ということではないんですよ。たまたま夢中になると長引く性格なもので昭和的から遠ざかっていただけ。

今回は最初から昭和的な庭をつくりたくてウズウズしていました。それは奥様から受けた「そうしたいんです」というメッセージに心を奪われたからでした。そのいきさつはまた後日ということにさせていただいて、とにかく今回はいつもとは違う、昭和的な概念に立った、そこを目指してつくった庭です。

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昭和的、アンチ昭和的、という何とも昭和的な言い方をしましたが、考えたら「昭和は遠くなりにけり」になってきましたね。そのうち「まったく昭和生まれは・・・」なんて子どもや孫に言われるんでしょうね。
でもね、子どもたちよ、昭和時代はすばらしかったんだよ。今にくらべたら全員が貧乏だったけど、でもね、心は豊かだっだ。家族を大切にするのが当たり前だったし、近所のことは家族放ったらかしでも面倒をみた、そんな時代。それにね、なんたって昭和時代には、ビートルズっていう凄い4人組がいたんだぜ。

てなわけで、また明日。


 
金色の1円玉が落ちる前に、きっちりと設計したい庭が数十件と、他にもやっときたいこと、やってみたいことが山ほどあって・・・ウ~ン・・・、スピートアップも大事だなあ。ちょっとアクセル踏み込みます。
さっ、今日もはりきっていきましょう!