「ここからの眺めが気に入っているの。ここにしゃがんで、奥の方を眺めると、ね、すごくいい感じでしょ」 

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奥様に促されてぼくもしゃがんでみました。そしてパシャッと撮影。

いいないいな。通路にしゃがんだ態勢からの「お気に入りの風景」を見つけ出して下さった奥様に、ありがたい気持でいっぱいになりました。通路にしゃがんで見る風景ですよ。何にでもときめく心、好奇心、そういうものがない限り、探し出せない、出会うことがない景色なのです。そして、そこまでこの新たな庭を楽しんでくださっていることに、心から感謝です。

それにしても、テラスの外周の園路を、「お気に入りの風景」として感じる奥様の感覚。素敵です。


庭を仕立て直す前は、この場所は奥様の悩みの種でした。ここでの雑草取りがエンドレスで、すぐに1〜2時間を費やしてしまって、そのわりにきれいになった感じがしないということでした。
その「こまった雑木林」が、一転して「お気に入りの場所」になった。考えたら不思議なことですよね。マジックです。 

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悩み事を解決するというのは、マイナス要素を無くしてプラスマイナスゼロの状態にするということです。ぼくとしてはそこに留まらず、マイナスを一気にプラスに変えることができないだろうかということを、常に考えて設計しているのですが、そのマジックを成功させるために欠かせないタネが、その庭で過ごす人の心の中の「プラス域」の存在です。「プラス域」とは幸福感。楽しさやトキメキや感動です。お客様にそれが無い限り、ぼくのマジックは全く効き目がないのです。

大成功!奥様の「プラス域」はぼくの予想を超える広がりを持っていました。



もっと楽しく、もっと感動的に、もっともっと幸せにという方向へのイマジネーションを持って暮らすとうこと、その「プラス域」をシーンとして思い浮かべる能力を、人は誰でも持っているものです。
心が疲れていると、それができなくなってきます。その状態が長く続くと、やがて心身を病んでしまうこともあります。
「自分は、今日の暮しの中にトキメキを感じているだろうか」ということを問うてみて、即座にいくつものトキメキを並べられるような、そんな毎日を送りたいものです。
もしそういうことが思い浮かばないようだったら、思い切って、タップリと休養してみてはいかがでしょうか。調子が出ない日々を送るより、絶好調ないち日を得る方が、きっと感動に出会えたり、幸せを感じられるものだと思います。

ぼくは、考えたら、毎日トキメキを探しながら生きてるようなものです。睡眠も食事も、その日に着る洋服選びも。次に巡り会うトキメキを期待しながら、自分のコンディションをそこに向けて整えていきます。

ぼくもあなたも、トキメイてなんぼ、感動してなんぼです。自分の中の「プラス域」を見失わないようにしましょうね。