今日は天野さんちに植えた樹木です。

もともと多くの木々があって、それを極力残しながらの設計でしたので、今回植え足したのは2本だけです。

ブルーエンジェル
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庭の入り口、テラスに上がる階段の脇に植えたブルーエンジェルは、「ここから庭が始まりますよ」ということをい柔らかく意識させる、神社の鳥居のような意味合いがあります。
同時に、テラス側から見ると、「この木までの空間が過ごす場所ですよ」と感じさせます。

こういう使い方を「結界」世界を結ぶという言い方をします。場所を区分けしつつその分けた世界を結ぶ。仕切り、パーテーションではなく「結界」。いい言葉ですね。


もう一本はミモザです。これは奥様のリクエストで植えました。

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位置はふたつのテラスを通り抜けた庭の突き当たりです。
これもまた「結界」。天野さんちとお隣さんの庭を別けつつ結ぶのです。

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この木が盛大に茂って、黄色い噴水のように花が咲いたら、お隣さんも春爛漫を楽しんでくれるんじゃないかなあ。

世界を別けつつ結ぶ「結界」という概念は、日本人的な、とても豊かな言い方なのです。




ヨーロッパには、この別けて結ぶという概念はありません。城壁の文化なんですね。簡単には乗り越えられない高い壁や槍を並べたようなデザインのフェンスで居場所を囲います。他者、他部族、異文化への拒否の姿勢を崩すことなく、城壁の中での平和を維持するという暮しかたです。

陸続きの国境を持たない、島国である日本では「和をもって尊しとなす」です。極東にある小さな島の島民が、みんなで仲良く暮らしていきましょうというのがスタンダード。
共存共栄、持ちつ持たれつ、笑顔で挨拶をかわしながらそういう気持で生きていける「日本」という、世界的にみたら特殊な環境の国に生まれてきたことって、考えたらものすごくラッキーな気がします。季節はあるし、自然は豊かだし、水はきれいだし。

そろそろ平野部でも紅葉が盛りですね。そうそう、「紅葉狩り」という言葉もまた、とても日本人らしい。
木々が色づいた、グッとくる風景を求めて、狩りをするように山野に出かけていく「風景狩り」っていう概念、いいなあ。