リビングの外に庭スペースがある場合に、リビングと庭とをどうやって繋ぐか、一体化させるかが重要です。それを意識しないと、家族が集うリビングルームの外に、暮らしの場所から排除された、名ばかりの庭の一丁上がりになります。そしてその庭は、やがて暮らしの中で厄介な場所になってしまう可能性が大なのです。
それほどこのことは大事なことでありながら、なかなかそこに意識が行かない。
ぜひ一度、あなた庭に当てはめてイメージしてみてください。

部屋と庭を繋ぐとは、ふたつの意味があります。
ひとつは部屋から庭へ、庭から部屋への移動がしやすいということで、もうひとつは、部屋から見える庭が部屋と一体化しているということです。
もっと噛み砕いて言えば、部屋と庭との段差を解消すことと、部屋からの庭風景をいち枚の絵にすること

このふたつのうち、窓を絵の額縁と捉えてそのに風景を描いていくことは、わりと皆さん無意識にやっていることです。
木を植えて、花を咲かせて、風景としての庭を楽しむ、さらに庭に出たくなるような、その風景の中に居たくなるような窓からの景色にうっとりとすることがよくあります。
問題はもうひとつのこと、部屋と庭の段差の解消です。

庭に出るときに段差が大きくて、
出られることは出られるけど、サッシの縁につかまって「よっこらしょ」と声が出るようでは、庭は遠い存在になってしまいます。室内の部屋の行き来と同じく、特に意識しなくても庭に行ける、子どもだったら室内を駆け回って遊んでいて、そのままの勢いで庭に駆けていけるような仕立て、部屋と庭の繋がり方を実現してください。そこから、今まで味わったことがないような「庭のある暮らし」が始まります。

具体的には、例えばウッドデッキや濡れ縁。部屋と庭のレベルが同じですから庭と部屋は繋がります。
もうひとつは階段。部屋か踏み出す最初の段が広いことが大事です。寸法で言うと50センチ以上、理想的には100センチです。
足元を気にせずにスッと外に立てることが、庭に出ることの抵抗感を無くしてくれます。そして、地面まで降りてゆくときの段の高さは1段が18センチ以内であること。実際に上り下りしていると、段差が20センチになるとやや大きい感じがします。

このふたつの方法が一般的ですが、もうひとつ、ちょっと思い切った方法があります。
それが今日ご覧いただく「庭を持ち上げる」というやり方です。



Before 
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After
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庭に「過ごす場所」を設定して、そこを持ち上げて部屋に近づける。
このビフォーとアフターの変化を感じていただけると思います。庭が部屋と繋がって、暮らしの場所に仲間入りできました。これが、部屋と庭を繋ぐということなのです。



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このときに注意しなければいけないのは、床下の通気の確保です。あと、設備舛があったら蓋も持ち上げておくこと。



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工事としては大掛かりになりますが、それにかかるコスト以上の楽しさを手に入れることが出来ます。



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部屋つながりで、外にもうひとつの部屋がある。



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ちょっと庭に出てみてください。部屋と庭との繋かり方をチェックしてください。

段差を無くすこと。暮らしが幸せ方向へと、大きく前進する変化です。

これって、人間関係も同じです。




考えたらすごく単純なことで、関係性を良くしたい相手との段差を無くせばいいんですよね。
そう考えると、ツイッターやフェイスブックって革命的なことです。携帯持ち歩くだけで、段差の無いフィールドに立てる、コミュニケーションの幅が爆発的に広くなるわけですから。
・・・どうすっかなあ・・・やってみようかなあ。何となく、パンドラの箱的な怖さもあるんですけど。・・・薬物に手を出してしまうような。

「危ぶむなかれ、行けばわかるさ」と猪木さんも言ってることだし、そのフィールドに立ってみましょうかねえ。

だれか、ぼくの段差を解消してください(設定のしかたを教えてください)。