道路側3方向から見てみましょう。

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写真の取り方のせいではなく、建物よりも庭の方が印象的ですよね。そういうものなのです。このことは、その昔、大手住宅メーカーのモデルハウスをコーディネートする会社で働いていたときに気づきました。

住宅展示場に建ち並ぶ各メーカーは、モデルハウスの外回りをどのようにすれば自社の建物が引き立つかを考え抜いています。その仕立て方いかんで集客数、契約者数が大きく変わるからです。

建物を引き立て、新居での素敵な暮らしのイマジネーションを高めるそのノウハウを、実際の住宅にも応用できるはずなんですけどねえ・・・。そこが世の中のうまくいかないところでして、展示場では売らんがために必死で考えることでも、販売した家の外構は建物にくらべると打ち合わせや設計に手間がかかる割に、売り上げ金額も少なく利幅も小さいために、出入りの外構施工業者に丸投げするというケースがほとんど。住宅メーカーから、熱心な設計の外構や庭の提案は(たぶん)望めません。残念なことです。

と、日本の住宅事情を嘆いていてもしかたないので、ぼくはぼくのできる限り、住む人たちの思いが込もった建物に、ちゃんとした外回りを提案し続けます。


某社で全国トップの成績を出したことがある、女性営業マンの言葉です。

建物はもうどこでも同じよ。どのメーカーの建物も、安全で便利で快適な暮らしができるように考え尽くされているから。頑丈で快適な箱。
あとは、その家でどう暮らすかの提案が私たちの仕事なの。男の子たち(他の営業マン)は耐震性や気密性のことを一生懸命説明してるけど、私はそれは省略する。そんなことお客様はあまり興味持ってないんだから。
お客様が聞きたいのは「この家だとどれほど幸せになれるか」ということ。それだけよ。

それでね、いわふちくん。目眩がするくらい幸せに暮らす生活提案のためには
、そういう思いが込もった外構や庭が必要なのよ。だから、私のお客様には思いっきり幸せな提案をしてね。
付き合いのある業者はいっぱいいるけど、これはあなたしかできないと思っているから。


そう言われてから、もう20年が経ちました。
「これはあなたしかできないと思っているから」が効きました。おだてられたらひょいひょい木に登るたちなので、その日から、お客様が幸せに暮らすための提案に夢中になりました。20年・・・ぼくはまだ木に登ったままです。
「あなたしかできない」、大きなひとことだったなあ。