庭全体をご覧いただきましたので、今日から各ゾーンをじっくりと解説していきます。

ダイニングルームの前をウッドデッキにつながる縁側にしました。

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室内はリビングとダイニングが続き部屋になっていますので、こうして外もつなぐことで回遊できるようになります。リビングとダイニングが庭でもつながっているカタチ。この設定が、庭をものすごく近い存在にするのです。

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リビングからもダイニングからも部屋にいる感覚で、スッと屋根のない場所に行けること、そして外の廊下でつながっていること。これで庭が暮しの場所になります。

それに加えて、縁側自体の楽しみもあります。

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庭で草花を手入れして、縁側に腰掛けてひと休み、とか、座布団持ち出して庭を眺めながらお茶をいただくとか、縁側はウッドデッキとはまた違う趣があります。
近所のお友達が玄関からではなく縁側から声をかけてきて、まずはそこに腰掛けてお茶飲み話が始まるなんていう、田舎みたいな光景もいいです。
日だまりの縁側。家の一部であり、庭の一部であり、内と外をつなぐ場所であり、家族と客人が過ごす場所であり、庭を感じる特等席であり。
日本人なら縁側でしょう!みたいな、ね、いいですよね。


 
縁側からやってきた人たち・・・。幼少期、新潟の実家で、縁側からわが家にやってきた人たちの多くが、もうこの世にはいません。
押切座頭という盲目の老人、傷痍軍人の高松さん、桶屋のケンジさん、岩戸屋(屋号)さんのおばちゃん、みんなあっちへ行ってしまいましたが、ぼくの記憶の中では、縁側の風景とセットで今も元気に笑っています。声も方言もそのままに、ぼくを励ましに来てくれます。
縁側は、ぼくにとって、「永遠」なのです。

子供たちはすでにでかくなってしまいました。縁側のある暮しをさせてあげられないままに子育てほぼ終了。それが少々悔やまれます。
いつか孫ができたら、おじいちゃんが「永遠の縁側」をプレゼントしようと思っています。