新カテゴリ「庭をつくる人」。前項では「地球がもし100㎝の球だったら」という本をもとにして、直径1万2756kmの地球を、1mの球に縮めて捉えてみました。

地球がもし1mの球だったら、・・・空気の厚さは1㎜で、海の深さは平均すると0.3
㎜で、極点の氷を除いた真水は小さじ一杯分。

あなたはどう感じたでしょうか。

ぼくは「ありがたい」という言葉の意味を、あらためて考えました。

「ありがたい」は「有り難い」。
「有り得ないほどの有り難さ」を「ありがたい」と言う。

地球を両手で抱えられる大きさにしてイメージすることで、今こうして息しながら、「腹へってきたなあ」なんて思いながらブログを書いていることが、もうありがたくてありがたくて。

地球を1mまで縮めて考えることに続いて、今度は時間を縮めてみましょう。
46億年を1年間にしてみます。
テキストにするのは清水伴雄著「サヨナラ愛しのプラネット/地球カレンダー」です。




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これまもたおもしろすぎて、しかも30分ほどで読み切れる本で、ぼくは夜の庭で何度も読みました。「センス・オブ・ワンダー」、「地球がもいし100㎝の球だったら」共々、渡邉美樹さんが言う「世界共通の教科書」にしていただきたい1冊です。

著者の清水伴雄さんは、もと朝日新聞の社会部記者で、退社後フリーライターとして活躍し、「21世紀の歩き方大研究」というウェブサイトが話題になった方です。

ではこの、「
サヨナラ愛しのプラネット/地球カレンダー」がどういう本なのかというと、地球誕生から現在までの46億年の歴史を、365日、1年間のカレンダーに置き換えて捉え直してみようという試みがなされています。
「地球がもし・・・」では大きさを、この本では時間を縮小している。それによって、「あまりに大きくて実感できない地球のことを、身近な存在として感じながら考えましょう」というこの発想、すばらしいんだなあ。学校のテストの点数が高いことじゃなくて、こういうことを考えついて、本にまでまとめあげてしまう人のことを「頭がいい」って言うんだなあって思いました。

学校の成績とは別次元の「頭の良さ」があります。

社会人になって、30年以上経って、こういう奇想天外とも言える発想力とか、それを考え続けたり、1冊の本になるまで追求していく人たちの存在をとても楽しく感じています。
大多数の人からしたらどうでもいいようなこと、でも本人には大事、おもしろいと思えるひとつことを追求して、どこまでも突き詰めていく人から感じる不思議な世界。
例えば東京理科大学から天下のNTTに就職したのに、書家であるお母さんの影響で、ある日会社を辞めて街角に出た書道家がいます。ひたすら書に没頭するうちに、その墨跡は人々の感動を呼び、今では著書多数、題字の依頼も絶えない大人気書道家になっている人がいます。
小さい頃にお母さんから「あなたは本当に運のいい子ねえ」と言われ続けたことから、その「運がいい」というひと言を追求し続けて、累計300万部以上の本が売れたという、その分野でのカリスマになっている人もいます。
もっと身近なところでは、ぼくのことを「親友のいわふちくん」と言ってくれる(親友などとはとんでもない。ぼくとしては大師匠だと思っています)世界一のおもちゃコレクターとか。考えられないですよ、一時遊んだら捨ててしまうようなものを、人生をそれに捧げるようにし集め続けているんですから。
他にも「睡眠」のことを徹底的に考え続けているとか、目に見えない、ほとんど誰も意識したことのない「遺伝子」の研究に情熱を燃やし続けて、ついにはそれを人生論や哲学にまで高めた人とか。
DNAの研究者が多くの人の人生に大きな価値をもたらしているって、ね、とんでもなく変わってますよね。言ってしまえば変人の極みです。

その人たちは、一見すると変人に思えたりします。

そう、今ぼくは、そういう天才的な変人が醸し出す真実に心惹かれています。
大師匠込みで変人扱いしてしまいましたが、でもまあその人たちには、ぼくら常人には計り知れない、広大で深遠な世界があって、その人たちの姿とその世界から発せられる作品や言葉によって、ものすごくありがたい、とてつもなく良質と感じられるパワーをもらっているのです。


