今回の設計の一番の狙いは、庭に出やすくし、居心地をよくして、庭で過ごしていただくことでした。

DSC_0351

リビングにいるのと同じ感覚で庭に出て過ごすという「外の部屋のある暮らし」を楽しんでいただきたいという願いを持っての設計。

広々した庭スペースの一部をそのようにできたら、きっと小池さんご一家の新居でも暮らしは何倍も楽しいものになるという、ぼくのトキメキを含んだ予感と、そのことに一緒になってワクワクしてくださったご夫婦の感性によってできあがった庭です。

DSC_0340

庭での過ごすスペースを決めて、そこをリビングの床面近くまで持ち上げて、部屋のカーテンを明けっ放しにできることと、庭での居心地をよくするための構成をして、庭とリビングを近づけて溶けさせる感じ。

最も大きなポイントは、庭を持ち上げて床面に近づけたことです。
庭に出るのに「さあてと」とか「よっこらしょ」と言わなくていいということが、どれだけ暮らしの幅を広げてくれることか。このことを、ぜひあなたの家に当てはめてイメージしてみてください。

DSC_0341

庭を暮らしの場所にするという、たったそれだけのことで、もしかしたらあなたとご家族の人生が大きく変化するかもしれませんよ。いや、大げさじゃなくて、暮らしが庭に広がることの効用が計り知れないほど大きなものだということを、ぼくは仕事を通して日々実感しているのです。 

明日は小池さんちの最終日。新築するときに外構や庭といった外のことを、どう考えたらいいのかを書きます。



新潟の実家で夏休みを過ごしている高校生の息子は、毎朝5時に起きておばあちゃんと畑の雑草取りをして、日中はひたすらボーッとして、夕方になると川にヤマメを釣りに出かけるという毎日だそうです。「本人は喜んでいるみたいだけど、こんなんで楽しいのかねえ。横浜にいたらもっといろんなとこに遊びに行けるだろうに・・・」という母からの電話に「そのボーッとする時間が、今は必要なんだよ。オレもそうだっただろ、毎日ボーッとしてた」と。すると母から「お前のボーッとはこんなもんじゃなかった。何を言っても聞こえてないし、この先どうなることかと思ってたよ」と言われてしまいました。

ぼくはボーッとしながら、頭の中は妄想でいっぱいだったのです。あっちの世界をさまようというか、仮想世界で元気に駆け回っている時間が、周囲からは「ボーッとしている」と言われる。そのときの妄想癖がいろんな意味で今の暮らしの土台になっているわけでしから、だから今の息子にとって、新潟のゆったりと流れる時間、ひたすらボーッとできる環境が最良なのだという気がしています。

「中高生にはボーッとできる環境も必要なんだよ」と妻もそういう考えなもんですから、わが家の子供たちは見事にボーッとしています。まあ、いいんじゃないかなあそれで。

大人はボーッとしてられないので、さっ、今日も張り切って仕事しますよ!