理想は、理想はですよ、「どこまでがリビングでどこからが庭なのかわからない」という状態。庭も暮らしの場所なんです、なんてあえて言うことじたい、残念なのです。 
日本だけですよきっと、キッチリと箱(家)の中だけを生活空間だと認識して、その箱の気密性や防音に腐心し、莫大なコストをかけて、みんなでそこにこもって暮らしている。まるで核シェルターに居るようです。でも、窓の外は放射能に汚染されてはいないし、庭スペースも、その上にある空間も、あなたにそこを自由にする権利が与えられているのですし、空は、光は、空気は、大金持ちにも給料が低い人にも平等に与えられ続けている無限の恩恵なんですから。何も家族みんなで箱にこもって暮らさなくても、と思うんですけどねえ。
日本も、昭和時代まではそうじゃなかった。夏は室内を風が通り抜けて扇風機もいらないほど涼しい家で、縁側があって、台所と庭(畑)を行き来するのが主婦の基本導線で。ね、そうでしたよね。

だから、考えたら、当たり前だと思っている高機密・高断熱で耐震性に優れた「頑丈な箱」、ちょっとそっち方向に行き過ぎたんじゃないでしょうかねえ。
ちなみに我が家では、網戸を取っ払って、ほぼ一日中サッシを開けっ放しで暮らしていますので、室内を各種昆虫が飛び交っていて、まるで昭和時代のようです。これもまあ困ったもんですけど、それ以上に、江ノ島灯台の方向から吹き込んでくる風が気持ちよくて。だから、基本開けっ放し。

では、今日は室内からの眺めをご覧いただきましょう。

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仲野さんちのサッシは折れ戸です(さすが!)。だからサッシを全開できるのです。
さらに、テラスの高さがフローリングとほぼフラットですから、

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リビングの一部に屋根のない場所がある、という感じに仕上がっています。折れ戸の効果は抜群なのです。
新築のお客様にお聞きしたところ、引き違いのサッシを折れ戸に変更すると20万円くらい追加になるのだそうです。で、断念されたと。20万かあ・・・ボクなら折れ戸を選択します。そしてその外の庭はグレースランドに依頼します。

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理想は、「どこまでがリビングでどこからが庭なのかわからない」という状態。

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頑丈な箱の一部をくり抜いて、脱出口を確保して、暮らしを外に広げ、外を暮らしに引き込む。開けっ放しで。いいなあそういうの。
ハエたたきと、何て言いましたっけ、料理にかぶせる蚊帳みたいなカバー、ああいうのがある暮らし。 豊かです。