ではでは、またもやぼくが見つけた頭のいい人(変人)の世界に入っていきましょう。

46億年を365日に縮めるどうなるのか、まずはその尺度、スケール感を持つためにいくつか数字を並べます。

46億年前の地球が誕生した日が1月1日で、今日現在が大晦日の午後12時ジャストだとすると、・・・


実時間の1億年7日と22時間。


1千万年が19時間2分。


カレンダーの1日が実時間では1260万年。


1時間が52万5千年。


1分が8千7百年。


1秒が145年。


どうでしょう、もう頭がクラクラしてきましたよね。

そのクラクラした頭で読み進めていってください。クラクラしたり、途中で気が遠くなってボーッとしたりしながら読んでいって、最後にはガツンと衝撃を食らって目が覚めるはずですので。

カレンダーからいくつかのトピックを引っぱり出して並べてみます。


1月1日 午前0時 46億年前 地球誕生です。
生まれたばかりの地球は、赤いマグマの海におおわれています。
その地球には、巨大な隕石がいくつも衝突しています。


1月12日 44億5000万年前
火星ほどもある大きさの天体が地球に衝突しました。
そして月が生まれました。


2月25日 39億年前
海には猛毒の硫化水素がたくさん含まれていました。
その中ではいろんな化学反応が起きていて、やがて最初の生命が地球に誕生しました。


この生命の誕生がどのようにして起こったのか、そもそも生命とは何なのか、未だにまったくわかっていないといいます。

筑波大学の村上和雄教授は「細胞1個が生まれる確立は、1億円の宝くじが連続100万回当たることに匹敵する」と言っていますし、青山学院大学の福岡信一教授は「アメリカが行ったヒトゲノム計画によって、生命の設計図である遺伝子情報はすべて読み尽くされたが、それによってわかったことは、それでも命はつくれない、ということだった」と言っています。
その、まさに奇跡の命、われわれを含めた地球上のすべての生物の親が、ここで誕生したということです。
そこから39億年間受け継がれ続けた命が現在のすべての生物の命なわせですから、地球カレンダーの2月25日は、すべての命の誕生日です。


5月31日 27億年前
光合成を行うバクテリアが登場し、酸素を出し始めました。
このバクテリアはシアノバクテリアと呼ばれています。
シアノとは青いという意味です。
シアノバクテリアは文字通り「青い地球」をつくり出すために、最も大きな貢献をしてきた生物です。


11月14日 6億年前
生命の進化にとってとても重要な出来事が起こりました。
それは地球の大気圏にオゾン層が出来たことです。
オゾン層は生命に有害な紫外線をさえぎって、生き物たちが陸へ上がるための環境を作ってくれました。


その後11月18日に、海の中で生物の爆発的な進化が起こって、11月23日に魚類が登場し、11月27日に生物の上陸が始まりました。
まずは細菌類から、ついで藻類や苔類が少しずつ陸に広がっていき、翌28日には植物が陸に上がり、それを追って昆虫の祖先が陸に上がりました。
29日には魚類から進化した両生類が海から陸にはい出してきました。



12月13日 2億2800万年前 恐竜の登場です。
恐竜たちは5000を越える種類が存在し、1億6000万年もの長い間、繁栄をお謳歌します。
この同じ日に、最初の哺乳類が登場し、恐竜たちを避けるように、ひっそりと命をつないでいきました。


さあ、ここまできました。すでにカレンダーは12月です。
・・・人類が出てきませんよねえ。

クリスマスが終わった12月26日に巨大隕石の衝突が原因で恐竜が絶滅します。
27日になると、それまでほそぼそと生き延びてきた哺乳類が繁栄を迎えます。
まだ人間は出てきません。もう年末も押し迫って、仕事納めの頃です。

12月29日、ついに猿が登場しました。

とうとう大晦日になってしまいました。


12月31日 午前10時40分
類人猿の系統の中のチンパンジーの祖先から、ようやく人類の祖先が枝分かれしました。
これが猿人です。



午前10時40分に現れた猿人の中から、立って歩くものが出始めたのが午後3時38分。
大晦日の夜、紅白が始まって盛り上がっている午後7時26分に、立って歩くようになった猿人が進化して脳が大きくなり、石器を使いこなす原人が出てきました。
8時35分、さらに脳が大きくなって、火を使い言葉を話す新しい原人が出てきました。

紅白の取りが歌い始めてしまいました。年越しそば食べましたか?

