ここ数年「退屈」ということがありません。
目の前には常に設計が山積みで、それは仕上がりを待ってくれているお客様たちの「期待」の山です。

期待されると退屈している暇がなくなる。

期待をかけてもらえるって、最高のガソリンになります。ありがたいことです。



朝、ほんの数分間だけ、
花は特別な輝き方をします。

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ところで、退屈しないっていいことなんでしょうか。
あ、いや、テレビでアフリカの野生動物の映像を観ていて思ったことなんですけど、ライオンもゴリラもチンパンジーも、けっこう退屈そうな時間を過ごしているんですよね。っていうか、無為に過ぎる退屈な時間が基本にあって、身を守ることと食べることに関わる時間だけに、瞬発的に本気になるみたいな。

四六時中、交感神経(頑張るシステム)を働かせ続けている動物は人間だけ。

どうもそんな気がします。
はたしてそれはいいことなのか。



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子どものころはとても退屈な時間がありましたよね。一日は永遠のように長く、その長い一日の内訳は、あてどなく思考を漂わせる時間が9割だった気がします。

ボーッと時を過ごしている子どもの姿は、野生動物と似ている。

退屈ってことは、意欲の行き場がない状態ということです。期待されることもなく、興味を引かれるものもなく、納まりどころのないエネルギーが垂れ流しになっている状態。



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実は身体の仕組み的には、それが健康な状態なんですね。
細胞も、産出されるエネルギーも、ホルモンや分泌されるいろんなものも、必要十分な量をはるかに上回っていて、常に余剰があることによって安定したバランスを保てるようになっています。

退屈な状態は、精神が健康であることの証し。

ということは、長いこと退屈を感じていないぼくの精神は・・・。



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ぼくだけじゃなくて、たぶんあなたにも、退屈を怖がるようなところがありますよね。
それってドーパミン中毒だとも言えます。
ドーパミンは最強の快感物質。人はその威力を知ってしまうと、もっと感動したい、もっと興奮したい、もっともっとと、常に自分の尻を叩きまくるようになります。

でも、それでいいんです。(悲しいことに)人間社会はそのようにして成り立っているのですから。

人の脳は快感をともなわない限り納得しない。

そこが野生動物と人間の違いであり、ぼくらが背負っている逃れようもない宿命。
だから朝起き抜けから、今日の課題に向けて自分を鼓舞し、ファイトをみなぎらせてスタートし、夜にはヘトヘトになって帰ってくる。それが人間らしい暮らしなのです。



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ただ、バランスを維持することは意識した方がいい。
たまには退屈な時間があるほうが健全なんだということをわすれてはいけません。

副交感神経(頑張らないシステム)を上手に働かせる人が、頑張れる人。
庭に出て、アフリカの野生動物みたいに大あくびをして、吹く風や流れる雲にあてどない思考を漂わせる時間って、頑張る人にこそ必要。


退屈恐怖症に陥らないように、交感神経を暴走させないように注意しながら、上手に自分の尻を叩きましょうね。
頑張り過ぎ、考え過ぎ、働き過ぎ、我慢し過ぎないように。
過ぎたるは及ばざるがごとしです。



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というわけで、今日も人間の宿命に従って、ドーパミン出しまくって、たくさんの期待に応えるべく、思いっきりアクセルを踏み込んで、幸せに寄与できる庭を思い描きます。

頑張りましょう!


ちなみに今日は旭区四季の森の「レノンの庭」にいます。
3連休初日、天気は上々、気温は上昇、四季の森公園のモクレンが咲き始めました。
「レノンの庭」も花だらけです。
遊びに来てくださいね。