伊藤さんちの草花をご覧いただきながら、徒然なるままに。



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桜が一気に満開になりましたね。



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じつがぼくには、この時期にいつも心にわだかまる感情があります。
それは桜が咲くまでと咲いてからとでは、うれしさ、高揚感の質が変わるということです。



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待ちに待った桜が満開になるんですから、それはうれしいです。うれしいに決まっています。桜吹雪にも感動します。



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でもぼくの中では、咲いた花に感じるワクワクよりも、咲き出す直前までのワクワクの方が数倍強いんですよねえ。



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冬の寒さが少し和らぐ頃にウメが咲き、しばらくしてコブシが咲くと「あと一週間で桜だ」とウキウキワクワクしてきます。そしてユキヤナギの花をスタートの合図にして一斉に咲き出す桜。



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開花から満開までの数日間にワクワクが消えていきます。代わりに情感が強くなっていきます。
そのワクワクと情感の入れ替わりが、・・・ちょっと堪えるような・・・。



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春ってのは、気候と植物の変化につられてあまりにも急激に気持ちが動き出すので、多少心のバランスが揺れるのかもしれません。



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きっとあなたにも多少はあるんじゃないでしょうか。



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でも毎年繰り返すこの感じ、嫌いじゃないんですよ、心の揺れは創造性の源ですからね。
心が揺れるときには、じっとその揺れを感じてみるといいって思っています。



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毎年この時期に、設計の傾向やスタイルがいい具合に変化してきました。その春の変化がその後の定番になってゆくということを繰り返してきました。

心の揺れから情緒が生まれ、創造が生まれる。



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春の到来に胸膨らませる、期待通りにつぼみが膨らむことに感じる高揚感、そして花が咲いた途端にこんどは揺れ始める心。



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それだけ、桜の花は強烈だってことですかね。
桜を詠んだ句や名曲は数限りなくありますしね。



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わだかまる、
引っかかる、うがる、渦巻く、揺れる心。言ってしまえばネガティブなその状態を、日本人は情緒として捉えることができます。



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秋にも同じことが起こります。
枯れ葉に、ドングリに、虫の声に情緒を感じることができる幸せ。四季のない国の人にはきっと、なかなか感じられないことなんですよねえ。



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お花見が終わって、葉桜の下でまた始まる日常。
何ごともなかったかのように、淡々と、次はハナミズキが咲き、ツツジが咲き。
でもちゃんと、2013年の桜はあなたの中で記憶され熟成されます。



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その熟成は葉桜の時に、心揺れながら。

ネガティブファクターは、それをしっかりと感じることによって熟成されます。

コンポストの中身と同じで、目を背けつついいかげんに扱うと酸化し腐敗しますが、丁寧に完熟させれば上質の堆肥になります。



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気分が上がっている時には思いっきりウキウキとし、下がっている時には、丁寧に、感じる、見つめる、味わう。

あぁ、世はお花見の真っ最中なのに、すでに「祭りのあと」的にひとりセンチメンタルになっている、ぼくっていったい・・・。