川村さんから設計の依頼をいただいてハッと思ったのは、住所に見覚えがあるということ。以前やらせていただいてこのブログでもおなじみのウッドデッキの庭、「幸せの小舟」、門馬さんちのお隣りさんでした。

俄然張り切りました。
時々あるんですねこういうこと。すてきな庭の幸福感が、その庭に留まらずに溢れ出して、お隣さんやご近所に広がっていくということ。
門馬さんちに負けない幸福感を川村さんちのお庭にも生み出して、しっかりと定着させる、幸福の連鎖を実現していくことに使命感を持ちました。

その連鎖がやがてその町内を、地域を幸福感で包み込んでいって、さらに広がって、どんどん広がって、日本を「幸せな庭」でいっぱいにする。そしてさらに世界へと・・・。
いいぞいいぞ!こういう妄想が湧き出てくるとき、ぼくは絶好調なのです。何せガーデンデザイナーは世を忍ぶ仮の姿で、ほんとは地球防衛軍に所属しているのですから(笑)。

新築から3年間、庭はほぼ手つかずのままでした。
ところがある出来事があって「庭を何とかしなければ」と思い立ったといいます。
Before

After

庭の相談をお受けしていて、けっこう多いのが「猫が来て困る」というものです。
ただトコトコと遊びにくるだけならかわいいのですが、いろいろと・・・。匂いが強烈ですからねえ、猫のは。
Before

After

で、どうしたら猫をシャットアウトできるかといいますと、これまでいろんな方法を試しましたが、結論としては「シャットアウトは不可能なので、どうせならかわいがる」というところに行き着きました。
トゲトゲマットは避けて入ってくるし、塀を立てると屋根から来ます。いやがる匂いの粉末は効果なく、猫だけに聞こえる超音波を発する装置もその効果は一時的でした。おまけにデリケートは人は頭が痛くなるということも判明。水鉄砲はけっこう効きましたが、一日中見張っているわけにもいかずこれもだめ。こうなったらかわいがって、手なづけてから「いいか、ここに来てはいけないよ」とこんこんと言って聞かせるしかないという結論に達したわけです。
かわいいんですけどねえ・・・でもあの匂いがねえ・・・。
川村さんちの庭も、近所のノラの散歩コースになっていました。
奥様はそれをあまり気にもせず過ごしていたのですが、ある日庭のポーチにお土産を発見。最初は石ころかなにかかと思ってよーく見たら、その石ころにヒゲが生えている。なんとなんと、ネズミの頭だったそうです。ギャー!です。
通行税を置いていくとは律儀なやつです。猫的には日頃の感謝を込めたお土産だったのでしょう。
ゆったりとした階段で庭に出やすくしました。
部屋と庭をスムーズにつなぐことで、庭は暮らしの場所になります。



家を新築して、手つかずの庭を何とかしなければという気持はあったものの、引っ越しの片付けや子育ての忙しさでついつい先延ばしになったまま、とうとう3年が経過。
この「お土産事件」で、ご夫婦は庭をちゃんとしようという決心がついたそうです。衝撃で我に返ったみたいな感じでしょうか。
それでぼくのところに設計依頼となったのでした。つまりこの庭は「猫に後押しされてできた庭」というわけです。

家を建てようと住宅展示場巡りをしている時点では、だれでも庭への憧れやイマジネーションは旺盛です。緑の芝生、ウッドデッキ、バーベキューパーティー、ガーデニングと、花に囲まれた幸せなシーンを思い描くものです。
ところが住宅メーカーとの現実的な打ち合わせが続くうちに、いつしか庭のことは後回しになり、徐々に庭への夢はしぼみます。引っ越し後の片付けや暮らしのあれこれが整う頃には、ついには庭は思考から消え去って、あってもなくていい場所になってしまうのです。多いんです、このパターン。
男の子にとって砂場はただの遊び場ではなく、
イマジネーションが無限に広がる宇宙空間です。

ぼくはノラちゃんに刺激してもらってラッキーだったと思います。事件が起こらなければ、きっと5年後も、10年経っても、庭はほぼそのままだったのではないかと。
せっかく庭付き一戸建ての暮らしを手に入れたのに、庭が手つかずのままで存在感を失ってしまうというのでは悲しすぎますからね。
人は見晴らしの良さで開放感を味わい、
物陰に隠れたり狭い場所にこもることで落ち着きます。
それをバランスよく両立させるとによって、
居心地のいい場所になります。



庭は手つかずのままでしたが、新築を決意したときに持っていた庭へのトキメキは、ご夫婦の中でくすぶりながら、3年経っても消えていませんでした。打合せをしながらそう感じました。
何年も何年もくすぶり続ける思いは、ある日突然、現実化に向かって動き出します。
夢を、柔らかく、消さないで持ち続けていれば、それは何かの弾みで実現するものなのです。
今回の場合、弾みをつけてくれたのはノラ。
ご覧の通り、設計通りの楽しい場所になりました。
庭はイマジネーションの賜物です。庭はいつも、あなたがイメージした姿で出現します。
イメージすること。幸せなシーンをイメージすること。口角を上げて、目尻を下げて、イメージすること。あなたが実現したい幸せな庭をイメージすること。
最初はさほど具体的である必要はありません。ただワクワクとイメージするだけでいい。
力まずに、柔らかく、「そうなったら、楽しいだろうなあ」と、日に5分でも、一瞬でもいいので、それを毎日思い続けることが大事です。




思い続ける・・・妄想癖、そんな癖がついたらもうその庭は確実に実現へと向かいます。
庭に限らず、柔らかく思い続けることで、たいがいのことは実現します。
このすばらしい魔法を使わない手はありません。




