いやあ〜今さらながらですけど、花っていいもんですよね。
仕事柄もあり、それ以前に、母が家の中も外も花だらけの暮らしをしている人なものですから、ぼくにとって花がない暮らしはイメージしづらいものとなっています。



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ところで(すっごく唐突ですけど)花って何でしょう?
・・・・
あらためて考えてみると答えはとてもシンプルで、受粉をするための器官ですよね。
自らの花粉を他の花に運び、他の花から花粉を受け取って実を結ぶために咲いています。



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花は花粉の運び方によって、風に運ばせる「風媒花」と昆虫に運んでもらう「虫媒花」に大別され、ぼくらが一般的に花と認識してその美しさに魅了されているのは主に虫媒花の方です。
虫媒花は
花の色、形、香り、風にそよぐ動きなど、あの手この手で昆虫を呼び寄せます。
そして近づいてきたら、花の中心部にある黄色で(多くの花の中心部は黄色です)蜜の在り処を教えて花粉へと誘導します。
ちなみにですけど、風媒花の花粉は風に舞いやすいようにサラサラしていて(杉花粉)、虫媒花のものは粘着性が強い(ユリの花粉)。



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形や色で集客する花は香る必要がなく、姿が地味目な花は強い香りを放ちます。
色が売りの花は目立つことが大事ですから、周囲の状況の中で存在をアピールできる独自の色で咲いています。
おもしろいのは白や淡い色の花。日中はあまり目立ちませんが、夕暮れ時になると薄暗い庭で浮き立つように存在感を増します。
これは、日中は鳥に狙われる危険があるため身を潜めていた昆虫が、鳥が巣に帰る夕方になると飛び始めるからで、つまり白系の花の営業は夕方から、というわけです。



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もうひとつおもしろいことがあって、それは昆虫には好みがあるということ。
昆虫の好みの頑固さはよく知られていて、例えばアゲハチョウはミカンに、モンシロチョウは菜の花に卵を産みますよね。その逆はありません。
そうやって頑に好みを貫くことによって、お互いの領分を荒らさない仕組みになっているのです。



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この虫たちのその頑固さが、花の種の存続に貢献しています。
ある形に惹かれる虫はそこで蜜を吸って、身体に花粉をまとって飛び立ち、また自分好みの魅惑的な形の花へと移ってゆく。そうすることでその花は同族への受粉が完了するのです。
もしも昆虫の嗜好性が弱かったり浮気性だったら、なかなか同じ種の花へとは移動してくれないので、受粉ができずに終わってしまうものも増えますからね。
 虫の頑固さと花の戦略が相まってお互いが命をつないでいるって、まったくもって驚きの社会システムです。
が、これ、ぼくら人間と似てますよね。それもまたおもしろいなあって思います。



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ある花は形で、ある花は色で、ある花は香りで独自性をアピールする。
他の種とは違う自己主張が花の美しさ。




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そうやって別々の個性を持った花が咲き誇る姿を、百花繚乱と言います。
いいですよね、百花繚乱。
あなたの営業戦略は?あなたはどんな花を咲かせますか?
他の誰とも違うあなたの花を見事に咲かせて、ふふっ、虫をとりこにしちゃいましょうね。



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えっ、もしかして、あなたは花じゃなくて昆虫の方ですか(ご苦労様です、ご同輩)。
だとすると、ひとつとっても大事なことがあります。
形に誘惑されたかと思うと色に心を奪われ、香りにも惑わされ、あっちへフラフラこっちへフラフラ飛び回っていると、結果的にどの花も受粉ができずに、自然がつくりあげたこのシステム上は役に立たない存在になってしまいますよ〜。
自然の理念は「利他による循環」、とてもシンプルです。しかもそれは絶対的なもの。
だから自然界から与えられた役割を果たさずに、ただただ蜜を求めて、他の領分まで荒す利己的な存在になった場合は必ず排除されてしまいますからご注意を。
あなたの昆虫人生を美しく全うするために、くれぐれも花の好みは一途なままで(笑)。



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虫媒花、そんな視点で観察すると、花に艶かしさや情念みたいな、とても女性的な美しさを感じます。

そういえば、男性的な花って思いつきませんよね。・・・・ね。

あっ、風媒花!

杉 花粉 かぁぁぁ・・・・