これがビフォーです。



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南向きの家なので庭スペースは道路に面しています。
リビングの前が駐車場になっていて、玄関側がアプローチ兼庭スペースです。



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よくあるこの構成って、悩んじゃうんですよねえ。
問題はリビングの前が駐車場だということです。このままではカーテンを開けられません。仮に駐車場が玄関側なら、悩むことなくリビングの目隠しをしつつ、部屋からつながった「過ごす庭」を仕立てることができるんですけどね。

玄関側も問題ありでした。



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四方から丸見えのやたらに広い玄関アプローチです。
ここにどんな庭を思い描けばいいのか、雑木林か、畑か、花咲き乱れるアプローチガーデンか。
ぼくとしては、庭は必ずその庭があることで暮らしが楽しく豊かに展開していくものでなければならないと思っているので、「何となく庭っぽい感じ」でスペースを埋めるような提案はしたくありません。・・・悩んでしまいます。

「悩む」というと「困っている」と思われるかもしれませんけど、違います。
設計をする時の「悩む」は「考える」であり「燃える」なのです。
だから悩むときには徹底的に、真剣に悩むことにしていて、そのためのひとつの手法が「もしもここが自分の家だったら」という考え方です。
自分の家、自分の庭だと思えば妥協もしないし、現状を踏まえたベストな状態を組み立てることができますからね。

ご夫婦にそんなことを話して、その手法を了承していただきました。

ご要望を一切お聞きせずに「もしも自分の家だったら」で設計したプランがこれです。



Plan A
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リビングと駐車場の間に目隠しをかねたコンパクトなウッドデッキを設置して、そこからつながる玄関前に壁と木々に囲まれたバーベキューテラスをつくりました。

道路側から観るとこうなります。



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「もしも自分の家だったら」というセルフマインドコントロールの効果は絶大です。
描いているうちにもうひとつのプランが浮かびました。
これです。



Plan B
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デッキは同じくで、玄関側は植物いっぱいのアプローチガーデンです。



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どちらも既存の駐車場はそのままでのプランです。

この一般的な感覚で捉えるなら豪華絢爛(内心、ちょっと描き過ぎかなと思いつつも、必要な要素を組み立てていったらこうなりました)の2プランをご覧いただいたとき、一瞬キョトンとしたご夫婦の顔が、見る見る希望に満ちていくことを感じました。瞳が輝くってあるでしょ。ぼくはそれを目撃しました。 

設計内容の説明を終え、「これを叩き台にしてじっくりとイメージしてみてください」とお伝えして帰宅。

後日信じられない展開が待っていました。
奥様から「今ある駐車場を無くして、さら地状態から考えたらどんなプランになりますか?」と連絡が入りました。

ぼくはその言葉に感動しました。感動って突然やってくるんですよね。
ご覧いただいた2プランでご夫婦の庭へのイマジネーションが爆発的に広がって、その結果「現状を活かして」というぼくの思考を上回ったのでした。
ご要望もお聞きせず、「もしもここが自分の家なら」というわがままな思考で、思う存分描いたプランをどう受け取っていただけるか心配だったのです。いくら素敵なプランでも(悪いクセで)行き過ぎて、お客様の腰が引けてしまったらその庭は実現しませんからね。
でも腰が引けるどころか、もっと前進したくて腰が浮く状態になったわけです。

そうとなればもう何も悩むことはありません。思う存分描きました。
ふたたび、今度はさら地状態から「もしもここが」で設計したプランがこれです。



Plan C
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リビング前に「過ごす庭」、その目隠し壁の向こうがガーデニングスペースです。
駐車場は玄関側に移動して、駐車場兼アプローチガーデンに仕立てました。



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これをご覧いただいたときにはおふたりは、もうキョトンとすることなく、最初からワックワクでした。

感想とご要望をお訊きして、細部を変更し、最終プランができあがりました。



Plan D
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新居を購入し、住んでみて、漠然と「何かが違う。こうじゃないんだよなあ」と思ってぼくに声をかけてくださったご夫婦は、ぼくのわがままいっぱいのプランで庭に希望を見出しました。
そのトキメキの量がぼくのイマジネーションを上回って、ぼくはそれに感動して生まれた庭です。
 


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ぼくはあらためて思いました。

イメージすることってすごい。ワクワクするってすばらしい。
ワクワクとイメージする力は、理屈を上回る世界を実現させます。


もう一度ビフォーをご覧ください。



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この場所がワクワクすることでどう変化したのか、明日ご覧いただきます。




 


姫路から帰ってきて、やる気満々で仕事を再開しました。
なんだか楽しい、たまらなく楽しいです。
今日は「レノンの庭」の雑草抜きから仕事をスタートします。
このウキウキ感、い~い感じです。