緊急連絡です。ジョン・レノン ミュージアムが今月いっぱいで閉館になるそうです。
残すは明日と明後日の二日間ですので、「行ってみたいけど、まあそのうち」とか考えていた人は、仕事を休むなりさぼるなりして、行ってください。

というわけで、今日は、妻と一緒にミュージアムに行ったときの記事を転記します。 


WAR IS OVER! IF YOU WANT IT.

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ジョン・レノン・ミュージアム、良かったです。何度かジーンとさせられました。期待と全く違うかたちで衝撃を受けました。

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日本だけじゃなく世界中の40代~60代の人全員が、一度は行ってみるべきです。そしてジョンのことを子供たちに伝え、ヨーコのことを連れ合いと話すべきです。いやホントに。

ミュージアム内は撮影禁止だったので、買ってきたおみやげで雰囲気を感じてください。

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ミュージアム中央のある場所に、小さく、ほんとに小さくYESと刻んであります。

 

心を開いて

「イエス」って言ってごらん

Yes is the answer

すべてを肯定してみると

答えが みつかるもんだよ

 

Strawberry Fields Rock & Roll The Beatles Love & Peace Imagine New York City House-Husband ・・・ 1980.12.8 

 

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そして最後の部屋に入ると、入り口正面にこう書かれていました。

 

ぼくが これまで どうやってきたかは

おしえられる けど

きみが これから どうするかは

自分で考えなきゃ

 

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その最後の部屋の出口には

 

 

ずっと昔 わたしは

 

「けっしてやまない風がある」と言ったけど

気がつかなかったわ その風があなただったとは

Yoko
 

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出発前ははしゃいでいた妻も、展示を見終わってショップに入る時は無言でした。2人とも今使うべき言葉が見つからないし、へたにしゃべると視界がにじんできてしまう、それほど気持がピュアになっていて、お互いに相手もそうであることがわかりました。結婚以来、これほど2人の気持が同じ位置に立っていた瞬間は数えるほどしかありません。そんな貴重な時間をプレゼントしてくれたジョンとヨーコに感謝です。 


イマジンにはこんな思い出もあります。妻が私の仕事を手伝ってくれる前にやっていた編集の仕事(法律書や教科書の編集をしていました)で、高校の倫理の教科書の最初のページにイマジンを載せたのです。ミュージアムにはイマジンを使っている教科書が何冊も展示してあって、それを見た妻が「私が最初だったのに、みんな真似しちゃってさ」とやや悔しそうでした。これがそのページです。

 

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グラフィックは当時私の設計を手伝ってくれていた、美大出の小張君がやってくれました。ホント、当時としては冒険的な試みで、文部省の検定が通ったときにはみんなで大喜びでした。

 

イマジン、たぶんこの曲の存在で何万人もの人の命が救われたのだと思います。戦争は繰り返されてきましたが、もしこの曲がこの世に無かったら、もっと悲惨な状況であったことは確実です。そして、そのこととは別に、この曲によってイメージするということが世界中の人々に、重要な行為として肯定的に認識された。少なくても日本ではイマジン以前は空想することは遊びや道楽や妄想、幻想といった認識というかろくでもないことという感じでした。
かくいう私も空想癖のある、どう扱っていいかわからないこまった少年だったのです。それが今や、イマジネーションの豊かさこそが時代的価値、豊かなイマジネーションなくして仕事も家庭も成立しないとさえいえる、そんな時代になっています。早いんですよねえジョンは。ようやく時代がジョンに追い付いてきたところ、そんな気がします。

イマジン、この曲に出会わなければ、私は今でも新潟で土木工事をやっていたでしょう。たぶん一生そうしていたに違いありません。それがイマジン以前の私と私の周りの世間の価値観だったからです。私は真面目なのでそれから外れることなく生きていたはずです。それを、この曲が、私の中の厄介な癖を肯定してくれた。そこから自分の人生がスタートした、そんな感じです。
自己肯定観、それを得た時から自分の足で歩きはじめる。思春期のお子さんをお持ちの方、扱いづらいでしょうけど、まずは肯定してあげることですよ。そういえばさっき紹介した倫理の教科書の柱になっているのがこの自己肯定観でした。それを高校生に持ってもらいたい。イマジンの数ページ後に出てくる大文字のメッセージがこれです。

 

あなたは値高く貴い

私はあなたを愛している

 

ほんとはこのことは教科書ではなくて親から子供に伝えるべきことです。が、ついつい否定ばかりしてしまうもの。ここはひとつ、あなたの内面にジョンを呼び込んで、全てを肯定する思考に変えてみましょうよ。もちろん私もです。

 

最後にもう一度、ミュージアムのパンフレットにあったジョンの言葉を。

 

心を開いて

「イエス」って言ってごらん

Yes is the answer

すべてを肯定してみると

答えが みつかるもんだよ

 

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ミュージアムの閉館に寄せた、ヨーコさんからのメッセージです。



ジョン・レノン・ミュージアムを愛してくださったみなさまへ

 

ジョン・レノンは世界中をめぐる運命を持っていました。彼の魂は動くことによって継続していたのです。動かないと死んでしまう。ジョンの精神が宿るミュージアムも動かないとミュージアムではなく、お墓になってしまう。ジョンにはお墓はないのです。彼が息を引き取ったとき、私は「ジョンの葬儀は行いません」と世界に向けて言いました。それは、ジョンの魂が永遠に生き続けることを知っていたからです。

ジョンの魂は、10年を節目にしてここからも離れて行きます--次の旅を見つめながら… 。まず、5年と思っていたのがみなさんのミュージアムへの愛によって10年になったのです。

このジョン・レノン・ミュージアムを愛してくださったみなさん、深く感謝しています。あなたがた一人ひとりの中にジョンのスピリットが受け継がれ、そのみなさんのスピリットが世界の平和が実現していくための愛の力になることを信じています。みなさん、ありがとう!

愛をこめて… 

オノ・ヨーコ 


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明日と明後日、あと二日です。