だんだん暗くなってきて、庭の灯りが最も効果的に輝く時間帯になりました。
5分前でも5分後でもこういうふうに撮れない、夜景撮影のゴールデンタイムです。
5分前でも5分後でもこういうふうに撮れない、夜景撮影のゴールデンタイムです。
せっせと三脚を移動しながら「きたきた!」と、ひとり興奮状態に入ります。
この時間帯、この「夜の庭」を画像データとして定着させておきたいと夢中でシャッターを切りながら、その気持の裏側には別のこと、歯痒さのような感情があります。「写真じゃ限界がある」。
土門拳でも篠山紀信でも、現実のその場所を作品に詰め込むことはできません。天才の彼らがやることは、現実の空間にある何かをクローズアップしたりデフォルメしたりしながら、ファインダーのむこうの世界にある、あるいはそこに隠されたエッセンスを表現することです。それが現実以上に現実を伝えることになる。
現実は表現者の手によって、より現実的に加工されるのです。
もしぼくの写真技術にそれほどの力量があったら、それによって「夜の庭」の魅力を現実以上に表現するでしょうが、残念ながらできません。土門拳にはほど遠いのです。
でも、写真による表現を諦めているわけではないんですよ。同じ性能を持った撮影機械を持っているんですから(土門の頃のライカよりも、現在の一眼レフカメラの方が、描写力や表現方法の多彩さ、絞りとシャッタースピードの幅など、どの点でも機械的には高性能です)、土門にできてぼくにできないとすればそれは知識と感性と情熱の問題ですからね。土門にできることはぼくにもできる(その可能性はある)のです。どこまでもそれは追求する姿勢は崩しません。
土門拳でも篠山紀信でも、現実のその場所を作品に詰め込むことはできません。天才の彼らがやることは、現実の空間にある何かをクローズアップしたりデフォルメしたりしながら、ファインダーのむこうの世界にある、あるいはそこに隠されたエッセンスを表現することです。それが現実以上に現実を伝えることになる。
現実は表現者の手によって、より現実的に加工されるのです。
もしぼくの写真技術にそれほどの力量があったら、それによって「夜の庭」の魅力を現実以上に表現するでしょうが、残念ながらできません。土門拳にはほど遠いのです。
でも、写真による表現を諦めているわけではないんですよ。同じ性能を持った撮影機械を持っているんですから(土門の頃のライカよりも、現在の一眼レフカメラの方が、描写力や表現方法の多彩さ、絞りとシャッタースピードの幅など、どの点でも機械的には高性能です)、土門にできてぼくにできないとすればそれは知識と感性と情熱の問題ですからね。土門にできることはぼくにもできる(その可能性はある)のです。どこまでもそれは追求する姿勢は崩しません。
ただ、現状のぼくにはそこまで高度な写真表現は無理ですから、あとはこれをごらんのあなたの想像力に頼るのみです。
写真では伝わらない、夜の庭の空気、音、香りなどまで含めて皆様にお伝えしたいです。どうかそれをイメージしながらご覧ください。
つらつらとこんなことを思うほど、夜の庭は、ほんとに、極上の空間です。
写真では伝わらない、夜の庭の空気、音、香りなどまで含めて皆様にお伝えしたいです。どうかそれをイメージしながらご覧ください。
つらつらとこんなことを思うほど、夜の庭は、ほんとに、極上の空間です。
庭の打ち合わせをしていて、「夜は庭に出ないから照明器具は必要ありません」と、キッパリそう言われることがあります。
夜の庭の魅力を話そうと意気込んでいても、あまりにハッキリとそういう決意表明をされてしまうと、気の小さいぼくはそこで話題を変えてしまいます。で、それっきり、そのお宅の庭に照明器具が取り付けられることはなくなってしまいます。
庭の魅力、庭の楽しみは夜以外にも無限にありますので、庭に照明器具がなくてもまったく問題ありません。夜を除いた庭の存在が、その方の至福の場所であればそれでいいのですから。
でも、何度か、もっと強気で夜の庭を提案するべきだったのではないかと、そう思ったことがあります。ライトは必要ないと言われたとしても、それでも食い下がって「夜の庭を一度でいいので体感してください。それでもやっぱり必要ないと感じるなら、照明は取り外しますので」と。
この思いは「夜の庭」だけではありません。
庭は眺める場所であると、かたくなにそう思っている人たち、自分ちの庭に出て楽しむなんて考えたことがないという人たちへの、ぼくの押しの弱さを悔やむこともしばしばです。
「蚊が多いから庭には出ない」
「冬は寒いから庭には出ない」
「日焼けするから庭には出ない」
「虫が嫌いだから庭には出ない」
「植物を育てるのが苦手だから庭には出ない」
「道路から丸見えだから庭には出ない」
「 仕事が忙しいから庭には出ない」
「子育てが大変だから庭には出ない」
「 一人暮らしだから庭には出ない」
「親の介護しているから庭には出ない」
