お客様、庭を楽しむ賢人たちに発見した「幸せへの扉」。
今日の扉は「直感で選び、何ひとつ否定しない」です。



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まず「直感で選ぶ」ということ。

ぼくに設計を依頼してくださるお客様の多くが、そういうタイプの人。
理屈じゃなくて、瞬間的に「これがいい!」と感じたら、躊躇することなくそっち方向へと進んでいきます。庭のプランであっても、庭に置く小物やイス・テーブルを選ぶときでも。
だから打合せが速い。

直感的な人は、いい!と思った瞬間からワクワクが始まって、どんどん笑顔になっていきます。



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即決!即決!なので、さっさと庭の話は終了になって、ところが笑顔は終わらないので、会話は盛り上がり続けます。
子育ての苦労話や日々の夫婦のこと、お客様のヒストリーとか、そういう話題で延々と楽しい時間を過ごさせていただくこともしばしば。楽しい楽しい時間です。



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この「直感で選ぶ」とセットなのが、「何ひとつ否定しない」です。

ぼくの設計は、実はとても理屈っぽく組み立ててあります。
それを直感的に「いい!」と感じると、その人たちは「いいと思ったらとことんいい」人たちなので、細部にわたるまで、一切否定するということがありません。「全体的にはいいと思うけど、ここはちょっとねえ・・・」というようなことが、ほとんどありません。

ぼくの説明(理屈っぽく組み立ててあるので、一応その理屈を解説します)に、最初は「ふむふむなるほど」と、身を乗り出すようにして聞き入ってくれて、しだいに、いいねえ〜!すてきー!と、瞳がウットリとうるんできて・・・、そうなるともう理屈など全く関係なし。
それでいいんです。



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理屈は、作り手が、受け手の直感にアピールするためのプロセスで必要なこと。結果、直感的に感じ取ってもらえた時点で、すべて消えてしまうのが理想。

一枚に絵に感動する瞬間があります。
でもそれは、そこに隠されている、分厚い理屈に感動しているわけではありません。


遠近法、黄金分割、色や筆遣いのテクニック、その絵を描くに至った理由など、そこが気になっていたらその絵は味わえない。絵を解析すればするほど、感動からは遠くなってしまいます。
感動した後に、その感動を深めるために理屈を読み解いていくのならいいんですけど。



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「直感で選び、何ひとつ否定しない」、そういう人と出会うと、ぼくはうれしさとともにある種の緊張状態に入ります。
なにせほめまくられるわけですから。絶対にこの人をがっかりさせたくないという、猛烈に強い気持がわき上がってきます。

それと、何ひとつ否定しない人たちの次の言葉はだいたい一致していて、それがまたぼくを緊張させるのです。
「さすがにプロねえ!すごいわあ!」それに続いて、「ねえねえ、もっと何かアイデアある?」と、こう来ます。



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否定しない人は、肯定の先に「もっと!」を求めます。
いいわねいいわね!ねえもっと!

それもまた楽しみなんですけどね。アイデアは限りなく出てきますから大丈夫ですし、ぼくとしては何時間でも、いろんなパターンの設計を提案し続けられると思います。
ただ、そうしている間、お客様のワクワク感が下がらないことを意識して、軽く緊張するのです。



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もっと!に応えるつもるで一生懸命に話すうちに、お客様を理屈で閉じ込めてしまうこともありますので。
そうなってしまったら、ぼくは提案者として失格。

設計内容よりも、ワクワク感が大事。
庭の価値は理屈やカタチじゃなくて、ワクワク感なんですから。


打合せをしながらお客様のワクワク感を膨らませていけたら、どんなコンセプトであれ、多少ディテールがどうであれ、いい庭に仕上がります。



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これって、庭だけじゃなく暮らし全般に言えることですよね。

カタチにこだわって、理屈に縛られていたら、トキメキを失ってしまう。

こだわらないこだわらない。「まあいっか」も大事なのです。



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「直感で選んで、何ひとつ否定しない」の反対は、「理屈で悩んで、すべてを否定する」です。
「すべてを否定?そんな極端な人、いないでしょ」って思うかもしれませんけど、いやいや、たくさん存在しています。あなたのまわりにもひとりやふたりじゃないと思いますよ。

「でもでえ」、「そうは言ってもねえ」、「いやいやそうじゃなくってね」と、会話の返しが必ず否定的な人、たくさんいますよね。
この「否定返し」は、自分でも使ってしまうことがあるので気をつけていることです。



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何ごとも、肯定的思考で捉えないと、・・・と言いつつ、

ダメダメダメダメ!ぼくが思いっきり否定しちゃいます。否定的な口癖は、ダメ!

と、否定的を否定。

否定癖のままだと、なかなか難しいと思うんですよ、幸せな人生。
「でもねえ、庭に出ると蚊がいるし」のひと言で、その人、どれだけ大きな楽しみを捨てちゃってることか。
蚊取り線香に着火するだけで、涙があふれるほどの幸せな時間を手に入れられるのに。



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直感で選び、何ひとつ否定しない。

そうなれた人は「幸せへの扉」を開き続ける人生になります。
直感を信じて、すべて肯定的に捉えられる人にしか、庭に潜むその扉は発見できないのです。



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言い切ってしまいましょう!「私は今日から何ひとつ否定しません!」と。
って、ちょっと心配になるでしょ、失敗するんじゃないかって。何でも肯定してたら悪い人にだまされるんじゃないか、とかね。
いいじゃないですか、だまされたって。だます人より、だまされる人の方がいいでしょ。

だめ?

まあ、だまされたと思って、全肯定、やってみてくださいよ。