このブログでもお店でも、ぼくはよく「花と会話する」というようなことを言います。
昔の同僚と十数年ぶりに再会してそんな話になったときに、「いわふち、だいじょうぶ?」といぶかしがられました。
ぼくがそうとうに疲れていて、軽く壊れてしまったのかと心配してくれたようです(笑)。



花の声が聞こえるって、ありますよね。・・・ね。
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考えたら、54歳の男が花と会話しているなんてのは客観的にはいささかい危うい光景かもしれませんし、かつてのぼくを知る人には想像もできない姿なのだと思います。



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花と会話する・・・庭の花を擬人化し感情移入するということは、そうしている人にとってはごく普通のことなんですけど、そうじゃない人には奇異に映る。
ぼくはそれなりに波乱の時を越えて、たくさんの幸運な出会いに導かれて、今とても幸せな日々を送ることができていて、気付いたらやたらと花と会話する人になっていました。だからこの感覚を、お守りのように思っているところがあります。



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花の声が聞こえる人は幸いなり。

花に意識が行かない時期ってありますよね。何かに耐え、悩み、必死で闘い、懸命に進む時に、人は花などには目もくれません。
ぼくもそうでしたし、きっと誰もが通る道なんだと思っています。



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嵐の季節を過ぎた時、人は花の存在に気付く。

ありがたいことです。いやほんとうに、このステージというか、花咲くフィールドまで辿り着けたことが奇跡のようにも思えて、ここまで倒けつ転びつへたりつつも一緒に歩んでくれた女房と、ここへの道順を指し示してくれた人たちと、支えたり背中を押し続けてくださったお客様と友人たちに、心から感謝しています。



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花に意識が行き、花の声を聞く心持ちになってからが幸せの本番なんじゃないかなあ。

だから、どうか花と会話するぼくを怪しく思わないでやってください(笑)
ここからなんですよ、ここから。
以前のようにがむしゃらで前のめりな姿勢ではつかめない、やわらかくて穏やかな幸せの築き方を会得してみたいのです。
その方法をマニュアル化して、花の存在に気付かないほど頑張っている人たちに配布すれば、ぼくほど遠回りすることなくこのフィールドに来れるかもしれませんからね。



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それにしても・・・いわふち、だいじょうぶ? には笑いました。
その同僚は、今も昔のままのカッコいい前傾姿勢で壮快に突っ走っています。
10年後にまたそいつと再会したら、花いっぱいの庭で、お互いの来し方を振り返ってみたいなあ。