「子供が大きくなったから庭には出ない」
「夫が単身赴任中だから庭には出ない」
「近所迷惑だから庭には出ない」
ついには、
「庭が嫌いだから庭には出ない」
「お隣さんが私の悪口を言っているから庭には出ない」
「私はあなたの言うことを理解したくないから庭には出ない」
「生きているのが辛いから庭には出ない」
と。
これらはぼくが実際に聞いた「庭に出ない理由」です。
最後の4つは、きっとぼくにはどうすることもできないことでしょう。でもその他の理由は、ぼくがもっと熱心に、上手に食い下がることができていたら、その人は庭に出て楽しむということを手に入れられたかもしれませんし、もしかしたらそのことで、人生が大きく好転したかもしれません。なのにぼくは「人それぞれだからなあ」という気持になってしまい、おすすめするのは一度きりでやめてしまいます。
人それぞれ、人によって庭に対する認識や価値観の違いがあるからこそ、ぼくは庭のすばらしさを語り続けているわけですから、もっと強く、もっと熱く、もっと勇気を持って、ぼくが考える庭の魅力をメッセージし続けなければいけないんでしょうね。だから、庭のことを伝えるための撮影技術や、言葉や、表現力を高めていく必要があると、それも早急に(200歳まで生きられるわけではないので)、そう思っています。
毎日毎日このブログを書き続けているのも、実はそんな思いからなのです。
明日は栗原さんちの最終日です。栗原さんご一家から学んだことを書きとめておこうと思います。
今朝は気温が下がってとても楽です。
さっ、暑さもあってスピードダウンしていた設計の速度を、今日からまた目一杯まで上げます。
プランをお待ちの皆様、頑張ってますので、ご辛抱くださいね。
夜の庭の魅力を話そうと意気込んでいても、あまりにハッキリとそういう決意表明をされてしまうと、気の小さいぼくはそこで話題を変えてしまいます。で、それっきり、そのお宅の庭に照明器具が取り付けられることはなくなってしまいます。
庭の魅力、庭の楽しみは夜以外にも無限にありますので、庭に照明器具がなくてもまったく問題ありません。夜を除いた庭の存在が、その方の至福の場所であればそれでいいのですから。
でも、何度か、もっと強気で夜の庭を提案するべきだったのではないかと、そう思ったことがあります。ライトは必要ないと言われたとしても、それでも食い下がって「夜の庭を一度でいいので体感してください。それでもやっぱり必要ないと感じるなら、照明は取り外しますので」と。
この思いは「夜の庭」だけではありません。
庭は眺める場所であると、かたくなにそう思っている人たち、自分ちの庭に出て楽しむなんて考えたことがないという人たちへの、ぼくの押しの弱さを悔やむこともしばしばです。
「蚊が多いから庭には出ない」
「冬は寒いから庭には出ない」
「日焼けするから庭には出ない」
「虫が嫌いだから庭には出ない」
「植物を育てるのが苦手だから庭には出ない」
「道路から丸見えだから庭には出ない」
「 仕事が忙しいから庭には出ない」
「子育てが大変だから庭には出ない」
「 一人暮らしだから庭には出ない」
「親の介護しているから庭には出ない」
「子供が大きくなったから庭には出ない」
「夫が単身赴任中だから庭には出ない」
「近所迷惑だから庭には出ない」
ついには、
「庭が嫌いだから庭には出ない」
「お隣さんが私の悪口を言っているから庭には出ない」
「私はあなたの言うことを理解したくないから庭には出ない」
「生きているのが辛いから庭には出ない」
と。
これらはぼくが実際に聞いた「庭に出ない理由」です。
最後の4つは、きっとぼくにはどうすることもできないことでしょう。でもその他の理由は、ぼくがもっと熱心に、上手に食い下がることができていたら、その人は庭に出て楽しむということを手に入れられたかもしれませんし、もしかしたらそのことで、人生が大きく好転したかもしれません。なのにぼくは「人それぞれだからなあ」という気持になってしまい、おすすめするのは一度きりでやめてしまいます。
人それぞれ、人によって庭に対する認識や価値観の違いがあるからこそ、ぼくは庭のすばらしさを語り続けているわけですから、もっと強く、もっと熱く、もっと勇気を持って、ぼくが考える庭の魅力をメッセージし続けなければいけないんでしょうね。だから、庭のことを伝えるための撮影技術や、言葉や、表現力を高めていく必要があると、それも早急に(200歳まで生きられるわけではないので)、そう思っています。
毎日毎日このブログを書き続けているのも、実はそんな思いからなのです。
明日は栗原さんちの最終日です。栗原さんご一家から学んだことを書きとめておこうと思います。
今朝は気温が下がってとても楽です。
さっ、暑さもあってスピードダウンしていた設計の速度を、今日からまた目一杯まで上げます。
プランをお待ちの皆様、頑張ってますので、ご辛抱くださいね。