やれやれ、今年が終わってしまいます。


12月31日 午後11時37分 ようやく、私たち人類の登場です。
現在の人類である新人、ホモ・サピエンスがアフリカで誕生しました。
これこそが、私たち、現代の人類そのものです。


驚きでしょ!人類登場は地球カレンダーの、大晦日の夜の、紅白が終わる頃なんですよ。
ここから現在まで、今年が終わるまでたった23分間です。


午後11時58分52秒
人類が農耕牧畜を始めました。
これが文明のスタートです。

って、あと1分8秒ですよ。


午後11時59分56秒
ルネッサンスが各国に広がり、新しい芸術と文化を生みました。


午後11時59分58秒
産業革命が始まり、人間のくらしと社会を大きく変えていきました。


午後11時59分59秒
20世紀が始まって終わりました。
戦争と激動の100年は、ほんの1秒にすぎませんでした。
人類が地球を壊し始めた1秒でもありました。


ハッピー・ニュー・イヤー!


12月31日 午後12時00分00秒
いまあなたがいる現在です。
新しい年が明ける瞬間でもあります。


おめでとうメールの一斉送信です。

でも、おめでたいですか?
泣きそうになっちゃいませんか?

この写真をご覧ください。過去1000年の地球の温度変化をグラフにしたものです。



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最後の100年の上昇、どう見ても異常ですよね。ハッキリと何かが壊れたと読み取れます。

最近の異常気象については、もう誰でも実感していることですから省略するとして、そのグラフの上昇は100年前から、地球カレンダーだとカウントダウンの最後の1秒。産業革命以降人類がしでかしたことだということがわかります。 

私たち人間は、地球に、大晦日の夜にフラッと登場しました。
そして何をやったのか。
紅白歌合戦が終わって、カウントダウンも大詰めのときに、強烈な爆薬に着火し、大量の二酸化炭素爆発を起こしたテロリスト犯、・・・ですよね。しかも自爆テロ。


ね、なんだか申し分けなさすぎて、とてもじゃないけど新年を祝う気持ちになれませんよね。

もう一度、この本のタイトルを、声に出して読んでみてください。

サヨナラ愛しのプラネット 地球カレンダー

著者はこの本の書き出しに、こう書いています。

種としての人類は、まもなく姿を消します。
地球とすべての生命に対して、私たちは多大な迷惑をかけ続けてきました。
そのことをまず心からおわびし、陳謝します。
私たちのいない地球で、進化の道を歩む生物たちに、繁栄あれ。
太陽の寿命を考えると、地球の進化において、新たな知的生命体が誕生する機会は、もうないかもしれません。

この本の初版は2008年2月14日発行になっています。今から4年前です。
2011年には震災があり、原発事故が起こりました。
著者の清水伴雄さんが、今現在どういう心境なのかはわかりませんが、ぼくはこの冒頭の一文が大嫌いです。この本をすばらしいと感じながら、でもこの部分だけは、どうしてもイヤです。
冗談じゃないよ!って、それでもなんとかしなきゃいけないだろ!って。
もちろん、読者にそう思わせるための言葉なんだと思いますけどね。清水さんのそのトラップには、ぼくはまんまと引っかかりたいです。
とにかくぼくらは、原発事故直後の東電幹部みたいに、陳謝している場合じゃないんですよ。とにかく・・・。

この続きは明後日にします。


あなたはどう感じたでしょうか。最初はクラクラして、途中では気が遠くなって、でも最後は、衝撃だったでしょ。

ところで、最初の方に書いた「変人」についてですけど、ぼくは「庭の変人」を目指しています。
えっ、もう十分に変だって!?
お褒めのお言葉、ありがたくちょうだいいたします。