庭の効用っていろいろとあります。
なぜ庭にいると、庭で集うと、室内とは別世界のいい感じを味わえるのかと考えると、最大の要素はそこが屋外だということです(あたりまえか)。
壁も屋根もない、テレビもエアコンもない場所。空気が流れていて、その空気の流れは果てしなくつながっていきます。あなたの故郷まで、その流れは連動しています。もっと広く、地球上の大気の流れとつながっています。いうならば、庭にいるあなたは広大な自然の中に居る状態です(いいぞいいぞ、話がでかくなってきた。こういうときはいいことが書けます)。

自分の家、自分の縄張りで自然とつながれる、地球の一部にいることを感じられる場所、それが庭なのです。



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ガーデンリフォームが終わったばかりのお宅のご主人のお話しです。
都心のオフィスビルに一日中こもりっきりで仕事して、外に出るのは終電間近の時間帯というその方が、休日に居心地がよくなった庭に居て、「夕暮れ時の、グッと気持がセンチメンタルになる感じを久しぶりに味わいました」とおっしゃっていました。



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これです!庭の大きな魅力なんです、夕暮れから夜に移行する時間。
この時間帯の情感を、新潟弁で「ホトホトッとする」と言います。



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人はなぜ夕方になるとホトホトッとするのか。きっと子どものころの記憶なんでしょうね。
友だちと空き地や神社の境内で三角ベースや缶蹴りをやっていて、だんだん暗くなってきて、まだまだ遊んでいたいけど腹は減るし暗くなってくるしで「じゃあまたね」と解散して家路につく。あちこちの台所からカレーや揚げ物の匂いがして、足はだんだん速くなって、ついには走り出し、息せき切って家に駆け込む「ただいまー!はらへったー!」。
夕暮れ時に、その大きな幸福感に包まれていた幼少期の記憶の引き出しが引っ張り出され、郷愁を誘ってホトホトッとするんですよね。



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自然を感じる、地球の一部にいるということを感じる場所が庭。
特に夕方から夜へ時間帯は、情感をくすぐられます。


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明日は夕暮れ時の、ぼくの密かな楽しみを告白します。