川村さんご夫婦は、まさにこのタイプでした。おふたりとも力みがない。笑顔で、やさしく柔らかいイマジネーションを消さずに、それがゆっくりゆっくりと花ひらいていくような暮らしを送っています。とてもいい感じです。


新築して3年間「庭を何とかしなければ」と思いつつそのままになっていて、外を眺めてはため息。そんなある日、ノラ猫からのサプライズプレゼントに刺激され、奮起して着手し、できあがった庭でした。



後日ぼくは思いました。あの猫は、川村さんご一家に幸せをもたらすために遣わされた、天からの使者だったに違いありません。
川村さんちの本編はこちら→川村邸(2011年2月24日~4月3日)
いよいよ今日から夏休みですね。
すべての子どもにとって夏休みは特別な時間。大人は暑さに負けずに働きつつ、子供たちに、思いっきり楽しい夏をプレゼントしましょう。

俄然張り切りました。
時々あるんですねこういうこと。すてきな庭の幸福感が、その庭に留まらずに溢れ出して、お隣さんやご近所に広がっていくということ。
門馬さんちに負けない幸福感を川村さんちのお庭にも生み出して、しっかりと定着させる、幸福の連鎖を実現していくことに使命感を持ちました。

いいぞいいぞ!こういう妄想が湧き出てくるとき、ぼくは絶好調なのです。何せガーデンデザイナーは世を忍ぶ仮の姿で、ほんとは地球防衛軍に所属しているのですから(笑)。

ところがある出来事があって「庭を何とかしなければ」と思い立ったといいます。
Before

After

ただトコトコと遊びにくるだけならかわいいのですが、いろいろと・・・。匂いが強烈ですからねえ、猫のは。
Before

After

Before

After


After

トゲトゲマットは避けて入ってくるし、塀を立てると屋根から来ます。いやがる匂いの粉末は効果なく、猫だけに聞こえる超音波を発する装置もその効果は一時的でした。おまけにデリケートは人は頭が痛くなるということも判明。水鉄砲はけっこう効きましたが、一日中見張っているわけにもいかずこれもだめ。こうなったらかわいがって、手なづけてから「いいか、ここに来てはいけないよ」とこんこんと言って聞かせるしかないという結論に達したわけです。
かわいいんですけどねえ・・・でもあの匂いがねえ・・・。
宅地は丘の中腹にあって、道路からは数メートル上がっています。
いいんですよねえこういう立地。
広い空を取り込んだ、開放感あふれる庭をつくれます。



いいんですよねえこういう立地。
広い空を取り込んだ、開放感あふれる庭をつくれます。



川村さんちの庭も、近所のノラの散歩コースになっていました。
奥様はそれをあまり気にもせず過ごしていたのですが、ある日庭のポーチにお土産を発見。最初は石ころかなにかかと思ってよーく見たら、その石ころにヒゲが生えている。なんとなんと、ネズミの頭だったそうです。ギャー!です。
通行税を置いていくとは律儀なやつです。猫的には日頃の感謝を込めたお土産だったのでしょう。
ゆったりとした階段で庭に出やすくしました。
部屋と庭をスムーズにつなぐことで、庭は暮らしの場所になります。



この「お土産事件」で、ご夫婦は庭をちゃんとしようという決心がついたそうです。衝撃で我に返ったみたいな感じでしょうか。
それでぼくのところに設計依頼となったのでした。つまりこの庭は「猫に後押しされてできた庭」というわけです。

ところが住宅メーカーとの現実的な打ち合わせが続くうちに、いつしか庭のことは後回しになり、徐々に庭への夢はしぼみます。引っ越し後の片付けや暮らしのあれこれが整う頃には、ついには庭は思考から消え去って、あってもなくていい場所になってしまうのです。多いんです、このパターン。
男の子にとって砂場はただの遊び場ではなく、
イマジネーションが無限に広がる宇宙空間です。

せっかく庭付き一戸建ての暮らしを手に入れたのに、庭が手つかずのままで存在感を失ってしまうというのでは悲しすぎますからね。
人は見晴らしの良さで開放感を味わい、
物陰に隠れたり狭い場所にこもることで落ち着きます。
それをバランスよく両立させるとによって、
居心地のいい場所になります。



何年も何年もくすぶり続ける思いは、ある日突然、現実化に向かって動き出します。
夢を、柔らかく、消さないで持ち続けていれば、それは何かの弾みで実現するものなのです。
今回の場合、弾みをつけてくれたのはノラ。
レモン

ジューンベリー

エレガンテシマ

キンモクセイ


ジューンベリー

エレガンテシマ

キンモクセイ

ご覧の通り、設計通りの楽しい場所になりました。
庭はイマジネーションの賜物です。庭はいつも、あなたがイメージした姿で出現します。
イメージすること。幸せなシーンをイメージすること。口角を上げて、目尻を下げて、イメージすること。あなたが実現したい幸せな庭をイメージすること。
最初はさほど具体的である必要はありません。ただワクワクとイメージするだけでいい。
力まずに、柔らかく、「そうなったら、楽しいだろうなあ」と、日に5分でも、一瞬でもいいので、それを毎日思い続けることが大事です。




庭に限らず、柔らかく思い続けることで、たいがいのことは実現します。
このすばらしい魔法を使わない手はありません。









川村さんちの本編はこちら→川村邸(2011年2月24日~4月3日)
いよいよ今日から夏休みですね。
すべての子どもにとって夏休みは特別な時間。大人は暑さに負けずに働きつつ、子供たちに、思いっきり楽しい夏をプレゼントしましょう。