間が空いてしまいましたが川村さんちの続きです。

「園芸コーナーで花を選ぶときに、女性は売り場に入ったとたんに笑顔になるのに対して、男性はなぜしかめっ面になるのか」
その答えは「女性は感覚的で男性は論理的だから」でした。そしてその前提として「花は生活必需品ではなく幸せの象徴」ということがあり、女性は花がある暮らしの幸福感にすぐにどっぷりと浸るのに対して、男性は現実的に、論理的に、花を吟味し、育て方を確認し、それに必要な道具や肥料まで落ち度なく買いそろえようとする。女性が望む幸福感を実現するための戦略を練っているのでしかめっ面になる。
花を選ぶときに限らず、生活全般において奥様はニコニコ、旦那様は仏頂面というパターンを見かけますし、実のところ我が家もその傾向があります。
妻は基本的に笑顔でおしゃべりな人です。ぼく的にはそれが度を超していと感じることしばしばで、その反動もあって、ぼくは要所要所で寡黙になってじっくりと考えるようになります。眉間にしわ寄せて。
笑顔としかめっ面、このギャップをどう埋めればいいのか。
ぼくの答えは「そのままでいい」です。
男は男らしく、女は女らしく、ギャップはふたりに与えられた試練なのです。

時々ご主人の理屈に巻き込まれて輝きを失っている奥様がいらっしゃいます。逆に、奥様の感覚的な思考に同調して精彩を欠いているご主人もいます。
いけません、女性はあくまでも理屈抜きじゃなきゃ。
そして男性は、ぼくが男なので少々きつく言ってしまえば、しっかりと理論に従って暮らしを構築し続けなければ、結果的には女性を幸せにはできない気がします。女房の爆発くらいで理論構築の任務を投げ出してはいけません。
夫婦はもめてあたりまえ!たまに小競り合いするくらいお互いに元気でいたいものです。
ただ、その試練を乗り越えるために、身につけておきたいことがあります。「思いやり」です。
女性の皆様、男性が理屈をこねてしかめっ面していたら、それはあなたのことを思いやっているんだと理解してください。理屈っぽいしかめっ面に向かって、ニコッと笑って「あなたのそういうところが頼もしいのよねえ」と言っていただけると、男としては眉間を緩める逃げ道ができるのです。それが思いやりってもんです。わかっているんですから、鏡を見て、気難しくなっている自分の顔。
男性のみなさんは、できるだけ会話が理屈に走りすぎないように心がけましょう。
理屈は大事、ものごとの組み立てや実現のしかたは女性には難しいことなので、我々男の役回りです。
でもその理屈は頭の中だけにとどめて、あまり言葉にはしないのが思いやりです。
相手は仕事関係の人ではなく、最愛の妻なんですから。
妻に「幸せに至る理論」を説いて理解させることよりも、妻がいつも笑顔でいてくれることの方が百倍重要なことです。
だから家では理屈は封印して、無口なしかめっ面で過ごしましょう。
奥様はそのしかめっ面に「頼もしいわあ」と言ってあげてくださいね。

さあすっかり春になりました。もうすぐ桜が咲きます。夫婦でホームセンターや園芸店に行って、奥様はニッコニコで、ご主人は思いっきりしかめっ面で、花を買いましょう!