暑中お見舞い申し上げます。

すっかりご無沙汰しておりますが、皆様お変わりございませんでしょうか。
暑さはこれからが本格的です。くれぐれもお体を大切にとお祈り申し上げます。


という暑中見舞い、そろそろ書こうと思っている人も多いと思います。
普段連絡が途切れがちな恩師や友人や親戚に思いを馳せ、案ずる気持ちをハガキにしたためるって美しいことですよねえ。
Facebook や LINE がいくら発達しようとも、なくならないでほしい慣習です。



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暑中見舞いは「暑中」のお見舞いですから、夏がさほど暑くならない国にはありません。常に暑い常夏の国にもないと思います。
つまりこの美しい風習は日本に四季があるからこそのこと、ということになります。
ぼくのように長いこと日本人をやっていると気づかなくなってしまうんですけど、ぼくらは四季があることで日本人的になれているのです。



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あの津波被害の後で暴動も略奪も起こさない日本人に、海外から賞賛の声が上がりました。
ぼくらとしてはそんなことは当たり前なんですけどね。でも海外ではなかなかそうはいかないようです。
周囲を気遣いながら、励まし合いながら不自由な時間を耐え続けた、その辛抱強さやおだやかさも日本に四季があるからです。ぼくはそう思っています。



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我々が辛抱強いのは、四季がある国に暮らしているから。
季節が巡ることを知っているから、今を耐えることができる。




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春が来ることを知っているから冬を耐えられるし、そのうち秋風が吹くと思うからこの暑さにも耐えられるんですよね。でしょ。
耐えるだけじゃなくて、日本人は季節を楽しむことも身につけました。それは四季折々の自然が厳しさだけじゃなく、恵みや心地よさや美しさももたらしてくれるからです。



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自然を恐れ敬い感謝することが、日本人を日本人にしてい



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日本人は怒りません。
季節の移ろいを知っているから、現状に怒らない。放っておけば、何もかもが季節と共に移り変わってゆくんだから、直近のことをいちいち怒ったり正したりする必要はない。事の采配はお天道様に任せています。



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日本人は争わずに助け合います。
冬は冬で、夏は夏で、自然は命にかかわる厳しい試練を与えます。しかも毎年。だから助け合うし、人間同士で争い事なんかしていられません。そんなことをしていたら、敵も味方も自然に殺されています。



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日本人は自然を敬います。
八百万の神とは四季のある自然のことです。四季が明確でない国にはアラーの神、シヴァ神、ブッダ、キリストがいますが、日本では自然が神なので、日本人の宗教観は自然体です。身の回りのありとあらゆるところに神様がいるので、地球人として人の道を踏み外さずに歩いて行けます。



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これをお読みの日本人のあなた、あらためて自然に感謝しましょう。つまり、この暑さにも感謝しましょう。
暑いも寒いも生きていればこそのこと。
夏は暑さを楽しんで、ついでに諒も楽しんで、そうこうしているうちにちゃんと秋がやってきます。



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さあ空調の利いた部屋から気合い一発!蚊取り線香に着火して、首に手ぬぐいを巻いて、庭に出てみてください。
そこに八百万の神がいますよ。



いつもこのブログに来てくださるあなたへ、感謝を込めて。

暑中お見舞い申し上げます。