仕事とはいえ、なぜぼくがこんなにも庭に夢中になれるのか、それは宝探しをしているような感覚にあります。
日々新たな庭を生み出しながら、そのこと以上に、そこで出会う人たちが持っている「宝物」を発見できることの楽しさが、ぼくを虜にしています。



アイスバーグ
アイスバーグ
 


その宝物とは、庭のある暮らしを楽しむ人たちの、幸せを築くための知恵やお作法のようなもの。
それをトレジャーハンティングして、成果品を並べたのがこの「幸せへの扉」なのです。 

庭を楽しむ人たちの暮らしには、たくさんの宝物を発見することができます。



イングリッド バーグマン
 イングリッド バーグマン


その人たちの庭は輝いています。おしゃれに仕立てていなくても、雑草だらけであっても輝いています。
これが庭の不思議なところなんですよ。
「庭は人を映します」。だからその人が毎日イキイキと暮らしていたら、必ず庭は輝き出します。庭のデザインや手入れの善し悪しとは関係ありません。
もうひとつ、庭が持つ不思議な特性が「前向きな気持にだけ反応する」というものです。

充実した暮らしを送る人の庭は、必ず輝いています。



ピエール ドゥ ロンサール
ピエール ドゥ ロンサール
 


何か悩みや苦しみの中にあって、気持が萎え、心が折れているときに、庭は一切意識には入ってきませんよね。そうやって暮らしから放り出された庭は輝きを失います。
一見整然と整っていても温もりを感じられない庭、ゴミ置き場と化した庭、見るのも辛い殺風景な庭がそういう状況にある庭です。そこに、暮らしに対する前向きな姿勢はなくなってしまっています。
そういう悲しい庭を目にするたびに、ぼくはエールを送りたくなります。
誰にでも辛い時期はあります。そんなとき、庭がその人を引っぱりあげてくれることがあります。

庭を輝かせることで、輝きを無くしていた人が立ち上がる場面を、何度も目撃してきました。
そのとき、庭に感動が生まれます。




シャルダン ドゥ フランス
シャルダン ドゥ 、フランス
 


あなたを引っぱり上げて、輝きをもたらしてくれるものが庭じゃなくてもいいんですけどね。
「それほど庭に興味は湧かない」というあなた、「定年したら庭を楽しもうと思っているけど、今は忙しくてそれどころではない」というあなた、それでいいんですけど、でも今、庭が輝いているかどうかだけは確認してみてください。
いくらかでも庭が輝いていたらそれでいいんです。でももし、そこに光を発見できなかったとしたら・・・もしかしたら、知らず知らずのうちにあなた自身が輝きを失っているのかもしれませんよ。

庭に興味をお持ちじゃなくても、庭くらいは輝かせてください。
荒んだ暮らしからは、幸せはさっさと逃げ出してしまいます。




リトル アーティスト
リトル アーティスト
 


庭を美しく楽しい場所にしておくことくらいは、楽々とやってほしいんですけどねえ。実はそんなことはほんの序の口で、あなたは、あなたとご家族の暮らしを幸せへと導くために、庭どころではない、もっともっと大きな努力を積み重ねなくてはいけないのですから。

庭くらい輝かすことができないなら、それは
認識不足努力不足

これは、朝庭に出て、庭がくすんで見えたときに自分自身にぶつける言葉です。
力んでるでしょう、自覚しています。そうありたいと思っているのです。
それがぼくの仕事ですし、それ以前に、自分と家族の人生を幸せなものにしたいですからね。



ピンク サマースノー
ピンク サマースノー
 


庭はあなたを映し出す鏡です。あなたがはっきりと幸せな暮らしを目指しているのか、そのための努力を怠っていないか、チェックできます。
今現在の庭の輝きが、あなたの輝き具合なのです。

庭が輝いているとき、あなたも輝いている。

そのことを忘れないでくださいね。
庭を見つめて自分をチェクする、人生の身だしなみです。







昨夜のテミヤンの歌声が、沁みました。

同じ曲でも、そのときの歌い手の心の状態で、全く響き方が変わるということを感じました。もちろん聴き手の状態でも。

曲は単に楽曲なのではなくて、心の状態を表現するもの。

庭もまた同じ。

・・・今日のぼくの心のあり方は、幸せと感動を提供する庭を描けるだろうか・・・いやいや、ただただ一生懸命に描きます。

逝く人あり。残る者は、その命を精一杯に美しく燃焼させることのみ。

合掌