では、各エリアの解説です。今日は芝生広場。

もともと芝生がありました。よく手入れされて、元気に育っていました。しかしあまりそこで過ごすことはなかったそうです。つまりこれまでの数年間、「芝生の手入れと眺めを楽しんでいた」ということです。
そういう楽しみ方もありなんですよね。芝生のコンディションを整えながら自らのコンディションを確認するという暮し。芝生というのはとても正直にその管理者の状態を反映する、鏡のような植物なのです。
芝生の手入れを日課にしている、あるご主人の名言。

芝生の状態がぼくの状態なんです。

この言葉を思い出すたび、そのご主人の日焼けしたビッグスマイルと、ため息が出るほど美しく手入れされた芝生がセットで思い浮かかびます。

ぼくはそういう芝生との付き合い方にあこがれつつ、もう一方で「雑草だらけでもいいから、そこで子どもが駆け回ったり、ワンチャンがほじくり返したり、家族でバーベキューやティータイムを楽しむ」という「過ごす芝生」にも強く惹かれていて、今回も芝生エリアがそういう役割を果たすようになったらいいなと考えました。

「眺める芝生」を「過ごす芝生」に変えるために、「居心地」をよくする要素を付け加えました。

背景の生け垣の下枝がなくなって、目隠し効果が弱まっていたため、それを抜いて木製のパネルを設置。

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これによってお隣さんとの目隠しをかねた仕切りがハッキリして、場に広さと、「ここが芝生広場なんだ」というエリア感が生まれました。
そして木陰に椅子・テーブルを置けば、

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ご覧の通り、これで「眺める芝生」が「過ごす芝生」に変身です。
 
眺めるだけの芝生のために、何年も、膨大な時間と労力をかけて手入れをしている、そういう庭を目にするたびに「美しい・・・」とため息をつきつつ、一方で「もったいないなあ」と思ってしまうのです。あと少し、もうひと工夫すれば・・・と。
「芝生の庭」は平面的に地面に芝生を張るだけではなくて、立体的に構成して、適度な目隠しや居心地の良さを同時に考えることで、家族みんなで心地よい時間を楽しめる、「過ごす芝生」になります。それができれば、芝生の魅力は倍増するのです。




連休最終日です。気持ちのいい天気だなあ。さっ、今日はどんな出会いがあるのか楽しみ楽しみ。
ぼくは夕方まで、港南台店で、ニヤニヤと設計しながら(どうも最近、設計しながらニヤついているらしいです)、皆様のお越しをお待ちしております。