日中の撮影が済んで、夜景の撮影までしばし近所の散歩を楽しみました。住宅地を歩くのは楽しい!時間が空くといつも歩き回っています。「路地を歩いてタバコ屋の角を曲がると、もうそれが旅」てな感じのコマーシャルがありましたよね、永六輔さんの。それと、テレビッ子のぼくが過去50年間でいちばん好きなコマーシャル、エドウィンの「歩くと足が疲れます。でも、心が疲れるよりはいい」というの。バックにはジョン・デンバーの「太陽を背に受けて」が流れていました。そんな感じで、歩き回って、辺りが薄暗くなった頃に滝沢さんちに戻ると、その夕方の庭がまたいい感じで、慌ててカメラをセットして撮りました。

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家々に明りが灯り始めるこの時間帯って、いいんだなあ。
一日遊びまくって、お腹を空かせて家に帰り着いたときのような、何とも言えない懐かしい情感がよみがえってきます。

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静かな庭で、やや感傷的な気分で、パシャっと。

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この日、滝沢さんちはお留守で、ぼく一人で撮影していました。
一人の撮影は、物思う時間。パシャっと押しては暫し黙考、パシャッと押してはまた黙考です。好きなんですよこういう撮影。

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と、そこに、子どもたちが帰って来ました。いっぱいの笑顔で、歓声を上げながら庭に走り込んできて、庭に放たれた子犬のようにグルグルと駆け回るのです。
天使が舞い降りてきた、そんな瞬間でした。

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静寂の庭で情緒の海をゆったりと泳いでるような気分だったのが、天使降臨で、一瞬にして楽しさいっぱいの庭になりました。

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この庭の主役の登場で、庭自身も大喜びしているような気がするほど、楽しい楽しい。これこそぼくがこの庭を設計していたときのシーンでした。

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やっぱりそうです。ぼくのイメージする庭は、人がいて完成。笑顔があって仕上がるのです。


今朝はいい天気で、出勤途中の庭々はイキイキと輝いて見えました。もうバラが咲き始めていて、さあ、これから梅雨までが庭が最も美しくなる時期です。

春のオープンガーデンを予定している方々は、秋からそれに向けて丹精して来た庭の仕上げに入ります。ドラマのクライマックスが近いことを感じるようなトキメキ。北海道の恵庭市、長野の小布施、神戸、そして横浜。オープンガーデンが盛んな地域は、この時期、街中がそんなトキメキに包まれます。

庭って、ほんとにいいもんですね。