今日は広島「原爆の日」です。

夏は祈りの季節ですよね。入道雲と、セミの声と、戦争によって無理矢理消に絶たれてしまった命のことを思う時間と。それが夏。
年齢を重ねるほどに、戦争のことが、自分の中で重大になっていくのを感じています。

数年前、横浜に遊びにきた父が、ぼくと妻と子供たちと一緒に出かけたレストランでの食事中に言いました。
「俺は戦争は絶対に反対だ。戦争がどれだけセツナイかをいっぱい見てきたから」
ぼくら夫婦の話題が9.11か北朝鮮のことか、「戦争」という言葉が出たとたんでした。普段無口で、数年に一度しか台詞をはかない父が、とても穏やかにしかしキッパリと言ったその言葉が、そのときの食事のシーンとセットで鮮明に残っています。
父は昭和8年生まれ、「はだしのゲン」とほぼ同じ戦争体験がある年齢です。

ぼくが生きているうちに、息子たちにしなければならないことのひとつが、広島の原爆資料館に連れて行くことです。彼らの年齢を考えると、そろそろかなあと思っています。 


広島 14万人
長崎 7万4千人
東京大空襲 8万4千人

太平洋戦争 戦闘員 174万人  民間人 39万3千人 


あなたの子供が、連れ合いが、親が、あなたが、213万3千回も、ひどい殺され方をしたって考えると、ね。そして同時に考えるべきことは、日本兵もまた数限りない敵国の兵士、民間人の命を奪ったということ。

ぼくも息子たちに、穏やかに、キッパリと言います。
「戦争は絶対に反対だ」
ぼくのその言葉は、父がぼくらに言ったときのようなチカラを持っているだろうか。
もしチカラが足りなかったら、何度も何度も繰り返して言います。必ず、しっかりと、伝えなければならないことですからね。

祈りと・・・誓いと・・・感謝と・・・。