では、相談会でお聞きした「庭の悩み」その1です。

「リビングが2階なので、ほとんど庭に出ることがなくて、雑草取りのなめの場所みたいになっています。こんなんだったら一戸建てじゃなくてマンションに住めばよかった(無理してローンを組んでくれた主人には言えませんけど)と思ってしまいます」

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これはよくある悩みで、毎月何度かこのての話に遭遇します。
リビングと庭が離れていると、庭が生活の外に追いやられてしまうんですよね。何年経ってもまったく使われていない庭の多くが、このように2階にリビングがあったり、1階にリビングがあったとしても庭が離れた位置にあるというケースです。

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では、こういうときにどうしたらいいのかと言いますと「庭の目的をハッキリさせる。そしてそのことを強くイメージする」ということです。使われていないその場所を何に使うのかを明確にしない限り、その場所は、永久に庭としての機能を持たないままになってしまいます。

たとえリビングから離れていても、その場所にワクワクするような何かがあれば、そこはあなたの暮らしに無くてはならない素敵な庭になります。そのワクワクはあなたが思い描く理想の庭のシーンそのままでいいんです。「庭がリビングの外にあったらなあ・・・、こんなことできるんだけどなあ」と、そう思うときの「こんなこと」をしっかりと、具体的に、できるだけハッキリとイメージしてみてください。
家庭菜園、ハーブ園、ローズガーデン、キッズガーデン、バーベキューテラス、ウッドデッキ・・・。どんな庭が理想的なのか、あなたは庭で何をして過ごすことにときめくのか、それさえ明確になれば、庭がリビングと離れていることは大した問題ではなくなります。旅行先で離れのついた宿に泊まると、ゴージャスな気分になりますよね。それと同じことで、その離れた庭に魅力が生まれた時には、普通のリビングの外の庭以上に、贅沢な感じを味わえるようになるのです。

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庭の目的をハッキリさせる。そしてそのことを強くイメージする

具体的にどうこうじゃなくて、何だか精神論みたいな回答ですけど、これって本当なんですよ。強くイメージすることでマイナスがプラスに転じる。

考えたら庭ってそういう場所です。イメージしなければ、活用されることもなく荒れ果てていって負のエリアになるし、それがイメージひとつ瞬時に楽しい場所になります。イメージしだいでどこまでもいい場所になっていって、ついには「庭が生き甲斐」とか「家族の特等席」とか「元気の源」とか、そんなふうに限りなく価値が増していきます。
つまり庭は、住む人のイマジネーションの強さを現している場所とも言えるのです。

明日は「庭の周囲が建て込んでいるので、日当りが悪いし暗い感じがして・・・」というご相談です。


昨日は寒かったですねえ。そして今朝はチラチラと雪が舞っています。春の陽気が一転、冬らしい冷たい空気に、ふと「コタツに潜り込みたい」と思いました、が、わが家にはコタツがない!!!
あらためてそのことに気がつくと、コタツの良さというか、魅力というか、効用というか、頭の中がコタツでいっぱいになってしまいました。

新潟の実家では(贅沢なことに)今でも炭ゴタツです。あの暖かさは格別なんですよねえ。一番早起きの母が暗いうちに起き出して、縁の下の炭蔵から出した炭を熾すことから家族の一日が始まる。炭が燃えるときの香りってあるでしょ、バーベキューしてると漂うあの二酸化炭素っぽい香り。あれを嗅ぐと、ニコニコしながら実直に日々を繰り返している母を思い出します。
炭を熾して、玄関先の雪を片付けて、朝飯を作ってというあの淡々と反復される日常が、母には、きっとこの上なく幸せなことなんだろうなあと。そして母のその反復が、一家の軸をぶらさないための、精神的な支柱になってるんだよなあと。
いやあ、朝からしみじみしてしまいました。

淡々と、ただ淡々と。いつか孫から「ひでじいちゃんは、ちょっとボケてきたけど、朝起きて店の前を掃除することだけは忘れないんだよね。ずっと昔からそうしてるんだって」なんて言われたら、ひとつ役目を果たしたことになるのかもしれません。

っと、そんな先のことまで考えてないで、いつものように店開けて、掃除から始めます!そして今日も設計設計!