今日から新シリーズ、よくコメントを入れてくださるじゅんさんのお宅の庭です。

これがビフォーです。


ビフォー5

ビフォー9


芝生も生け垣もよく手入れされていて、ここに椅子とテーブルを置けばそれで OK! という印象でした。実際この庭を舞台にして、いろんな楽しいシーンが展開されていたそうです。
ぼくは庭を一目見て「このままでもいいんじゃないですか?」と、たしかそう言ったおぼえがあります。そう言いながら、奥様(じゅんさん)を見ると、ものすごくワクワクした表情で、このままの庭では済まなそうなうれしい予感。奥様の新たな庭への期待感、ワクワク感が伝わってきて、内心「これは思いっきり楽しい仕事ができそうだ」と、うれしくなりました。

普段、庭が荒れてしまった、芝生の手入れが大変で、あまり楽しめていなくて、などを課題とした設計がほとんどです。
そういうマイナス要素をプラマイゼロに戻すのが一般的な外構・造園業者の設計で、ぼくはそれを一気にプラス要素に変える、お客様がこれまで考えたことがなかったプラスの世界をカタチづくる、そういう設計をします。マイナスをプラスにする設計です。
でも今回のように、スタートがプラス世界、十分に楽しんでいる庭、特にこれといったマイナス要素が見当たらない庭の場合は、もう「どこまでプラス方向に伸びることができるか」という仕事ですから、いつもとはまた違ったファイトがわきました。

「いいんですか、もっと楽しくしちゃって。いいんですね、思いっきりやっちゃいますけど」という言葉を、何度も音量ゼロで発しつつ、奥様との打ち合わせが進みました。そしてでき上がったプランがこれ!


 Plan A
荒武邸A-1


Plan B
荒武邸B-1


A はぼくの提案が強い庭で、B は奥様がイメージしていた世界をまとめた庭です。

その後、当然 B をもとにして打ち合わせが進みました。ぼくも B の方がいいと思いましたし、設計する前からそうなるだろうなあと。
だったら最初からB だけにすればいいようなものなのですが、ここがぼくのめんどくさいところで、ふたつ並べて違いを確認しておきたかったのです。で、ボツ確実の A も添え、ぼくひとりではイメージできなかったであろう「じゅんさんの世界」を、ちゃんと自分の設計として消化することができました。
まず自分を確認してからでないと違う世界を自分のものにできない、ほんと、我ながらめんどくさい性格です。

Plan B をもとにして検討を重ねて、できあがった Plan C を明日ご覧いただきます。






桜が咲き出しちゃいましたねえ。
例年この時期は仕事が加速度的に積み上がっていきます。今年も同じくです。
みなさん楽しみに待っていてくださって、桜も咲いたし、どれもこれも早くプランを仕上げたいものばかりですが、忙しいからといって、ひとつひとつ念入りにイメージするスタイルを崩せるはずもなく、いつものやり方のままで、集中力を高めつつ作業時間を延長してやり続けています。
お待ちのみなさんの首が伸び切らないうちに、プランをご覧いただけるようがんばってますので、もうしばらくのご辛抱をお願いします。
さっ、がんばろ!